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【じーじは見た!】 後編:小泉純一郎元首相の伝説の所信表明演説

新首相の誕生で思い出すのが国民を熱狂させた小泉元首相。

今でも色あせない20年前の第百五十一回国会における小泉内閣総理大臣所信表明演説(平成十三年<2001年>五月七日)を振り返ってみましょう。

本編は後編です。前編を読んでから合流していただければと思います。

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✅社会の構造改革 ~生きがいを持って、安心して暮らすことができる社会~

 「生きがいを持って、安心して暮らすことができる社会」を実現するためには、教育、社会保障、環境問題等について、制度の改革と意識の転換が必要です。

 日本人としての誇りと自覚を持ち、新たなる国づくりを担う人材を育てるための教育改革に取り組んでまいります。教育基本法の見直しについては、幅広く国民的な議論を深めてまいります。

 社会保障制度は、国民の「安心」と生活の「安定」を支えるものであります。今世紀、我が国は、いまだ経験したことのない少子高齢社会を迎えます。これからは、「給付は厚く、負担は軽く」というわけにはいきません。

 社会保障の三本柱である、年金、医療、介護については、「自助と自律」の精神を基本とし、世代間の給付と負担の均衡を図り、お互いが支え合う、将来にわたり持続可能な、安心できる制度を再構築する決意です。

 私は、国民に対して道筋を明快に語りかけ、理解と協力を得ながら、改革を進める考えです。また、広く地域住民やNPO等のボランティアの参加を呼びかけ、介護や子育て等を皆で支え合う「共助」の社会を築いてまいります。

 私は、内閣を組織するに当たり、五人の女性閣僚を起用しました。これは、男女共同参画を真に実のあるものにしたいという思いからです。

 女性と男性が共に社会に貢献し、社会を活性化するために、仕事と子育ての両立は不可欠の条件です。これを積極的に支援するため、明確な目標と実現時期を定め、保育所の待機児童ゼロ作戦を推進し、必要な地域全てにおける放課後児童の受入体制を整備します。

 私は、二十一世紀に生きる子孫へ、恵み豊かな環境を確実に引き継ぎ、自然との共生が可能となる社会を実現したいと思います。

 おいしい水、きれいな空気、安全な食べ物、心休まる住居、美しい自然の姿などは、我々が望む生活です。自然と共生するための努力を、新たな成長要因に転換し、質の高い経済社会を実現してまいります。

 このため、環境の制約を克服する科学技術を、開発・普及したいと思います。

 環境問題への取組は、まず身近なことから始めるという姿勢が大事です。政府は、原則として全ての公用車を低公害車に切り替えてまいります。

 地球温暖化問題については、二〇〇二年までの京都議定書発効を目指して、最大限努力します。

 また、循環型社会の構築に向け、廃棄物の発生抑制、再生利用の促進、不法投棄の防止等に取り組みます。さらに、廃棄物を大幅に低減するために、私は、ゴミゼロ作戦を提唱します。

 例えば、大量のゴミの廃棄で処理の限界に至っている大都市圏を、新しいゴミゼロ型の都市に再構築する構想について、具体的検討を行います。

 循環型社会の実現や食料自給率の向上に向け、農林水産業の構造改革を進め、農山漁村の新たなる可能性を切り開いてまいります。

 社会の構造改革を進める上で、安心して暮らせる国家の実現はその基礎となるものです。誰もが、快適に生活できるようにするため、バリアフリーを進めます。

 多発する凶悪犯罪への対策や入国管理の体制を強化し、「世界一安全な国、日本」に対する国民の信頼を取り戻します。また、防災対策に取り組むとともに、災害による被災者の方々への支援や復旧・復興対策に万全を期してまいります。

(中略)

✅むすび

 私は、積極的な「国民との対話」を通じて、国民の協力と支援の下に、新しい社会、新しい未来を創造していく作業に着手します。

 関係閣僚などが出席するタウンミーティングを、全ての都道府県において半年以内に実施し、また、「小泉内閣メールマガジン」を発刊します。

 こうした対話を通じ、国民が政策形成に参加する機運を盛り上げていきたいと思います。

 明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が届けられました。米百俵は、当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまいます。

 しかし、当時の指導者は、百俵を将来の千俵、万俵として活かすため、明日の人づくりのための学校設立資金に使いました。その結果、設立された国漢学校は、後に多くの人材を育て上げることとなったのです。

 今の痛みに耐えて明日を良くしようという「米百俵の精神」こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないでしょうか。

 新世紀を迎え、日本が希望に満ち溢れた未来を創造できるか否かは、国民一人ひとりの、改革に立ち向かう志と決意にかかっています。

 私は、この内閣において、「聖域なき構造改革」に取り組みます。

 私は、自らを律し、一身を投げ出し、日本国総理大臣の職責を果たすべく、全力を尽くす覚悟であります。

 議員諸君も、「変革の時代の風」を真摯に受け止め、信頼ある政治活動に、共に邁進しようではありませんか。

 国民並びに議員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。

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いかがでしたか?

結局、郵政選挙という劇場型選挙で圧勝して「小泉純一郎が本当に自民党をぶっ壊して日本を再生してくれるかもしれない」と国民が期待をしたのに、あの選挙から1年後に安倍晋三元首相に政権を禅譲して、息子の進次郎さんに選挙基盤を譲って自らは政界の表舞台から身を引きました。

権力にしがみつかない潔さと言えばそうなのでしょうが、残念で仕方がありません。

「改革」が中途半端で所信表明演説から20年後の日本も所信表明で指摘した課題がそのまま残ってしまったからです。

この後編の演説テーマでいくと、教育改革は進みませんでした。20年経ってもリモート授業すらできなくて黒板にチョークの授業、中国・韓国に追い越されました。

気候変動対応やゴミ問題への対応は、企業や国民が目指す方向を示す法整備が出来ず、EUの独壇場です。今になって大慌てで目標だけ高く言っとけ番長の状態では、これから国民を苦しめそうです。

今度こそ「聖域なき構造改革」を断行してもらいたいと思うのですが「改革」の言葉すら出てこない「バラマキ宣伝選挙」の様相を呈しています⁉

痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず、「恐れず、ひるまず、とらわれず」の姿勢で、

キーワードは「OPEN(解放)」と「協力/協調」ですよ。

既得権益者のキーワード「閉鎖的」と「排他性」の逆をいきましょう⁉

お願いしますよ、政治家の皆さん⁉


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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