みんなで地球を助けよう①:水素還元製鉄の開発競争が始まった⁉
「気候変動問題の盲点」では、植林によるCO2の吸収が重要だけれども持続的な植林が注目されていないことが盲点になっていることをみてきました。
今回から、温室効果ガスの排出削減には何が必要なのか、電力だけでなく、動力の源である「化石燃料」の燃焼に代わるものは何か?をテーマに考察していきます。
じーじは、学者さんではないので、上記表の第4次産業革命に書いていることに自信がある訳ではありません。
しかし、地球環境との調和と気候変動緩和ためには、こうなるのではないかと思っているのです。
第1次産業革命は、何と言っても蒸気機関の発明です。
蒸気汽船や蒸気機関車といった大量輸送基盤も整っていったことが、従来の農林水産業中心の社会を工業社会に向かわせました。
第2次産業革命は、石炭から石油へ燃料の主体が変わると同時に自動車が産業の中心になりました。
内燃機関(エンジン)の開発には、大きな参入障壁があり、企業グループ(系列づくり)を通しての下請け構造が、日本社会にマッチして日本の戦後復興を支えました。
第3次産業革命には、明確な定義が存在していないと思うのですが、燃料転換という意味では、原子力や再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電)といった新たな電力源の登場という変化がありました。
内燃機関エンジンは、ハイブリッドへと主流が移り、また、モーターと蓄電池によるBEV(バッテリー電気自動車)へと変化していきました。
また、インターネットを基盤として、GAFAに代表されるプラットフォーマーが台頭した時代が第3次産業革命だという専門家もいます。
そして第4次産業革命が、これからの時代に変化をもたらすと思うのです。
じーじは、「水素」が、これからの次代のキーワードになっていくと思っています。
✅水素還元製鉄
水素は、早くからトヨタが、燃料電池車の開発に力を注いできた環境に優しい燃料です。そして水素を考える上でもっと重要な産業があります。
鉄鋼業です。
「酸化」「還元」なんていう言葉は、もうすっかり忘れてしまったという方が、ほとんどだと思います。
「還元」は、「取り出すこと」だと読み替えて読み流してください。
ここに示した👇のは、製鉄所の高炉で鉄鉱石から鉄を還元する際の化学式です。
鉄は、産業の米として日本の戦後復興を支えた重要産業です。
しかし、鉄を還元する際には大量の二酸化炭素を排出するため、電力業界と共に二酸化炭素排出削減のカギを握る産業でもあるのです。
中国がCO2排出量が多いのは、鉄の圧倒的な世界シェアを握っていることもその大きな要因だのです。
気候変動を止めるために二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出を「2050年までに実質ゼロに持ち込まなくてはならない」との考えが世界のコンセンサスになった今、「難しい、難しい」とやれない理由を探すのではなく、鉄鋼業界にも変化を求められています。
第1次産業革命から今日まで社会の発展に貢献してくれた鉄の製造方法にも変革が必要です。
原料炭、つまり石炭を使って鉄鉱石から鉄を還元する製造方法に変革の時がやってきました。「水素還元法に変える」ことです。
鉄の還元に水素を使うと二酸化炭素の代わりに水(H2O)がでるだけで二酸化炭素の排出はありません。
「こんな良いことはない。」「直ぐにやればいいじゃない。」と思うのですが、一方で、鉄1トンを取り出すのには、水素が、1,000N㎥(ノルマルりゅうべい)必要になります。
ということは、日本の粗鋼生産約1億トンを全て水素還元法に変えるとしたら1,000億N㎥(約900万トン)の水素が必要になります。
日本政府が先ごろ発表した「2050 年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の中で2050年に水素の製造を2千万トンにもっていきたいと述べています。
水素気体換算で約900万トンが水素還元製鉄に必要になりますが、実際には鉄はリサイクできますので、650万トン~700万トンの水素が必要なのでしょう。
そうすると2千万トンの政府目標の約3分の1が水素還元製鉄用ということになります。
✅国産水素も夢でない
水素還元に変えろと、言うは易し行うは難しです。
当然水素の輸入を考えていかなくては国内製造だけでは全然足りません。
しかし、日本だけが水素を輸入して水素還元製鉄にしたのでは国際競争力が保てませんし、水素の価格が日本だけ高くても国際競争力は保てません。
さらに輸入してくる水素の製造方法も問題です。
水素を製造するのに化石燃料を燃やしていたのでは、本末転倒です。
太陽光発電等のグリーン電力による水素製造が必要です。
そのため実は、原子力発電による水素製造も有望視されていますが、政府は原発は新設もリプレースもしない方針です。
つづきを読む
後まで読んでいただき、ありがとうございました。
よろしかったら「スキ」🤍ポッチンをお願いします😊😊
コメントなんかいただけたら、飛び上がって喜んじゃいます😂😂
▼「じーじのボヤキ」孫と祖父シリーズのサイトマップです。
▼じーじの初期投稿4部作のサイトマップを紹介しますね。
▼「じーじは見た!」シリーズのサイトマップは第2弾ができました。
▼じーじの時事川柳シリーズのサイトマップです。お一つ読んでみてくださいな😊
▼Z世代応援団のじーじをよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?