【じーじは見た!】後編:シェルシナリオが凄い⁉️
心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️
シェルの最新の「エネルギー安全保障シナリオ」、SKY2050シナリオ(以下「スカイ」)とArchipelagosシナリオ(以下「アーキペラゴス」)の2つのシナリオを詳しく見ています。
シェルが投げ掛けている「未来」を一緒に考えてみましょう。
本編は後編です。前編から読んでいただけると嬉しいです。
✅2つのシナリオ、スカイとアーキペラゴスの描く未来ストーリー
上のグラフが最も分かり易いと思います。
グレーの実線でデコボコしながら上昇しているのが、産業革命以降の気温の上昇です。
2022年までの線は過去の実績です。これは変えられない現実です。
現時点での人類の英知を集めて、この現実の気温上昇の原因がCO2だと特定して世界中で協力して排出削減に取り組んでいるのです。
既に30年以上も国連の政府間パネルで研究を続けてきました。
始まりは1992年のリオデジャネイロ(ブラジル)の地球サミットでした。それから30年間国連の場で突き詰めてきた結果は、人為活動で化石燃料を燃焼して吐き出してきたCO2が温暖化の原因だということでした。
ただ、そのこと自体を否定して、これは周期的に訪れる寒冷化・温暖化のサイクル、つまり太陽活動の影響であってCO2なんか「そんなの関係ねえ」だとか、これは陰謀だとかいう人がいます。
そういう人はいつの時代もいるもので、だからと言って化石燃料の燃焼を止めていく行動をしなくても良いかというと、そうにはならないハズです。
しかし、世界が一つの目標に向かって力を合わせることは何と難しいことでしょうか。
上記グラフの青い線がスカイシナリオです。
2050年頃には気温上昇が止まり、2100年に向けて気温が下がり始め、2100年時点では1.24℃上昇というシナリオです。
茶色の線がアーキペラゴスシナリオです。
2100年時点の気温上昇は2.22℃というシナリオです。
この差はどこからくるでしょうか?
ここから来ているのです。つまりCO2の排出量が今後どうなっていくかの違いです。
✅前提となる基礎情報も公開
シェルという会社の品格を感じるというのか、懐の深さというのか、シナリオ検討に使った基礎情報を誰もが使えるようにエクセルで提供してくれているのですよ。
エクセルにはこれだけの情報を入れ込んで提供してくれています。
これだけの基礎データの2100年までの前提条件がデータで示されています。
しかもスカイとアーキペラゴス両方のシナリオの基礎データを提供してくれています。
私から言わせれば「太っ腹」です。
✅スカイとアーキペラゴスの未来を決める差は?
未来を決める差とは、エネルギー源をどのような構成にするのかに尽きるのです。
エネルギー源の構成の違いをスカイとアーキペラゴスで比べてみましょう。
Fossilと書いてあるダークグレーが化石燃料の燃焼です。
それぞれ5つのケースに分けられていますが、明らかにスカイとアーキペラゴスの違いは化石燃料依存度の違いです。
横軸のケースは、世界の国を5つに分類しています。
シェルは、人口動態の種類によって各国を5つに分類してシナリオを描いています。
①Green Dream(人口減少が進む国々)・・・西側先進国をさしているのだと思いますが、人口が減少するのは地球環境(グリーン)にとっては良い事との皮肉を込めたGreen Dream
②Innovation Wins(改革成功組)・・・緩やかな人口増加を実現する国々
③Grate Wall of Change(進化の壁とでもいったニュアンスですが、中国を含む国々の人口予測でしょう)
④Surfers Emergent(波乗りサーファーは新興国を表わしていると思いますが、人口が減少に向かう国が④、増加する国を⑤に分類しているようです)
⑤Surfers Rising(人口増加組)
じーじは、シェルシナリオの中で物足りないのが「水素」利用の想定です。
中国以外の国での水素活用はそんなに進まないという想定だと思います。
下記が「水素」利用のスカイとアーキペラゴスの想定です。
船舶での水素利用やトラック等長距離輸送の動力源への水素利用、産業利用(おそらく水素還元製鉄利用を想定しているのでしょう。だから中国での水素利用が進むことを想定していると思われます。)がスカイシナリオでも物足りない気がします。
シェルが言っているようにこれは未来予測ではなく、シナリオです。
シェルが設定した前提条件の下でシェルが描いたストーリーです。
でも本当に気温上昇を止めるということは、物凄く難しいことだと思います。ひょっとしたら既に手遅れなのかもしれません。
全世界が本気で考えて世界中で協力していかないと「そんなの俺には関係ない」と思ってしまったら、スカイシナリオから遠くなっていくだけです。
いよいよCOP28が近づいてきました。
2023年11月30日~同年12月12日にアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで開催される国連気候変動枠組条約第28回締約国会議では、シェルが投げ掛けたスカイシナリオに近づくような政策の方向付けが決定されることを期待しましょう。
頑張れ国連!
頑張れZ世代!
☆☆☆
(感謝)
▼きしゃこく先生のしゃかせん「Real World Teacher」と「您是老師」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生、どうもありがとうございます。シェルシナリオのフレームワークは、企業の戦略立案のプロセスとしてその考え方は十分にパクれますね。パクった方が良さそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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