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いじめ防止対策推進法!

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

昨日は「いじめ自殺が多発した2006年」を題材につぶやき投稿しました。

この後も大津でのいじめ自殺問題が明らかになるまでいじめ防止対策推進法ができませんでした。

しかし、2006年から2013年までの7年間、この問題に向き合ってきた国立教育政策研究所が、立法化直前に開催した平成 24 年度(2013年度)の教育研究公開シンポジウム 「いじめについて、わかっていること、できること。」の資料には非常に大切なポイントがいくつも示されていました。

国立教育政策研究所の資料からいくつかピックアップしてみまよう。

政府におきましては、教育再生が内閣の最重要課題ということで、(中略)
道徳を新たな枠組みによって教科 として位置づけるといったような提言、いじめ防止のための新たな法律、第三者機関を設けていじめの通報を受けて解決に当たる、いじめた子には懲戒、出席停止など、毅然とした指導を行うといったようなことが提言として盛り込まれております。

シンポジウム資料より抜粋

じーじもnoteで提言していたように道徳教育の重要性が言われているのですが、エビデンスをベースに教育政策研究所は、本質的な面をデータで示して素晴らしい示唆や提言をされています。

そもそもいじめ問題が先生方にとって厄介なのは、いじめは、暴力行為といった目に見えた現象では見つからないからです。

そもそもいじめとは
行為の中心は、いじわるな行動や否定的な態度といった、一見、ささいなこと。 (中略)
見とがめられても「本気ではない」「軽い気持ちで」 等言い逃れできる程度の行為。
相手の尊厳を傷つけることが目的だから、殴る・ 蹴る等の暴力は不要。 ・相手の短所や非を責める形で罪悪感も軽減され る。 →誰もが参加できるため、広がりやすい。

シンポジウムで使用されてスライド26より引用

暴力といじめを一緒に論じると、「目に見えやすい」行為や、「目に見えやすい」被害状況ばかりに対応が集中しがちになる。
・ いじめ自殺の事案の中でも、暴力を伴うものばかりではなく、仲間はずれや無視によって自死を選ぶ子どもが少なくないのに、対応が後手に回りか ねない。
※ 不登校等に至る事例を含めれば、「目に見えやすい」暴力はもちろん、暴力を伴わない「目に見 えにくい」事案についても、きちんと対応すべき。

シンポジウムで使用されていたスライド31より引用

その上で、下記のような大胆な提言をエビデンスに基づいて行っています。

〇欧米の研究で主張されることの多い、個人の資質や養育のされ方等が主原因とする説明は、無意味である。

〇記名式の心理検査やアンケートで、いじめを発見できる、予見したい、という考え自体が、無思慮である。 → これはどうしてか分かりますか?
それは、記名式の回答は、過去(解決済み)の事例が中心となって、深刻なもの、現在進行形のものが含まれにくいからだそうです。

○いじめ加害者に「理由」を尋ねても、無意味である。 → これはどうしてか分かりますか?
・その答えは、自らの行為を「正当化」するためのものに過ぎなくなるからだそうです。  
・「被害者が~だったから」の理由がどれだけ「もっとも」であったとして も、故意に他者を傷つけることを正当化できるものではないからです。

どうしていじめは起こるのか?この分析が秀逸です。

①人間が持つ本能だからいじめは起こるのです。
・自分の力を行使する、誇示することの快感。
・自分の言動で、相手が右往左往するのを見るのが楽しい。
※一言で言うなら「趣味が悪い」「大人げない」行為を抑えられない、抑えないことがいじめの原因なんですよと説明しています。

②ストレスの単純な発散になっているから起こるのです。
・暴力まではいかないが、悪口、物を壊す、こづく等で他者を攻撃することでストレスを発散しているんですよとの説明に続きます。 

③ストレスで傷ついた自我の回復行為になっているから起こるのですよ。
・子どものストレスの多くは、自己評価と比べて他者からの評価が低いことに由来しています。低い評価で傷ついた自我を手っ取り早く回復させるのが、誰かを貶(おとし)めることなんですよ。
※ねたみ・嫉妬も、自己評価(プライド)が傷つ き生じます。悪口・陰口・噂をばらまく、仲間はずれにする・ 無視する、相手が困惑するような嫌がらせ・い たずら・からかい・冷やかし等で相手を貶め、足を引っ張れば解消するからいじめは起こるのですよと続けています。

いい分析をしていますよね。

①~③が原因であることを生徒に教えて、被害者、加害者にならないように「教育」のあり方を考えなくてはなりません。

1)少なくとも、学校はストレスをいたずらに煽る場所であってはならない → 教師の日々の関わり方や働きかけ方の見直しによって、ストレスやストレッサーを緩和するような工夫や配慮が教育に必要になります。

2)ストレスやストレッサーがあるからと言って、 他者を攻撃して平気でいるような児童生徒を放置してはならない → 自分が認められている、他者の役に立っていると感じることで、集団や社会とのつながりを自覚させる場面の工夫や配慮が教育に必要になります。 

大人だって難しいのに、子どもにとってはとても難しいことです。だからこそ教育が大切なんでよね。ではまた。

☆☆☆
(感謝)

▼きしゃこく先生の「毎昼12時」「Real World Teacher」「您是老師」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生ありがとうございます。
この記事は2002年の牛肉偽装事件に関連してムラ社会の弊害を記したものでした。牛肉偽装事件は内部告発者を保護する公益通報者保護法に結び付いたものの、日本社会は、正しいことであっても内部告発者を村八分にしてしまうところがあり、それがジャニーズ問題などが表に出てこない根底にもある根深い問題なのです。Winny事件もそんな社会風土から天才潰しをしてしまったのでした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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