OPEC、石油需要見通しを維持しつつ供給拡大を延期
1. 世界の石油需要見通しを維持
OPEC(石油輸出国機構)は、2024年の世界の石油需要見通しを横ばいで維持しました。今年の消費量は、若干の調整を経ても、引き続き日量200万バレル増加すると予測されています。この予測は、他のエネルギー機関の予測を大きく上回る強気な見通しです。
2. 供給拡大の延期と価格動向
OPECプラス(OPEC加盟国および非加盟国)は、供給拡大を12月まで延期することで合意しました。この決定は、原油価格の下落に対処するためとされています。現在、北海ブレント原油は1バレル=71ドル近辺で取引され、2021年以来の安値を記録しています。特に中国の経済成長を巡る懸念が影響しており、市場の不安定さが続いています。
3. OPECプラスの減産戦略
OPECプラスは、サウジアラビアやロシアを中心とする23カ国が参加する協力体制で、2022年終盤からの減産を継続しています。減産によって価格を下支えする狙いがありましたが、現在は市況に応じて供給を増やすタイミングを見計らっている段階です。
まとめ
OPECは石油需要の強気な見通しを維持しつつも、原油価格の下落に対応するため供給拡大を延期しました。市場の動向を見守りながら、今後の生産戦略を調整していく方針です。