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経済指標リポートまとめ4.0 23:5920240902



1. 米国の天然ガス市場

  • 価格の上昇: 米国の天然ガス先物価格は、2.2ドル/MMBtuに向けて上昇しました。これは、冷却需要が高まっているためです。週末には米国中西部で記録的な高温が観測され、6000万人以上が強烈な暑さの警報を受け取り、エアコンの使用が増加しました。

  • 供給状況: 米国のLNG輸出は減速しており、国内供給レベルの評価が続けられています。8月28日までの1週間で、米国のLNGプラントは26隻の船を出荷し、パイプラインの供給が前週から減少しました。これにより、国内の供給が支えられ、テキサス州のフリーポートLNG輸出プラントが定期メンテナンスのために新たに停止されたことと一致しました。

  • 在庫状況: 米国のユーティリティ会社は、8月23日までの1週間で予想を下回る35億立方フィートの天然ガスを貯蔵に追加しました。これにより、在庫レベルは過去5年間の平均を12.1%上回り、供給過剰が続いていることを反映しています。

2. ブラジルの株式市場(Ibovespa指数)

  • 指数の下落: Ibovespa指数は月曜日に0.5%下落し、135,500ポイントを下回りました。これは、商品生産大手が圧力を受けていることと、最新のFocus Bulletinがブラジル中央銀行のタカ派的な姿勢を支持しているためです。

  • 経済見通し: 最新のブラジル中央銀行(BCB)の調査では、インフレの期待がわずかに上昇し、GDP成長も上昇する見込みであるため、より厳しい借入条件の余地があるとされています。

  • 主要銘柄のパフォーマンス: 鉄鉱石採掘大手のValeは、鉄鉱石価格の下落に伴い1.7%以上の損失を記録し、石油大手のPetrobrasもマイナスで取引されました。

  • 消費者裁量セクター: 財政見通しに対する悲観論がインフレ懸念を増幅し、金利の上昇予想が強まる中、消費者裁量セクターも後退しました。Magazine Luiza (-2.6%)、JBS (-1.9%)、BRF (-2.8%)、Lojas Renner (-1%)はすべて大幅な損失を記録しました。

  • 製造業の活動: 国内の製造業活動は今年最も弱い成長を示し、8月の製造業PMIは50.4となりました。


1. バルチック海運指数

  • 指数の上昇: バルチック海運指数(Baltic Dry Index)は月曜日に約13.5%上昇し、1,919ポイントに達し、7月中旬以来の最高値を記録しました。この上昇は、特に大型セグメントの船舶の動きに支えられています。

  • セグメント別:

    • ケープサイズ指数: 鉄鉱石や石炭などの15万トンの貨物を輸送するケープサイズ指数は28%上昇し、3,248ポイントで7月中旬以来の最高値に達しました。

    • パナマックス指数: 6万~7万トンの石炭や穀物貨物を運ぶパナマックス指数は、24回連続で下落し、1,305ポイントと1年以上ぶりの最低値に達しました。

    • スプラマックス指数: スプラマックス指数は17ポイント下がって1,289ポイントとなりました。

2. シンガポールの製造業PMI

  • PMIの上昇: シンガポールの製造業PMIは2024年8月に50.9に上昇し、前月の50.7から改善しました。これは12ヶ月連続の拡大を示し、過去3年間で最高の数値です。

  • エレクトロニクスPMI: 工場活動の約3分の1を占めるエレクトロニクスPMIは8月に51.3と、7月の51からさらに拡大しました。また、従業員数とサプライヤーの納入状況も改善し、プラスに転じました。

3. セルビアの経済成長

  • 成長率の下方修正: セルビアの経済は2024年第2四半期に前年同期比で4%成長し、予備的な推定値の4.2%をやや下回り、前期の4.6%から下方修正されました。

  • 成長の要因: 世帯消費(4.8% vs 4.4%)、政府支出(4.5% vs 3.6%)、固定資本形成(8.5% vs 7.5%)が成長を支えました。一方で、輸入(8.5% vs 3.5%)の増加が輸出(4.4% vs 1.3%)を大きく上回り、純貿易はGDPに対してマイナスの寄与となりました。

  • 四半期ベース: 季節調整済みの四半期ベースでは、第2四半期のセルビアのGDPは0.8%増加しました(前期は0.7%増加)。

4. ブラジルの製造業PMI

  • PMIの低下: S&Pグローバルブラジル製造業PMIは2024年8月に50.4に低下し、7月の54.0から大幅に減少しました。これは年内最低水準を示しており、セクターの成長モメンタムの大幅な減速を反映しています。

  • 主な要因: コスト圧力が2022年3月以来の最高水準に達し、需要が減少したため、2024年に初めて生産が減少しました。新規受注の増加ペースも8ヶ月ぶりに最も遅くなりました。米国とメルコスールでの販売が低調である一方、アジアと中東からの需要は増加しました。

  • 前向きな見通し: 雇用は引き続き増加し、事業拡大、製品多様化、投資計画が支えとなっています。企業は供給の悪化を受けて安全在庫を利用し、購入活動と在庫水準を抑制していますが、将来の生産に対する楽観的な見通しは依然として高いままです。

5. ガソリン先物価格

  • 価格の下落: 米国のガソリン先物価格は9月に1ガロンあたり$2.07未満に下落し、年初来の安値に接近しています。これは、主要消費国での燃料需要の低迷の兆候が、供給過剰の圧力を受けているためです。

  • 中国の影響: 中国の国家統計局(NBS)のデータによると、今年最も急激なペースで工場活動が減少し、エネルギー集約型工業製品の需要減少への懸念が広がっています。これにより、中国の主要石油会社であるシノペック、ペトロチャイナ、CNOOCの収益が低下しています。

  • OPECの動向: OPECは来月の生産削減の段階的な緩和を維持することを決定し、価格の低下傾向が続いています。


1. チリの経済活動

  • Imacec経済活動指数: チリの経済活動指数(Imacec)は2024年7月に前年同月比で4.2%増加し、市場予想の2.7%を上回りました。これは、前月の上方修正された0.2%の増加から大幅に加速しています。2024年7月は2023年7月よりも営業日が1日多かったことも要因です。

  • セクター別成長:

    • 製造業: 製造業の生産は7.8%の強い反発を示し、6月の-1.7%から大きく改善しました。

    • 鉱業: 鉱業の生産は3.6%の増加にとどまり、6月の6%増加から減速しました。

    • サービス業: サービスセクターは5.3%の成長を見せ、6月の-1.8%から回復しました。

    • 貿易セクター: 貿易セクターは4.9%の成長と、6月の5.8%から若干減速しました。

  • 月次変動: 季節調整済みベースでは、チリの経済活動は6月の0.4%から1%増加しました。

2. イギリス10年国債利回り

  • 利回り上昇: イギリスの10年物国債(ギルト)の利回りは4%に達し、9月の初めに1ヶ月ぶりの高水準を記録しました。これは、イギリスの経済データが予想以上に良好であり、イングランド銀行(BoE)のベイリー総裁が利下げに慎重な見解を示したことが影響しています。

  • 金融政策: BoEは9月19日の会合で金利を据え置く可能性が高いですが、11月に25ベーシスポイントの利下げを行う可能性があります。キア・スターマー首相は、前政権の政策の影響を改善するための長い道のりがあることを強調し、状況は改善する前に悪化するかもしれないと警告しました。

3. 鋼鉄市場

  • 鋼鉄価格の下落: 鋼鉄リバーフューチャーはトンあたりCNY 3,100を下回り、8月28日に記録した1ヶ月以上ぶりの高値CNY 3,200からの下落を拡大しました。これは中国の鉄鋼需要の低迷を示す新たな証拠によるものです。

  • 経済指標: 中国の公式製造業PMIは予想外に49.1に低下し、今年最も急激な製造業活動の低下を示しました。さらに、中国国家統計局(NBS)の建設業PMIは50.6に低下し、データ収集が始まった2020年以来の最低成長率を記録しました。これにより、住宅供給過剰と金属依存の削減を目指す中国の政策が強調され、財政的に厳しい不動産開発業者に影響を与えています。

4. メキシコのビジネス信頼感

  • 信頼感の改善: メキシコの製造業ビジネス信頼感指数は2024年8月に0.2ポイント上昇して53.2に達しました。これは主に投資意欲の若干の改善(46.4 vs 45.1)が寄与しています。

  • 経済状況と企業の見解: 国内の経済状況に対する現状評価(51.3 vs 51.4)と企業の状況(53.9 vs 54.5)は引き続き良好です。将来の企業見通し(58.9 vs 59.3)および国の経済見通し(54.8 vs 55.3)は楽観的であるものの、若干の減少が見られました。


1. パキスタンの卸売インフレ

  • インフレ率の低下: パキスタンの年間卸売インフレ率は2024年8月に6.3%に低下し、前月の10.6%から大幅に減少しました。これは2020年12月以来の最低水準です。

  • 主な要因: 金属製品、機械・設備の価格は6.8%(7月は10.1%)に、食品、飲料、タバコ、繊維・革製品は4.1%(7月は6.2%)にそれぞれ減少しました。一方で、農業、林業、漁業(6.3% vs 5.7%)と鉱石、鉱物、電気、ガス、水(40.6% vs 40.4%)の価格は上昇しました。

  • 月次変動: 卸売価格は7月の2.3%増に対して、8月は0.3%の増加にとどまりました。

2. ナイジェリアの民間部門活動

  • PMIの改善: ナイジェリアのStanbic IBTC銀行PMIは2024年8月に49.9に上昇し、7月の49.2から改善しました。これにより、ナイジェリアの民間部門のビジネス環境がほぼ安定していることを示しています。

  • ビジネス活動: 新規受注がわずかに回復し、雇用が増加した一方で、購買活動は縮小し、17ヶ月ぶりに在庫が減少しました。購入コストのインフレは、材料と輸送コストの上昇により5ヶ月ぶりの高水準に達しました。

  • 価格動向: スタッフコストと販売価格は5ヶ月ぶりの高水準に上昇しましたが、ビジネスの信頼感は調査開始以来最も低いレベルの一つにとどまっています。

3. イギリスのポンドと経済見通し

  • ポンドの動向: イギリスポンドは9月の初めに約$1.31で推移し、8月の2.1%の上昇を受けて強さを維持しています。これは、米国とイギリスの金融政策の相違がポンドを支えているためです。

  • 経済データ: 英国の経済データの強さとイングランド銀行の慎重な金利引き下げアプローチがポンドを支えています。一方、米国では連邦準備制度理事会(FRB)がさらなる利下げを示唆しており、ドルが弱含んでいます。

  • 政治的背景: キア・スターマー首相は、英国の経済回復が遅れる可能性があると警告しています。

4. インドの株式市場

  • センセックス指数の上昇: BSE Sensexは9月の初取引日で約0.2%上昇し、82,559.8の新高値を記録しました。これで10日連続の上昇となり、IT株が米国のテクノロジー支出の増加期待で上昇しました。

  • 消費財セクター: 良好なモンスーン雨予報により、ITCやヒンドゥスタン・ユニリーバなどの消費財企業も堅調に推移しました。一方、NTPCとタタ・モーターズはそれぞれ1.6%、1.5%の下落を記録しました。

  • 経済成長: インドの製造業活動は8月に3ヶ月ぶりの低水準に緩和しましたが、依然として長期平均と50ポイントの閾値を超えています。4月から6月期の経済成長は前年比6.7%に緩やかに低下しましたが、それでも主要経済の中で最速の成長率を維持しています。

5. パキスタンの消費者インフレ

  • インフレ率の低下: パキスタンの消費者インフレ率は2024年8月に9.6%に低下し、前月の11.1%から減少しました。これは2021年10月以来の最低水準です。

  • セクター別: 住宅・公益料金(22.2% vs 25.3%)、交通(3.2% vs 12.2%)、衣料・履物(17.3% vs 18.2%)、レストラン・ホテル(10% vs 11.2%)の価格が緩和されました。一方、食品・ノンアルコール飲料の価格は加速(2.5% vs 1.6%)しました。

  • 月次変動: 消費者物価は前月の2.1%増に対し、8月は0.4%の増加となりました。

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