経済リポートまとめ1.0 12:52 20241030
最新のアジア・太平洋およびグローバル通貨・市場動向
1. 日本円(JPY)
動向:円は1ドル153.4円付近で安値を維持し、3か月ぶりの低水準に。
注目点:木曜日の日本銀行(BOJ)政策決定に注目が集まっている。利上げの可能性が年内に示唆されるかが焦点。
影響:与党の議席減少で政策変更の見込みが少ない中、FX市場への介入懸念が高まり、160円に近づくと再介入の可能性が指摘される。
2. オーストラリアドル(AUD)
動向:豪ドルは0.655ドル付近で11週間ぶりの安値を記録。4週間で4.83%の下落。
要因:予想を下回るインフレ率により、RBAの利下げ期待が高まっているが、主要インフレ指標は依然として目標を上回っている。
展望:市場は、RBAが11月の会合で政策金利4.35%を維持する見通しだが、利下げは来年5月頃と予測されている。
3. 中国株式市場
上海総合指数:0.1%下落の3,282付近、深セン指数は0.1%上昇の10,552付近で小幅な動き。
要因:PMIデータの発表を控え慎重な取引、また全国人民代表大会(11月4-8日)での財政措置発表が期待される。
注目銘柄:四川長虹(+10%)、上海電気(+5.4%)。一方、東方財富(-0.8%)などが下落。
4. 香港株式市場
ハンセン指数:145ポイント(0.7%)下落の20,553。中国製EVへのEU関税引き上げ(最大45.3%)の影響で、EV関連が下落。
注目銘柄:NIO(-3.6%)、ジーリー(-2.2%)、小鵬(-4.4%)。テンセント(-1.3%)も下落。
背景:中国製EVへのEUの新関税導入およびPMIデータ発表への慎重な姿勢が市場に影響。
5. 金(Gold)
動向:金価格は新たな最高値の1オンス2,780ドルに達し、安全資産としての需要が強まる。
要因:米国の労働市場データ(JOLTS)で求人件数が減少、米国大統領選や中東情勢のリスクが背景。
6. 米ドル(USD)
動向:ドル指数は104.3付近で推移。今週発表予定の米国GDP速報値、PCEインフレ指標、雇用統計を控え、慎重な取引。
背景:混合した経済データと、トランプ氏再選の可能性がドル高を支える要因。
1. アジア通貨市場
上昇通貨:レバノンポンド(+0.68%)、ウズベキスタン・ソム(+0.40%)、カンボジア・リエル(+0.32%)。
要因:これらの通貨の上昇は、地域的な政策動向や経済指標の影響を受けていると考えられます。
2. シンガポール銀行貸出額
9月の貸出総額:SGD 8088億ドルに増加(8月のSGD 8000億ドルから上昇)、2022年12月以来の高水準。
セクター別増加:
農業・採掘(SGD 35億ドル)、製造業(SGD 210億ドル)、一般商業(SGD 844億ドル)などで貸出増加。
消費者向け:住宅・ブリッジローン(SGD 2294億ドル)、自動車ローン(SGD 79億ドル)、クレジットカード(SGD 156億ドル)も増加。
3. オーストラリア10年債利回り
動向:10年債利回りは4.5%に低下。最新のインフレデータが予想を下回る結果に。
インフレ指標:第3四半期のインフレ率は年率2.8%に低下し、RBAのターゲットレンジである2-3%に初めて戻る。
影響:RBAによる利下げの可能性が示唆され、年末の会合での金融政策決定が注目。
4. 韓国株式市場(KOSPI指数)
市場の動き:KOSPI指数は0.5%下落し、2,605ポイントに。
主な下落銘柄:
医療セクター:サムスンバイオロジクス(-2.4%)、セルリオン(-0.9%)。
金融セクター:KB金融(-1.7%)、新韓金融(-4.1%)、ハナ金融(-3.4%)。
経済データ:韓国の小売業は9月に前年比6.7%増加(オンライン売上が15.7%増)。
今後の見通し:米国の経済指標発表と米中PMIデータが市場の焦点。
5. マカオ貿易収支
貿易赤字:9月の貿易赤字はMOP 95億ドルに縮小(前年同月のMOP 106億ドルから改善)。
輸出:14.1%減少(主に宝石とカジノ向け商品の輸出が減少)。
輸入:10.5%減少、主に金製品(-42.0%)、化粧品(-38.1%)、時計(-22.3%)の購入が減少。
6. 原油市場
WTI原油価格:1バレル67.5ドル付近まで上昇、米国原油在庫の予想外の減少が支援材料。
影響要因:中東リスクの緩和と中国の需要低下が依然として抑制要因。OPEC+の12月の生産計画も注目。
中国の動向:中国政府の新たな景気刺激策への期待もあり、原油需要への影響が見込まれる。
7. フィリピン生産者物価
9月の生産者物価:前年比1.4%の下落(前月の1.1%減少から悪化)。
価格動向:輸送機器、金属製品、電気機器などの価格が下落。
増加した分野:食品(1.6%)、飲料(3.6%)、タバコ製品(4%)での価格上昇が見られる。
1. 日本株式市場(Nikkei 225とTopix指数)
市場の動き:日経225指数は0.9%上昇し39,250付近、Topix指数は0.6%上昇し2,697で3日連続の上昇。
要因:米国テック企業の好調な四半期業績が投資家心理を後押し。
主な上昇銘柄:
ディスコ:11.1%上昇。
レーザーテック:4.8%上昇。
さくらインターネット:6.5%上昇。
アドバンテスト:3%上昇。
東京エレクトロン:1.6%上昇。
その他の企業:三菱UFJ(0.3%上昇)、トヨタ(0.5%上昇)、ファーストリテイリング(0.4%上昇)。
政策の不確実性:自民党の議会過半数喪失や、日本銀行の政策変更を巡る議論が市場の懸念材料。
2. オーストラリア株式市場(S&P/ASX 200指数)
市場の動き:S&P/ASX 200指数は0.3%下落し8,220付近で取引を終了。
要因:主要小売業者の業績悪化が影響。
主な下落銘柄:
ウールワース:5%以上の急落(業績予測を下方修正)。
コールズ:2%下落。
ウェスファーマーズ:1.5%下落。
他のセクター:金融(コモンウェルス銀行 -0.6%)、テクノロジー、医療株も下落。
経済指標:月次・四半期インフレ率が予想を下回り、RBAのハト派的政策見通しを強化。
3. オーストラリアのインフレ率
月次CPI(消費者物価指数):9月の年率は2.1%、予測の2.4%を下回り、2021年7月以来の低水準。
主要な価格動向:
電気料金:記録的な減少(-24.1%)。
燃料:-14.0%で2020年12月以来の急落。
四半期インフレ率:Q3の年率は2.8%、Q2の3.8%から大幅に減速(予想の2.9%も下回る)。
詳細:食品は横ばい(3.3%)、サービス部門は高止まり(4.6%)。
4. 米国株式先物
動向:主要なテクノロジー企業の好決算を受け、米国株式先物が上昇。
注目銘柄:
アルファベット:アフターマーケットで6%上昇(クラウド部門の成長が要因)。
スナップ:10.6%上昇。
Reddit:24.8%上昇。
AMD:ガイダンスの弱さから7.6%下落。
注目イベント:GDP速報値、PCE価格指数、雇用統計の発表が控え、投資家の関心が集中。
5. ニュージーランド株式市場(NZX 50指数)
市場の動き:NZX 50指数は0.4%下落し12,727に到達し、2週間ぶりの安値。
主な下落銘柄:
ライマンヘルスケア:-1.8%。
フレッチャー・ビルディング:-1.6%。
コンタクト・エナジー:-1.5%。
要因:ニュージーランド準備銀行がインフレ抑制のための政策を強化する見通しを示唆。
国際的な影響:米国の労働市場データが予想を下回り、FRBの利下げ期待が高まり、これが市場心理に影響。
1. 仮想通貨市場
ビットコイン:4.30%上昇、仮想通貨市場で最も大きな上昇率。
イーサリアム:3.35%上昇、ビットコインに続いて強い上昇。
要因:投資家の楽観的な見通しが高まり、上昇基調が続いています。
2. 農産物コモディティの動向
上昇した農産物:
カカオ:4.62%上昇、最も上昇した農産物。
パーム油:2.36%上昇。
小麦:2.33%上昇。
下落した農産物:
オレンジジュース:1.99%下落。
コーヒー:1.93%下落。
大豆:0.90%下落。
3. 金属コモディティの動向
上昇した金属:
銀:2.24%上昇、最も上昇した金属。
プラチナ:1.52%上昇。
金:1.10%上昇、歴史的な高値を記録。
下落した金属:
スチール鉄筋:1.20%下落。
4. エネルギーコモディティの動向
下落したエネルギー商品:
メタノール:1.70%下落。
ガソリン:0.93%下落。
欧州天然ガス(オランダTTF):0.85%下落。
ブレント原油:0.19%下落。
WTI原油:0.01%下落。
上昇したエネルギー商品:
天然ガス:0.99%上昇。
5. 米国株式市場
市場の動き:米国株式市場はテクノロジー株の上昇が主導し、ナスダック100は1%上昇して記録的な高値に接近。S&P 500は0.2%上昇、ダウ平均は0.3%下落。
注目銘柄:
アルファベット:1.8%上昇、決算発表を控え期待が高まる。
アップル:0.1%上昇、AMDも3.9%の上昇。
マクドナルド:0.6%下落、海外での売上が予想を下回る。
フォード:8.5%急落、高保証費用により収益予想を引き下げ。
ファイザー:1.4%下落、第3四半期の売上31%増にも関わらず。
ソーファイ:6.4%下落、4四半期連続の黒字達成も株価は下落。
6. ブラジル株式市場(Ibovespa指数)
市場の動き:Ibovespa指数は0.4%下落し、130,730ポイントで終了。ブラジルの労働市場データと米国のインフレ、GDPデータ発表を控えた慎重な取引。
注目銘柄:
バンコ・サンタンデール:4%下落、税率の低下が深層問題を覆い隠す可能性があると指摘。
WEG、アムベブ、JBS:0.9%から1.2%上昇、今週の決算発表を控えて。
7. カナダ株式市場(S&P/TSXコンポジット指数)
市場の動き:S&P/TSXコンポジット指数はわずかに下落し、24,563ポイントで終了。米国とカナダのGDPデータを前に取引が慎重。
セクター別動向:
金融セクター:TD銀行とブルックフィールドがそれぞれ1.1%と1.6%下落。
エネルギー株:スンコア、インペリアルオイル、カナディアンナチュラルが0.7%から1%下落。
鉱業株:アグニコ・イーグル、バリックゴールド、ウィートンプレシャスが1.7%から2.7%上昇。
1. 農産物コモディティの動向
上昇したコモディティ:
カカオ:4.77%上昇。
パーム油:2.36%上昇。
小麦:2.23%上昇。
下落したコモディティ:
オレンジジュース:1.99%下落。
コーヒー:1.91%下落。
米:1.06%下落。
2. 金属コモディティの動向
上昇した金属:
銀:1.83%上昇。
プラチナ:1.02%上昇。
金:0.92%上昇、歴史的高値の2,770ドルに到達。
下落した金属:
スチール鉄筋:1.20%下落。
3. エネルギーコモディティの動向
下落したエネルギー商品:
メタノール:1.62%下落。
ガソリン:1.23%下落。
欧州天然ガス(オランダTTF):0.80%下落。
ブレント原油:0.15%下落。
WTI原油:0.03%下落。
4. 南アフリカ株式市場(JSE指数)
市場の動き:JSE指数は0.4%下落し、前日の最高値から反落。
要因:明日に発表予定の南アフリカの中期予算声明を控えた慎重な取引。
セクター別動向:
金融セクター:1.8%下落。
資源関連セクター:0.5%上昇。
産業セクター:0.4%上昇。
5. スペイン株式市場(IBEX 35指数)
市場の動き:IBEX 35は0.9%下落し、11,800ポイントで終了。
主な下落銘柄:
サンタンデール:2.8%下落(英部門の業績発表が裁判判決により延期)。
アセリノックス:4.5%以上下落、Q3利益が約33%減少。
主な上昇銘柄:
マプフレ:5.1%上昇、前9ヶ月間で純利益が39%増加。
6. イタリア株式市場(FTSE MIB指数)
市場の動き:FTSE MIBは34,925.6で小幅下落し、3日連続の上昇を止めた。
主な下落銘柄:
ステランティス:2.4%下落(フォルクスワーゲンの工場閉鎖と自動車業界全体の見通し悪化が影響)。
エルグ:2.2%下落。
主な上昇銘柄:
テナリスとSTマイクロエレクトロニクス:1.7%上昇。
7. 英国株式市場(FTSE 100指数)
市場の動き:FTSE 100は0.8%下落し、8,220ポイントで終了。
主な下落銘柄:
BP:四半期業績が低調で5%の急落。
主な上昇銘柄:
HSBC:3.1%上昇、Q3利益予想を上回り、30億ドルの自社株買いを発表。
1. 英国株式市場(FTSE 100指数)
市場の動き:FTSE 100指数は0.80%(66ポイント)下落。
主な下落銘柄:
アーテル・アフリカ(-6.20%)
BP(-4.94%):四半期の業績が4年ぶりの低水準。
バーバリー(-4.52%)
主な上昇銘柄:
ピアソン(4.01%)
HSBCホールディングス(3.09%):予想を上回る業績発表に加え、30億ドルの自社株買いを発表。
フレズニーヨ(2.66%)
2. フランス株式市場(CAC 40指数)
市場の動き:CAC 40指数は0.6%下落し7,511ポイントで終了。
要因:米国およびヨーロッパのGDPデータ発表を前に、ECBとFRBの金融政策が注目される。
主な下落銘柄:
高級銘柄:ロレアル、エシロール、ケリングが1.1%~1.5%の下落。
産業銘柄:シュナイダーエレクトリック、ステランティス、ルグランが1.7%~2.4%の下落。
主な上昇銘柄:
ダッソー・システムズ(1.7%):AlphaValue/Baader Europeが投資判断を「買い」に格上げし、目標価格を€41.50から€42.70に引き上げ。
3. ドイツ株式市場(DAX指数)
市場の動き:DAXは0.2%の小幅下落。
消費者信頼感:GfK調査によると、11月の消費者信頼感は回復傾向だが、長期経済期待は3か月連続で低下。
主な下落銘柄:
フォルクスワーゲン(-3%)
フレゼニウス・メディカルケア(-2.4%)
バイエル(-2.1%)
メルク(-2%)
主な上昇銘柄:
アディダス(3.3%):Q3純利益が71%増加し、中国での売上増加が牽引。
4. ユーロ圏株式市場(Stoxx 50、Stoxx 600指数)
市場の動き:欧州市場全体で下落。Stoxx 50は0.4%、Stoxx 600は0.6%の下落。
セクター別動向:
上昇:銀行と鉱業株は小幅に上昇。
下落:旅行・レジャー株が1.5%下落。
個別銘柄の動き:
ノバルティス(-2.6%):Q3売上高が増加も、株価は下落。
ルフトハンザ(-5%):利益減少を発表後、株価が急落。
HSBC(3.7%):業績好調と30億ドルの株式買戻しを発表し株価が上昇。
アディダス(3.3%):Q3純利益が増加。
5. ウラン市場
価格動向:ウラン先物価格は10月末に1か月ぶりの安値である80.5ドルまで下落。
供給増の影響:米国エネルギー省がロシア産核燃料の輸入禁止に対応するため、国内供給の構築に約30億ドルを投資。
需給面の見通し:中国の核エネルギー投資が続く中、22基の新設炉を建設中。マイクロソフトやアマゾンもデータセンターの電力供給に原子力を選択し、需要の高まりが見込まれる。