米国株 金融・決済・小売り「業界地図」っぽいもの No.4 成長率 追加版
金融・決済・小売りの「業界地図」っぽいものに
成長率を追加しました!
全体状況を俯瞰するのに参考にしてみてください。
注意事項
1.各社のIRページから、最新の決算を取得したつもりですが、誤りがある可能性があります。正確な情報は別途確認をお願いします。
2.コロナ需要等で一時的に高い成長率になっている可能性があります。継続的な成長率を保証するものではありません。短期的な4半期の推移ではマイナス成長になる可能性もあります。
注意事項を述べたところで、画像を無料で公開しまーす。
課金しなくても無料で読めますが、もし参考になったら、「ハートボタン」をクリックしたり、「リツイート」したり、「コメント」をくれると嬉しいです。やる気が出ます。
おつかれさんの意味を込めて、「缶コーヒー一杯ぐらい、ご馳走してあげよう」という太っ腹な方がいれば、お願いします!
以下、個人的な見解ですが、
業績について少しコメントしてみようと思います。
信用調査・スコアリング
全体が不調の中で、EFXの異様さが目に付きます。全体的に不調の環境下、低金利による住宅ローンの好調で、各社ともに業績を盛り返しているのですが、EFXの場合、更に、失業保険の審査をするシステムを保有しており、昨今の毎週80万人を超える失業保険の申請の影響を受け、業績が良くなっています。3月のロックダウンを受けて、過去に前例がない程、新規失業保険申請件数は跳ね上がり、今も高止まりしていますが、その裏でEFXのシステムがフル稼働しているのです。好調時だけでなく、景気後退局面でも強い事業ポートフォリオになっているのには舌を巻きます。(もっと詳細が知りたい方は私のブログの記事を参照下さい。)
これ程の異常事態が発生する事は稀だと思いますが、知っておくと、コロナの第2派や、何年後になるか分かりませんが、次の景気後退の時に役立つかもしれません。
イシュアー・ブランド
全体的に低調です。イシュアー事業に特化しているCapitalOneの-10%成長が、この事業の状況を表しており、他のイシュアーは違う事業の業績によってプラス・マイナスに振れている状態です。JPMの+15%が目を引きますが、これは投資銀行業務が投前年同期比91%増加と好調だったようです。図に記載はありませんが、ゴールドマン・サックスも+41%と好業績になっています。ボラティリティーが高い局面や、3月以降の株価上昇をうけた株・債券(社債)の取引量増加で収益が伸びているようです。
ブランドは、海外旅行等での取引が大きく減少し低調です。米国を中心とした事業展開をしているVisaが比較的優位になっています。成長率の高い海外の比率が高いMasterCardは、今の局面では裏目になっています。旅行の恩恵を受けやすいAmerican Expressも業績が落ち込んでいます。
決済・送金・オンライン・店舗等
COVID-19の影響を受け、オンラインが好調です。人が海外旅行に行けなくなった事を受けて、物が移動しているのか、越境ECも好調です。
Squareが64%成長になっていますが、これはBitcoinの値上がりの影響を大きく受けており、注意が必要です。Etsyが146%成長になっていますが、手作りマスク特需の影響で下駄をはいているので注意が必要です。Shopifyが97%成長になっていますが、これは取引量の増加すると業績が向上する収益構造になっている事を表しています。安定的したサブスクリプションの収益も伸びているようですが、今回と同じような急激な成長率は期待できないかもしれないので注視が必要です。(もっと詳細が知りたい方は私のブログの記事を参照下さい。)
オンライン・店舗
Amazon、Alibabaともに好業績です。特にAmazonの成長率は驚異的です。Alibabaについては、中国はいち早くCOVID19から回復をしており、オンラインの業績も良いですが、それよりもスーパーマーケット(デリバリーを含む)が好調だったりするので、AmazonとAlibabaの好業績の内情には少し違いがあるように思います。
MercadoLibreは123%成長になっていますが、為替の影響を加味すると61%成長に落ち込むようなので注意が必要です。MercadoLibreは南米を中心としたE-commerceの事業を行っており、アルゼンチンの売上が多いようですが、アルゼンチンペソの1年のドル・ペソのレートは下記の様に右肩上がりになっています。
出典:Google
Seaが93.4%成長になっています。Seaは東南アジアを中心にゲーム事業を主として、E-commerceの事業も行っています。今期はDigital Entertainmentが67.3%成長、E-commerce and other servicesが120%成長しており、売上の半分をE-commerceが占めるようになってきています。TencentとAlibabaが混在したような感じで面白さもありますが、まだまだ先行投資の時期のようで、売上の半分を占めるぐらいの規模の赤字を出しています。
個人的にはゲームのヒットに左右される不安があり、可能性は未知数のように感じます。ゲーム内の広告からE-commerceへ誘導する事でE-commerceが伸びていけば経営が安定するのかもしれませんが、E-commerceも、マーケティングやロジスティクスへの先行投資が必要で黒字化は、暫く先になりそうです。
バトルロワイアルのゲームと言えば、Fortniteが有名だと思っていましたが、TencentのPUBGが1位で、SeaのGarena Free Fireが2位につけています。そしてFortniteは4位まで後退しています。この市場自体がバトルロワイアルのように感じます。(個人的には、Fortniteのジャンプのアクションがダサく、生理的に受け付けないのですが、プレイ動画を見たところFree Fireも同じようなジャンプアクションだったので、プレイする事は無いと思います。スプラトゥーンが一番です。)
出典:Sensortower
実店舗
リモートワーク等の影響を受けホームセンターのHome depotが好調です。
実店舗の分野では、オンラインで注文して、非接触で受け取るカーブサイドピックアップのような、オンラインとオフラインの融合するオムニチャネル化が進んでいますが、中でもTargetが異常なほどに好調です。
WlamartやCostcoとTargetの違いは何だったのか?
個人的な見解ですが、
どこもCOVID19の給付金の需要を大きく受けて売上が好調になっている状況で、Targetの顧客は比較的若い世代(1981-1996年生まれのミレニアム世代)が多いのでオンライン化・オムニチャネルの推進がスムースに進み、給付金需要を取り込み易かったのではないかと想定されます。
売上成長から見ると、「給付金特需」と「客層の若さ」によって、オンラインでの集客はTargetが一歩先に言っているように見えます。給付金の特需がなくなった後も、客層の世代の違いによって、Targetの独走が続くのか、今後の3社の展開が楽しみです。
出典:Business Insider
少し話がそれますが、有料会員で囲い込みを計るコストコは年収1,000万円以上の顧客層が多くなっています。長期的な視点でコストパフォーマンスの良さを考える優良顧客がCostocoの顧客には多そうに見えます。
年齢や年収による客層の違いも頭に入っていると、各社のビジネス展開の見え方が変わって見えて、推理する愉しみ増えるかも知れません。
出典:Business Insider
在宅だとみんなノーメークで働くのか、化粧品の小売りのUlta Beautyは苦境です。
物流のUPS、FDXは、オンラインの購買が増えて業績が好調です。
広告では、FBのInstagramやPinterestといった画像・動画を使った分かり易く・短く・インパクトがあるSNSの広告が好調です。欲しいものの画像をクリックすれば購入に辿りつけるという動線の分かり易さも強さの秘訣でしょう。
最近のインターネット関連銘柄やSaaS関連銘柄の取引きの活況を受けて、Nasdaqの業績が良くなっています。
格付け会社のSPGIやMCOは金利低下と資金確保の需要を受けて、社債の発行が増え業績が良くなっているようです。社債の取引きを扱うMKTXも業績が好調です。
出典:FRED
社債の金利は、格付けAaaが2.25%、Bbbが3.27%ぐらいまで低下しており、歴史的な低金利になっています。
現状、「好調な企業」と「不調な企業」が二分化された世界になってしまいましたが、歴史的な低金利な状況下、事業拡大で社債金利以上のリターンが期待できるのであれば、社債を発行し、資金調達した方が合理的な時期にあるように見えます。従って、FRBが金利を上げる予兆があるまでは、暫くは、この傾向が続くのかもしれません。(FRBの利下げは不調な企業を助けるため(雇用の安定)に実施しているので、ワクチンの状況次第ですが、金利を直ぐに上げることはできず、二分化された状況は暫く続くように思います。)
以上、ざっくりと業績の概況についてコメントしてみました。
どうでしょうか?
なんとなく、今の経済の全体概況について理解が深まった気がしませんか?何かの参考になれば幸いです。
50社以上のIR等を見ながら、正確な情報を書いたつもりですが、情報に誤りがあるかも知れないので、裏どりは各自でお願いします。
おつかれさんの意味を込めて、「缶コーヒー一杯ぐらい、ご馳走してあげよう」という太っ腹な方がいれば、お願いします!
内容はココまでですが、コーヒーをごちそうしてくれた方に、ちょっとしたコメント・雑談を…
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?