愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
ビスマルクが「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」と言ったと言われるが、少し拡大解釈されているらしい。実際は、下記の様な事を言ったらしい。
"Nur ein Idiot glaubt, aus den eigenen Erfahrungen zu lernen. Ich ziehe es vor, aus den Erfahrungen anderer zu lernen, um von vornherein eigene Fehler zu vermeiden.“ Otto von Bismarck
「自分の経験から学ぶことができると信じているのは愚か者だけです。最初から自分の間違いを避けるために、他人の経験から学ぶことを好みます。」 オットー・フォン・ビスマルク
まぁ、全く同じ状況は発生しないにせよ、過去の出来事を振り返る事は、いくらか参考になるだろう。そこで、1928年以降のS&P500のチャートに重要なイベントを並べてみる事にした。
1928年以降のS&P500のチャートは下記のようになる。
この状態だと、チャートの最初の方は、価格の推移が分からないので、下記の3つのパートに分割して、イベントをプロットすることにした。
Part.1:1928年~1970年
Part.2:1969年~2001年
Part.3:2001年~2021年
それぞれのパートのチャートは以下のようになる。
(過不足や、日付の誤り等あるかもしれませんが、多少はご勘弁を…)
Part.1:1928年~1970年
1920年から10年で5倍ぐらい値上がりし、投機色の強かった脆弱な相場は、1929年10月24日に暴落し、バブルが崩壊した。ウォール街大暴落・暗黒の木曜日と呼ばれる出来事である。これをキッカケに、暫くリセッションに入る事になる。その後、1933年にフランクリン・ルーズベルト大統領がニューディール政策などの大規模な財政政策を打ち出すことで、相場が反転。証券法の制定、グラス・スティーガル法の制定、FDIC預金保険の開始、SECの設立など、急速に市場の健全化に努めることで、市場に安心感が広がる。
しかし、その後、1936年後半から1937年にかけて、FRBが預金準備率を引き上げ金融引き締めをしたり、2期目を迎えたルーズベルト大統領が、へンリー・モーゲンソウ財務長官の助言を聞き入れながら、インフレ懸念や財務健全化に配慮して緊縮財政に転じた事で株価が下落している。そして、1937年5月から再び、リセッションに入る事になる。
現在のアメリカの状況を照らし合わせるならば、この辺りの対応に学ぶべき事例がある様に思われる。
日本も歴史に学ぶなら、日銀が金融緩和しているときに、増税の緊縮財政を行うような事も無いように思われる。歴史から学ばないとしても、アクセルとブレーキを同時に踏み込んだら、前に進まない事をそろそろ経験から学んで欲しいところだ。
1939年9月から、第2次世界大戦に突入し、その後、しばらくは、需要を生み出すために戦争をしているのか、戦争をするからリセッションに入るのか、良く分からないけれど、「定期的に戦争とリセッションを繰り返す、馬鹿げた年表」になっている。
1961年12月にはケネディスライドと呼ばれる下落局面があるが、明確な原因はなく、長く続いた上昇の調整局面だったという見方をされているようである。1963年11月22日にはケネディ大統領が暗殺され、副大統領のリンドン・ジョンションが大統領に就任する。
1965年からベトナム戦争が地上戦に突入し、泥沼化し、株価も軟調になって行くわけだが、株価が底付近を迎える1966年11月08日にベトナム戦争の反戦運動の組織ができているのは興味深い。これだけを見ていると、「経済的合理性を失った正義は、正義ではない。」と民衆が立ち上がったようにも見えるし、「正義は金で買える。」という事を示しているようにも見える。
暗い歴史が続いたが、1969年07月20日にアポロ11号が月面に着陸する明るいニュースを迎えたところで、Part.1を終わりにしよう。
何かの参考になれば、幸いです。つづきは、のちほどに…。
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おまけ
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