痛みの強さと手関節機能の関係に対する心理的要因の媒介効果:媒介分析による縦断的研究
The mediating effect of psychological factors on the relationship between pain intensity and wrist joint function: a longitudinal study with mediation analysis(痛みの強さと手関節機能の関係に対する心理的要因の媒介効果:媒介分析による縦断的研究)
Yuki Hiragaa,b , Shinya Hisanoc , Aya Mizunoea and Katsuhiro Nomiyamaa
a Fukuoka Rehabilitation Hospital, Fukuoka, Japan;
b Department of Health Care Administration and Management, Graduate School of Kyushu University, Fukuoka, Japan;
c Department of Occupational Therapy, Faculty of Health and Welfare, Prefectural University of Hiroshima, Hiroshima, Japan
・PMID:31599170
<目的>
DRF 患者の術後早期疼痛と長期手関節機能を調べ、術後早期に心理的要因が介在しているかどうかを明らかにすること
<方法>
・橈骨遠位端骨折術後の患者21名を対象
・評価項目:疼痛(NRS)、心理的要因(PCS、HADS、PSEQ)、手関節機能(PRWE)
・疼痛と心理的要因は術後1週目評価と術後4週目評価の変化量を算出
・手関節機能は術後1週目と術後12週目の変化量を算出
・上記の変化量で独立変数に疼痛変化量、従属変数に手関節機能変化量、媒介変数に心理的要因変化量とした媒介分析を行う
<結果>
手関節機能と疼痛強度には、不安 (95% ブートストラップ信頼区間: 0.96–9.62) と疼痛自己効力感 (95% ブートストラップ信頼区間: 0.43–8.11)が有意な間接的影響を及ぼすことが示された
<感想・学び>
疼痛と手関節の機能の関係を考える際に、心理的要因にも着目した評価やアプローチを選択できる視野を持つ必要がある。
養成校では、心理的要因を専門的に習うことはどこまであるかわからないが、実際の臨床では心理的要因に関してはよく遭遇する難しい課題である。浸透できるよう評価と介入を紐づけれるようにしていきたい。
今日も最高の一日に。