手関節腱の振動刺激が脳卒中後患者の上肢の追跡に及ぼす影響(Effects of wrist tendon vibration on arm tracking in people poststroke)

手関節腱の振動刺激が脳卒中後患者の上肢の追跡に及ぼす影響
Effects of wrist tendon vibration on arm tracking in people poststroke

Megan O. Conrad,
Robert A. Scheidt,
Brian D. Schmit

Department of Biomedical Engineering, Marquette University, Milwaukee, Wisconsin

PMID: 21697444

■目的
・手首/指屈筋 (FF) に適用された振動刺激が、手動追跡タスク中の片麻痺腕の動きの制御を改善するかどうかを判断すること

■方法
・慢性期脳卒中患者10名(44~62歳、発症から1年以上、FMAは21~63の方々)と、健常者5名
・前腕屈筋群腱にバイブレーターを当てる(70Hz)
・∞を描く動作を、3回繰り返すことを4施行、それを3種類(pre:振動なし、振動中に施行、post:振動なし)
・慢性期脳卒中患者5名は、sham刺激
・表面筋電図、∞の滑らかさの指標(IMS)、速度、速度の標準偏差などを指標とし、振動前、中、後での差を比較

■結果
脳卒中グループでは振動刺激中、振動刺激後で、振動刺激前と比較しパフォーマンス向上を認めた(∞の動作の速度や滑らかさ)。

S:脳卒中患者、C:健常者、S-sham:脳卒中患者でsham刺激の患者

■学び・感想
・振動刺激による固有受容覚への刺激は、筋収縮等の筋活動以外の要因による、上肢動作のパフォーマンスに影響を与えると思われる。
・振動刺激療法による上肢麻痺の能力向上に関して、システマティックレビューでは、明らかに強く推奨できるような結果はないものなどある。
・振動に関与した部位の運動皮質領域の興奮性が変化することから、振動刺激による中枢部への影響は、重度麻痺や感覚の低下した方へのアプローチの選択肢となりえると思っている。まだまだ、臨床で患者さんの主体間の変化や動作前後の比較もして、調べながら臨床適応していかないといけない。

今日も最高の一日に。

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