頸髄損傷者における上肢運動強度および機能性のための中枢および末梢神経系への非侵襲的電磁ニューロモジュレーション:系統的レビューとメタ分析

Noninvasive Electromagnetic Neuromodulation of the Central and Peripheral Nervous System for Upper-Limb Motor Strength and Functionality in Individuals with Cervical Spinal Cord Injury: A Systematic Review and Meta-Analysis
頸髄損傷者における上肢運動強度および機能性のための中枢および末梢神経系への非侵襲的電磁ニューロモジュレーション:系統的レビューとメタ分析

García-Alén L

PMID:39066092

<方法>
この研究では、PRISMAガイドラインに従って、Cochrane Library、PubMed、Physiotherapy Evidence Database (PEDro)の3つのデータベースで文献を系統的にレビュー。

<結果>
25の研究が含まれました。以下詳細
・経頭蓋磁気刺激(TMS):4件
・経頭蓋直流刺激(tDCS):4件
・経皮的脊髄刺激(tSCS):2件
・機能的電気刺激(FES):10件
・経皮的電気神経刺激(TENS):4件
・神経筋刺激(NMS):1件
メタアナリシスは共通の運動または機能評価の欠如により完了できませんでしたが、結果のナラティブレビューが行われた。

・経皮的脊髄刺激(tSCS)、機能的電気刺激(FES)、経皮的電気神経刺激(TENS)、および神経筋刺激(NMS)を適用した場合、対照群と比較して上肢の機能性と運動機能が有意に改善されていた。
・これらはリハビリテーションと組み合わせることで、cSCI患者の上肢機能を大幅に向上させることが示された。

(※当院のハード面でも実施可能な刺激を以下に詳細記載)
■機能的電気刺激(FES)
・FESを使用した研究では、上肢の運動機能と機能性の大幅な改善が報告された。特に、筋肉の再教育と神経筋接続の強化に効果的であることが示されている。FESは、リハビリテーションの一環として使用されることで、日常生活動作(ADL)の向上にも寄与した。
■経皮的電気神経刺激(TENS)
・TENSを使用した研究では、痛みの軽減とともに運動機能の改善が観察された。TENSは、神経の興奮性を調整することで効果を発揮し、特に痛みの管理において有効であることが示されている。これにより、患者のリハビリテーションへの参加意欲が向上し、結果として運動機能の改善が見られた。
■神経筋刺激(NMS)
・NMSを使用した研究は1件のみだが、上肢の運動機能の改善が報告された。NMSは、筋肉の収縮を誘発することで機能回復を促進し、特に筋力の向上に寄与した。この技術は、他のリハビリテーション手法と組み合わせることで、さらなる効果が期待される。

<感想・学び>
電気刺激の使用は脳血管障害の患者に用いることが何となく多い気がしている。
回リハで仕事をする際、頚損や整形疾患患者と関わることも多くある。
IVESなどの低周波治療器なら当院も所有しており、頚損患者に対しても、電気刺激を使用しできる限りの改善を図れるようにしたいと感じた。

今日も最高の一日に

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