変形性膝関節症における人工膝関節全置換術後のQOLを決定する因子： 系統的レビュー。

Factors determinant of quality of life after total knee arthroplasty in knee osteoarthritis: A systematic review.
変形性膝関節症における人工膝関節全置換術後のQOLを決定する因子： 系統的レビュー

Saidan Shetty

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1360859224004108

■方法
データベース検索: PubMed, Scopus, Web of Science, CINAHL, EMBASE, ProQuestの6つのデータベースを利用。
選定手順: 8517件の研究を特定し、スクリーニング後29件を最終的にレビュー対象に選定。
評価指標: Modified Downs and Black Indexを用いて方法論的質を評価。
登録情報: PROSPERO (CRD42022352887) に登録。
評価指標: Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC), Short-Form 36 (SF-36), Knee Society Score (KSS) などのQoL測定ツールを使用。

■結果
・全体的なQoL向上: TKA後にQoLは改善するが、影響を与える要因が多数存在。
・主な影響因子:
身体的要因: 高齢（特に68歳以上）、女性、BMIの高さ、併存疾患（糖尿病など）、術前の健康状態。
心理的要因: 痛みの破局的思考（pain catastrophizing）、中枢性感作（central sensitization）、恐怖回避思考（kinesiophobia）、不安、抑うつ、慢性痛、心理的苦痛、楽観性の低さ。
社会的・行動要因: 術前のQoLスコア、対側の膝痛、患者満足度の低さ。
・特に影響の大きい要因: 高BMIと抑うつが最も頻繁に評価された要因。

■感想・学び
QOLは様々な要因に影響を受けることは推測できる。なかでもやはり疼痛や心理的要因は関係することが改めてわかった。
BMIに関しても結果として表れているものであって、その背景としては食生活や健康などが関連していると考えられる。
リハビリテーション分野においてもQOLを以下に高めることができるか考えることも重要で、この研究の結果を鑑みて対象者の方に関わっていきたい。

明日も最高の一日に。