
日常の行動は未来を育てる小さな種
ふと考える。
今、自分は種を蒔いているのだろうか、
と。
手に持っているものは、
過去の自分が少しずつ種を蒔き
育ててきたその努力が
今の実を結んでいるのだ。
今この瞬間がそうであるなら、
未来の自分もまた、
今の行動が実を結んだものを
手にすることになるだろう。
しかし、
収穫ばかりに目を向けていると、
いつかは何も得られない日が訪れる。
それは分かっているのに、
目の前の成果に心を奪われて、
新たな種を蒔くことを忘れてしまう。
そんな時、後になって気づき、
後悔の念が押し寄せる。
「もっと早く種を蒔いておけばよかった」
と。
だからといって、
大きなことを成し遂げなければならない
わけではない。
小さな一歩でも構わない。
ほんの少しの努力が、
未来の自分を助けることにつながるはずだ。
例えば、
ちょっとした会話や、
少しの知識を得ること、
体を動かすこと。
そういった日常の中の小さな行動も、
未来のための種になるのだろう。
今日はしっかりと種を蒔けただろうか?
明日の自分が少しでも楽になるように、
ほんの少しでもいいから、
種を蒔くことができたらいいな。
蒔けば生え
植えれば育つ天地の
あはれ恵みの
限りなき世ぞ
田の草は
主の心次第にて
米ともなれば
荒地ともなる
■二宮尊徳