知恵と福を呼び込む!「鬼は外、福は内」の深い意味とは?
今日2月2日は節分らしい。
「らしい」というのは
そもそも節分は「立春の前日」
という決まりがあり
今年の立春は2月3日であるため
その前日の2日が節分になるというわけだ。
節分といえば、以前森下典子さんの
「日々是好日」を読んだ時に
興味深いことが書いてあったので紹介する。
森下さんがお茶を習い始めたころ
茶室に掛けられていた掛け軸に
「不苦者有知」という言葉が書いてあった。
お茶の先生に
「これ、どう読むか分かる?」と聞かれ
森下さんは思わず
「????」と戸惑ってしまうのだが、
読んでいた私も同じように
「???」となってしまった。
その答えは
「苦と思わざる者は、知有り」または
「フクワウチ」とのこと。
なるほど、
フクワウチというのは漢字でこう書くのか。
私が知っている「鬼は外、福は内」の福とは
少し意味が異なるように感じる。
この「不苦者有知」という言葉は、
知識や知恵を持つ者は、
たとえ厳しい状況に直面しても、
なんとか乗り越えられるため、
苦しさを感じないという意味だ。
つまり、
日々知識や知恵を磨くことが大切だ
ということになる。
お茶の先生は、
豊かな人生経験を持っているだけあって、
深い知恵を持っている。
だが、
私が知っている豆まきの「福は内」とは、
どうも結びつかない気がする。
そんな疑問を抱えつつ、
「鬼は外」の漢字はどうなっているのかと
調べてみると、
「遠仁者疎道」という言葉が見つかった。
これは
「仁に遠き者は、道に疎し」という意味で、
思いやりのない人は
本来の人間らしさから外れている
ということだ。
昔の人は、
実に巧妙な言葉を残しているものだ。
つまり、
思いやりのない人は「鬼」であり、
知恵のある人は「福」となる。
だから、
思いやりのない人は家に入れたくないし、
知恵のある人にはぜひ家にいてほしい
ということになるのだろう。
よく分からないが、
なんだか一つ賢くなったような気がする。
これで良しとしよう。
くろがねの
錆びたる舌が垂れている
鬼はいつでも
一人である
■山崎方代