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円高で内需株が下落!? 今後の投資リスクとチャンスを徹底分析
【2025年2月20日】円高なのに内需株が急落!その理由と今後の投資戦略
はじめに
通常、円高になると恩恵を受けるとされる**「内需株」**(国内市場が主な収益源の企業)。
しかし、2025年2月20日の日本株市場では、円高進行にもかかわらず、内需株が4%以上の大幅下落を記録しました。
「え、円高なのに内需株が下がるの?」と思った方も多いはず。
今回は、その理由をわかりやすく解説し、今後の投資戦略について考えていきます。
1. 通常の「円高」と内需株の関係
まず、基本的なおさらいです。
円高とは、1ドル=151円 → 140円のように、円の価値が上がること。
これが起こると、日本国内で商売をする企業にとって、次のようなメリットが生まれます。
✅ 輸入コストが下がる(原材料が安く買える)
✅ 外国人投資家の資金流入(円高で日本株が割安に見える)
✅ 国内消費が活性化(円高で海外旅行や輸入品の価格が下がる)
このため、通常は「内需株にとって円高はプラス」と考えられます。
しかし、今回の円高局面では逆に内需株が下落しました。
いったい何が起こったのでしょうか?
2. 2025年2月20日に内需株が急落した理由
この日の市場では、「円高進行」だけでなく、複数の要因が重なったことで、内需株が下落しました。
特に影響が大きかった3つのポイントを見ていきましょう。
① 急激な円高進行と市場心理の悪化
この日、円相場は1ドル=151円台から140円台へ急速に円高が進行(過去1カ月で約7%の上昇)。
円高の要因は、次の2つが挙げられます。
• 日銀の追加利上げ観測(政策金利0.25%→0.5%)
• 米FRBの利下げ遅延発表(金利差縮小への期待)
円高が進むこと自体は内需株にプラスの側面もありますが、問題は「急激すぎた」こと。
為替が短期間で大きく動くと、企業の対応が追いつかず、市場に不安が広がるのです。
また、「日銀の利上げ→景気悪化」への懸念も出て、投資家が一気に売りに動いたことも影響しました。
② グローバルリスクオフの連鎖
この日は、日本市場だけでなく世界的に株安が進んだ日でした。
• 米国の1月住宅着工件数が予想を下回り、景気減速懸念が再燃
• FOMC議事録で「利下げを急がない方針」が確認され、世界的なリスクオフが加速
これにより、「安全資産」としての円買いが進み、日本株全体に売りが広がりました。
海外投資家の資金が流出し、日本株の地合いが悪化したことで、内需株も巻き込まれた形です。
③ テクニカル要因と需給悪化
さらに、テクニカル的な要因も重なりました。
• 日経平均が200日移動平均線(37,266円)を下回り、プログラム売りが発生
• プライム市場の82%の銘柄が値下がりする「全面安」状況
特に、最近株価が上がっていた**「内需ディフェンシブ銘柄」**(生活必需品・電力・ガスなど)が利益確定売りの対象となり、一斉に下落しました。
例えば、ニトリHD(9843)は5.2%の下落を記録。
円高メリットがあるにも関わらず、**「過去2年の高値圏」**にあったため、売りが優勢になったのです。
3. 今後の投資戦略:どう動くべきか?
今回の円高ショックは短期的には厳しいですが、中長期では内需株にとってプラスになる可能性が高いです。
今後、どのような視点で投資を考えるべきか、ポイントを整理します。
① 短期的には「底打ち」を見極める
現在、内需株は急落したばかり。
しかし、三菱UFJアセットの石金淳氏は**「日経平均は3万6000円台が下値メド」**と指摘しており、過度な悲観は不要です。
特に、配当利回りが高い内需株は下値が堅いため、押し目買いのチャンスとなる可能性もあります。
② 中長期では「円高メリット」を意識
円高が進むと、輸入コストの低下が企業業績に反映されるのは3〜6カ月後。
つまり、2025年夏頃には「円高メリット」が本格的に表れると予想されます。
例えば、以下のような業種は今後の回復が期待できるでしょう。
✅ 小売(ニトリ、ユニクロ) → 輸入商品のコスト低下
✅ 食品(マクドナルド、すかいらーく) → 原材料費の低下
✅ 電力・ガス(東京ガス、関西電力) → LNG輸入コストの減少
**「短期の急落に惑わされず、中長期の円高メリットを狙う」**のが賢い戦略になりそうです。
4. まとめ
2025年2月20日の内需株急落は、**「急激な円高」「世界株安の連鎖」「テクニカル的な売り」**が重なった結果でした。
短期的には**「円高=内需株にプラス」の理論が通用しない局面ですが、
中長期では円高メリットが本格化するタイミング(2025年夏頃)**に向けて、銘柄選びを進めるのが良さそうです。
「円高なのに下がる」ような意外な動きこそ、投資のチャンス!
冷静に状況を分析し、次の一手を考えていきましょう。
📌 ぜひ、今後の投資戦略の参考にしてみてください!