【小売業】3ヶ月間のデジタル学習で変わった私
みなさま、こんにちは。
私は小売業で販売課長をしています。
デジタル学習を始めて早いもので3ヶ月。デジタル初心者だった私が、
過去一濃厚だったこの3ヶ月を振り返ります。
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デジタル学習を始めたきっかけ
人事異動で部下2名減の危機
人事異動で社員が2名減らされ補充なしという、危機的状況が訪れた2024年の春。自部署の経営状況を見ると文句は言えない状況。私が3人分働けばいいと思っていましたが、体は一つしかなく、現場のフォローにばかり入っていた結果、自分の仕事をする時間がなーい!心身共に疲弊していました。
そんな時、店長から「こんなのあるよ〜」と声を掛けていただいたのがデジタル学習のきっかけでした。デジタル初心者の私でしたが、普段の業務の中で不便に感じている事が多く、もしや何かを変えることができる?と半信半疑でエントリーしました。
デジタル技術習得へ
苦悩と喜び
デジタル学習は、私にとってかつてないほどの試練でした。2週間に一度の授業、毎回2つの宿題、そして1週間という短い締め切り。このハードなスケジュールに圧倒されてしまいました。パソコンはエクセルかパワーポイントくらいしか触ったことがなく、デジタルの世界は私にとって未知の領域でした。初回の授業は記憶にないほど付いていくのに必死で、迷子になり何度か流れを止めてしまうことも。毎回の授業が緊張の連続で、冷や汗が流れ、ただただ必死に同期のみんなについていく日々でした。
初めてのプロトタイプは、LINE Botで日付けを入れたらチームのシフトが返答される実装に挑戦!いざ制作を進めると、応答しない…なんで?、エラーメッセージも全て英語でまず翻訳から、そして調べても原因がわからない。不安と焦りで、食器を洗いながら号泣したことも。そして、何度もトライして返答が返ってきた時は、バンザイして嬉し泣きするほど喜んだことを今でも覚えています。自分の手で作ったものが実際に動いていることを実感し、初めてのあの達成感は忘れられません。
2つ目のプロトタイプは、CodePenを使って業務報告が簡単にできるWebアプリ制作に挑戦しました。フォーム作成は完了したものの、動作確認でエラーが発生し、完成には至らず。英語のエラーメッセージを翻訳し原因を調べる、過去の事例を検索する、質問部屋で相談する、3日間解決策を探しました。30回以上の再挑戦も虚しく時間切れに。完成が見えないことへの不安と焦り、迫る締め切り、どこまで自走すれば良いのか判断できない。生成AIも完璧ではないと知りました。悔しくて、この時が一番辛かった。
3つ目のプロトタイプは、Glideを使ってシフトと販促が確認できるアプリ制作に挑戦しました。初めて制作したLINEBotが社用スマホで使えないため、従業員が売場で使えるGlideを選択しました。前回の件ですっかりエラー恐怖症になってしまった私ですが、ノーコードツールのGlideは実装がとにかく簡単で、時間と心に余裕を持ちながら楽しく制作する事ができました。自信を失いかけていましたが、満足のいく完成度とチームメンバーにアプリを褒めてもらえたことで、自信を取り戻しモチベーションも大きく向上しました。
4つ目のプロトタイプは、Teachable Machineを使ってチェック柄マスターアプリという学習ツールの制作に挑戦しました。私が担当する衣料品では、幅広い商品知識が求められるため、従来の教材だけでなくこのようなアプリを学習ツールとして活用し、実際に売場にある商品を使って楽しみながら学ぶことができたらと考えました。ファッションにおけるデジタルツールの可能性に、さらに興味を深めました。
変える勇気と変わる勇気
アイデアって簡単には生まれない
デジタル学習で一番苦労したことは、アイデアを創出することでした。
アイデアとデジタル技術を結びつけ実装する事が宿題のテーマでしたが、そのアイデアがなかなか出てこないのです。そこでチームメンバーの声をたくさん聴き、みんなが抱える悩みや疑問を改めて知り、それをアイデア発想に繋げることができました。そして、必ずしもデジタル技術で解決する必要がないことに気づかされました。むしろ、既存の業務フローの見直しなどアナログな部分にこそ、改善の余地があると感じました。
▼この3ヶ月間で変えたこと
1つ目の改善点として、毎週日曜日に実施しているラインMTの進め方とフォーマットの見直しを行いました。従来は、反省と計画発表でしたが、反省時間をカットし計画発表と雑談時間に集約することで、データ収集や資料作成に費やしていた時間を大幅に削減。週末の貴重な時間を売場業務に充てることができます。残りの時間を部下同士の意見交換に充てることで、チーム全体のコミュニケーション活性化を目指しています。
2つ目の改善点として、週報の廃止を行いました。従来は、次年度用の個人記録として週報の作成を行っていましたが、個人記録を自主的に管理することにしました。その結果、週報作成に要していた120分を業務に充てられるようになり、業務効率が大幅に向上しました。
3つ目の改善点として、POPの切り替え作業の見直しを行いました。従来は、セールや企画で毎週大量のPOPを印刷し、売場全体を切り替えていましたが、POPの切り替え箇所を固定と週替わりで半分ずつに分け統一しました。その結果、POPの印刷枚数が約40%削減され、切り替え作業にかかる時間が30分短縮、取り忘れチェックに要する時間が10分に短縮されました。
4つ目の改善点として、昼礼の回数を週1回に減らす取り組みを行いました。従来は、週5日で昼礼を実施していましたが内容のない昼礼も多く、管理職MTでこの問題を提起し週1回への削減に合意を得ました。その結果、週80分の時間削減することができ、社員はより多くの時間を売場業務に充てることができるようになりました。
そして、情報伝達の効率化を図るため、新たにTeamsを活用したコミュニケーションを強化しました。Teamsは会議ツールというイメージでしたが、このデジタル学習で多様なコミュニケーション手段があることを学びました。
最終成果物
レジ業務のお助けアプリ「レジナビ」
最終制作物はGlideでレジ業務の効率化を図るアプリです。機能は「レジ手順書」「連絡事項」「責任者シフト」の3つです。現状のレジ環境における課題から、レジ業務の効率化とレジ混雑の緩和を図るため、1フロアに2箇所あるレジを1箇所に集約したいと考えました。そこで集合レジ化した時のメリットとデメリットを抽出し、デメリットをデジタルで解決しようと考えました。
完成したアプリを売場で試してもらったところ、スマホが苦手な従業員からも、「操作が簡単で使いやすい」「便利」など、たくさんの嬉しい言葉をいただきました。喜んでもらえるとモチベーションが一層高まります。
私が得たものとは
チームワークが課題解決のカギ
大好きな睡眠時間を削り、Netflixともお別れした日々。
これらの犠牲を払い私が学びを続けたのは、「従業員が笑顔で働ける職場を作りたい」という強い思いがあったからです。業務改善は、決して一人の力だけでは成し得ないものだと痛感しました。現場の声に耳を傾け、自分が課題だと思っていることが独りよがりになっていないかを確認する大切さ。
この経験を通して、チームワークの重要性を改めて実感し、一人ひとりの意見を尊重することの大切さを学びました。
周りの協力と上司のご尽力により、来月集合レジ化が実現します。しかし、この集合レジ化がゴールではありません。学んだデジタル技術を武器に、チームメンバーと共にさらなる課題解決、業務効率化に取り組んでいきます。
デジタル学習を通して、「実践と経験を通し、デジタルを活用できる自分に変えていく」という目標を掲げ、3ヶ月間学び続けてきました。様々な年齢・職位の方々と共に学び、「職場環境を良くしたい」という思いは全員が同じでした。何年目でも学ぶことができる。たくさんの気づきと刺激をくれた仲間たち、先生、先輩方に感謝しています。ありがとうございました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考資料
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