政治経済 GNPやGDPに反映されないもの
1. 非市場活動
経済価値を持つものの、市場取引が行われないためにGDPに含まれない活動。
• 家事労働
家庭内での掃除、料理、育児などの無報酬の労働。これが外部のサービスとして提供されると市場取引となりGDPに含まれるが、家庭内で行われる場合は含まれない。
• ボランティア活動
報酬が発生しない公益活動もGDPには含まれない。
1. 中古品の取引
• 反映されない理由:
中古品の取引は、すでに過去に新しい財としてGDPに計上されているため、再び計上することはありません。同じ商品が二重に計算されることを防ぐためです。
2. 時価株価の変動分
• 反映されない理由:
株価の変動は単なる資産価値の変化であり、実際の財やサービスの生産活動を伴わないため、GDPには含まれません。GDPは「一定期間内に生み出された財やサービスの総額」を測定するものであり、資産価値の変化は対象外です。
3. 公害による損失分
• 反映されない理由:
公害による損失分は、経済活動によって引き起こされる外部不経済であり、GDPではそのコストを直接差し引きません。むしろ、公害対策のための支出(例:汚染除去の費用や医療費)はGDPに加算されてしまいます。
• 問題点:
公害による実質的な経済的損失や生活の質の低下がGDPに反映されないことは、GDPの限界としてしばしば指摘されます。このため、環境負荷を考慮した「グリーンGDP」などの指標が提案されています。
• 関連する例外:
• 株式売買を仲介する証券会社の手数料などのサービスはGDPに計上されます。
• 配当金や利子などの所得は分配面で国民所得に計上されます。
• 例外:
中古品の売買を仲介するサービス(中古車販売業者の手数料や仲介手数料など)は新たな付加価値を生み出しているため、GDPに含まれます。
5. 福祉や幸福度の変化
経済指標では捉えきれない主観的な価値。
• 経済的な活動量が増えても、幸福度が下がる場合(例:労働時間の増加)。
• 健康や教育の質の向上など、市場取引として完全に計測されない要素。
補足:GDPの限界
GDPは経済規模を示す有用な指標ですが、「経済的な豊かさ」や「国民の幸福度」を直接的に反映するものではありません。このため、GDPの補完指標として以下が注目されています:
• GNH(国民総幸福量)
• グリーンGDP(環境負荷を考慮したGDP)