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組織づくりに見る新しい可能性
【Level39】
こんにちは、経営理念と経営計画で中小企業をサポートする税理士の菅谷(すがや)です。
最近、20代の若い経営者を顧問としてサポートする機会が増えてきました。皆さんそれぞれバックグラウンドは違うのですが、驚くほど柔軟な発想を持っていて、私自身も多くを学ばせてもらっています。
そんな中で特に印象的だったのが、「雇用することなく、業務委託だけで組織を作り上げている」という例です。正直、私自身はこれまで「組織づくりには人をしっかり雇用し、会社の理念を共有してこそ成り立つ」という考えを持っていました。しかし、彼らは雇用関係がないにもかかわらず、チームとして大きな成果を上げています。
アメリカの経営学者チェスター・バーナード(Chester Barnard)によれば、組織が機能するためには「共通の目的」が欠かせないとのこと。実際に私の経験でも、経営理念などの明確な指針がない会社は、どうしても全体の方向性がバラバラになりがちです。ところが、若手経営者たちのチームを見ていると、理念という形ではなくても「チームで稼ぐ」という明確な共通目標があり、それに向かって皆が協力し合っているのがわかります。
さらに興味深いのは、「育成」にかなり力を注いでいる点です。通常なら「自分でやったほうが早い」と考えてしまいそうな業務でも、あえて委託先の成長をサポートする。その結果、チーム全体の戦力が底上げされるため、最終的には大きな成果を生み出しているのです。もちろん、業務委託である以上、いずれ離れていくリスクや、知識を持った人材に仕事を奪われる可能性もゼロではありません。それでも「共通の目標を共有している仲間」を増やすことが、何より重要だと考えているのでしょう。
実際、このような組織づくりが本当にベストなのかは、まだ十分に検証されているわけではありません。ですが、従来の常識にとらわれず、「雇用」という形にこだわらずに成果を上げる若手経営者たちの姿勢は、私たち中小企業にとっても学ぶべきポイントが多いと感じています。今後はこうした新しい組織体制の事例をさらに研究し、その可能性と課題を探っていきたいところです。
従来の「雇用してチームを作る」スタイルと、「業務委託でも共通の目的があれば成果を上げられる」スタイル。どちらも一長一短があるだけに、今後は自社に合った組織づくりを柔軟に考えられる経営者が、より多くの成果をつかみ取る時代になっていくのかもしれません。