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洋服生地で着物を作ってみませんか?

ないものは、作ってしまえばいい。

「こんな色で、こんな柄の着物が欲しいなあ」と探していても、なかなかドンピシャの物に出会えなかったりしますよね。そして洗える素材だったら自宅で洗濯出来てガンガン着ていけるのになあと。じゃあ、作っちゃいましょう! 

この着物は、私が2年程前に購入した木綿の洋服地でお仕立てしました。紺屋の白袴という言葉があるように、人様の着物をお仕立てする仕事をしていると自分の物は常に後回し。裄直しすらしない。ほつれ直しする時間ももったいない。「これはサンプルにちょうどいいぞ!」と理由を見付けて意気揚々とお仕立てしました。

着物でも羽織でも反物で用意するのが一番簡単で、洋服地だと生地によって幅が違うから何m用意すればいいか分からないですよね。そこで、幅別にどれだけの生地が必要か裁断図を書いて割り出しの式を作ってみました。

まずは、洋服地の生地の幅の違いについて。
基本は3種類に大別されます。

・シングル幅……90㎝(ギンガムなど薄い生地が多い)
・普通幅……110㎝(プリントされた綿の生地が多い)
・ダブル幅……140㎝(ウール生地が多い)

普通幅・ダブル幅とシングル幅に分けてみました。
以下が裁断図と計算式になります。割り出された数字が必要な生地の長さ(㎝)です。

着物(単衣)
普通幅・ダブル幅【(身長●×2)+(袖丈■×2)+61㎝】
シングル幅【(身長●×3)+(袖丈■×2)+101cm】

羽織(単衣)
普通幅・ダブル幅【(着丈●×2)+(袖丈■×2)+75㎝】
シングル幅【(着丈●×4)+120㎝】

長襦袢
・普通幅・ダブル幅の袖無双
【(身長●×2)+(袖丈■×4)+80㎝】
・普通幅・ダブル幅の単衣
【(身長●×2)+(袖丈■×2)+25㎝】
・シングル幅の袖無双
【(身長●×3)+(袖丈■×4)+55㎝】
・シングル幅の単衣
【(身長●×3)+(袖丈■×2)】

袖無双というのは袖が2枚になっている秋冬春用、単衣は麻や絽の夏用です。

身長●にはご自身の身長、着丈●には希望の身丈、袖丈■には希望の袖丈の数字を入れてください。この割り出しは、かなり余裕を持ってざっくりとした計算にしています。洗える素材は水通しで縮むし、生地に余裕があった方が安心して裁断できるというのもあります。ギリギリ攻めるのやめてくれ。

【身長160㎝、希望の羽織身丈80㎝、希望の袖丈49㎝の場合】
着物
・普通幅・ダブル幅479㎝→4ⅿ80㎝
・シングル幅679㎝→6m80㎝
羽織
・普通幅・ダブル幅333㎝→3ⅿ30㎝
・シングル幅440㎝→4ⅿ40㎝
長襦袢(袖無双)
・普通幅・ダブル幅596㎝→6ⅿ
・シングル幅731㎝→7ⅿ30㎝
長襦袢(単衣)
・普通幅・ダブル幅443㎝→4ⅿ40㎝
・シングル幅578㎝→5ⅿ80㎝

和裁教室で縫ってみたい!という方は、縫いたい生地を持って直接店舗までご相談にお越しください。もちろん反物もOK! 生地持込でお仕立ては燈織屋に頼むのも大歓迎です。

あなただけの、オリジナルの一着を作ってみませんか?

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