洋服生地で引き算着物コーデ
境界線は35歳。
それまでは、あふれる色と柄のアンティーク着物が大好きでした。
柄に柄を重ねるコーデ。
めちゃめちゃ派手でした。
それが35歳を過ぎた途端、急に着れなくなってしまったのです。アンティーク着物仲間の同年代の友人たちも、同じ頃に派手な着物を着なくなりました。着物だけではなく洋服もそう。ネックレスもイヤリングもジャラジャラ付けていたのに、なんだかしっくりこない。でもシンプルな着物を着ると顔が老けて見えたり。何着たらいいんや……着る物迷子になったのです。
そこで転機となったのが、チェックの洋服生地!
「これだー!!」何年も前に購入していた生地をお仕立てしてみました。
顔に!合う!!
探し求めていた相棒に巡り会えた気分。
それ以来、洋服生地か浴衣か色無地をメインに着るようになりました。
洋服生地の探求が始まり、少しずつ少しずつ、素材の相性や仕立てやすさ、着やすさなどを調べていきました。
まずは綿ポリ。縫いやすい! 生地厚0.4mmいいね。ポリ部分が熱に弱いので、コテで溶ける事あるのが要注意。少しふわっとした仕上がりになります。
次はコーデュロイ。防寒最優先で0.8mmの生地に挑戦したら、手縫いは無謀でした。並縫いはミシンですがくけは手縫いなので、指が痛くなって何日も連続で縫うのはちょっとシンドい。でも、畝のおかげで真っ直ぐ縫ったり折ったりはかなり楽です。
涼しい長襦袢をリネンで。着物はラミー(苧麻)が多いけど、ちょっとチクチクするので、リネン(亜麻)にしてみました。何種類か生地見本を取り寄せて、教室の生徒さんたちに好きな手触りの物に投票してもらい、一番人気のベルギーリネンに決定。縫いやすーい! でも真っ直ぐ折るのが難しいので、三つ折りぐけは縫い代多めで。
そうやってひとつひとつ確かめながら洋服生地に慣れてきた頃、テキスタイルメーカーさんと知り合いました。
ショールームに生地を選びにお伺いしたら……生地生地生地! 生地の海!
着物と違いすぎて、どれを選べばいいのか全然分からない。
目に付いた生地の番号を片っ端から書いて、後日送っていただいた見本帳の中からなんとか数種類の生地に的を絞りました。
私……色数の少ない落ち着いたトーンの組み合わせ好きだな。
自分の好み、再認識。
レース羽織に初挑戦!
フロッキープリントに負けました。カワイイけど、扱い難しいのね……。アイロンも洗濯もしない方がいいらしい。とても縫いにくいので、これは教材としては絶対オススメしません。でもカワイイ。自分で着ようっと。
モノトーンコーデ、好みどストライクです。
ブロックチェックのレースはオススメ。レーヨン入ってるのと組織の問題で、水洗いすると生地が少しうねっとします。洗濯する時はざばっと水にくぐらせるだけ。並縫いする時はズレやすいので、マチ針多めにしてミシンで。くけはスイスイ進みます。色数も多く、大人気な生地で手に入りづらいです。だってカワイイもの。
粒々オーガニックコットンは、今まで縫ってきた洋服生地の中で一番オススメです! 縫いやすい。コテで仕上げがきっちり出来る。何より、手触りが気持ちよくて着心地がよい! 着る物の素材にこだわりがある方には特に、まずは着て体感してほしい。洗濯でシワが付きやすいので、アイロンは必須です。
とっても長くなりましたが、洋服生地の考察はこんな感じです。コーデというより素材の検証かな?
生地見本は店舗に置いてますので、ぜひ実物を触りに来てくださいな。
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