どうする⁉新市庁舎建設 ~市長の決断 問われる議会 編~
概算で約40億円。本年11月30日、塗木市長は市役所新庁舎建設の意向と、その具体的なスケジュールを示されました。本事業は過去と未来を合わせても、本市で最大規模の事業となるでしょう。
私が何よりも心配するのは、市民不在によってこの決定が進むことです。そこで、これまで全3回にわたって、市町村合併から今までの経緯を解説してきました。
全3回をものすごく簡単にまとめると、、、
①2028年までに知覧農業センター跡地(知覧町郡)に新庁舎を建てる計画があった。
②財源の多くに合併推進債という枠組みを使おうとしていた。
③その合併推進債の利用期限を読み誤って、さぁ大変。
以上です。今回からはこれから編。第1回は11月30日の市長と議員との全員協議会と、それを受けての議会の対応を記します。
1.市長と議員全員での協議会
11月30日、市役所にて議員全員協議会が開かれました。出席者は、市長、関係課長、全20名の議員です。
その場で塗木市長は、概ね次のことを述べられました。
◎合併推進債期限が2022年度までとなった。
◎計画を前倒しして、2025年に新庁舎を完成させたい。
◎2021年の3月議会にて、特別多数議決(後程解説)をかけたい。←めっちゃ重要。
1つずつ解説していきます。
1-1.合併推進債の期限が2022年度までとなった
詳しい話は下の表に譲ります。
誤解を恐れずに極めて簡略化して物事を話すと、合併推進債という枠組みを使えば、36%オフで建物が作れます。
その枠組みが2022年度まで使えました。市は2027年度まで延長されるという読みをしていたのですが、その読みが外れたということが伝えられました。
1-2.計画を前倒す。2025年度に新庁舎を完成させたい。
市はお金がないので、合併推進債を使いたい。合併推進債を使うには、2022年度までに実施設計を終える必要があります。2027年完成を目指していましたが、実施設計を早めて、新市庁舎の完成を2025年度としたいという意向が示されました。
1-3.2021年3月議会にて、特別多数議決をかけたい。
地方自治法により、市役所庁舎の位置を変更させるには、「特別多数議決」が必要です。これは、議長含む全議員のうち、2/3の議員の賛成が必要となる、非常に重たい議決です。市長は議会に対して、2021年3月議会(4か月後)にこの議決を議会に委ねる方針を示されました。
2.議員全員で委員会を作った
市長は決断しました。あとは議会です。早ければあと3か月(2021年3月)で、議会の議決により、市役所新庁舎の建設が決まります。
議会としてどうするべきか、20名の議員がそれぞれ賛成反対どうするべきか。
個々人で考える時間はもちろん、議会全体で調査すべき事態であります。
そこで本年12月、議員20名全員を委員とした、庁舎建設に関する特別委員会を設置しました。
議員間での指名推薦により、委員長には吉永賢三議員、副委員長には山下つきみ議員が就任されました。吉永議員は現・副議長、山下議員は前・副議長であり、議会経験の豊富さが買われての指名でした。
3.会議録は全文公開
委員会の設置にあたり、私が求めたことは1つ。市民へ会議録を全文公開すること。庁舎建設に関しては、何十年にもわたる議題となるかもしれない案件です。未来の市民が、今回の経緯を一目で振り返れる必要があります。
会議録の全文公開は、全会一致で認めて頂きました。委員会の会議録が全文公開されるのは、南九州市議会13年で初めてのことです。
以上、市長の決断 問われる議会編でした。
4.次回以降の投稿について
特別委員会が次に開かれるのは12月22日です。noteの更新は、22日以降に改めて再開します。今後は、様々な観点から新庁舎建設について検討を加えます。
ちなみに、私の立場を正直に申し上げれば、熟慮中です。特別委員会を通して、より深く調査する必要があると感じています。
いずれにしても3月までに議員として決断が迫られる案件です。
自分だけで考えず、可能な限り多くの市民の方と語り合う場を設けます。