黒木山で今、何が起きているのか【7億円の重み】
【2022年2月10日追記】
2022年2月10日、議員全員協議会にて黒木山太陽光発電事業の内容が説明されました。その内容は後日ご報告させて頂きますが、SNS等のリンクで飛ばれた方は、以下の文章をまずはお読みいただけると幸いです。
・・・・・・以下、原文・・・・・
気合い入れて書きました。
解説します。
黒木山太陽光発電所計画って何?
黒木山は、知覧町特攻平和会館付近にある敷地で、その一部を市が保有しています。市有地を使い市がメガソーラーを設置・運営しようとする計画のことを、「黒木山太陽光発電所計画」と言います。
昨年11月の議会への説明では、2000kWを発電し、約1/3を周辺公共施設に送電し、残り約2/3を売電する見込み。また令和3年度工事完了、令和4年度に事業開始予定でした。
発案者は誰?
黒木山太陽光発電事業は、市長の提案事業です。市長自ら東京は霞ヶ関の環境省に足を運び、補助金獲得に動いています。
事業費は概算で7億円。補助金で2/3は国が負担してくれる見込で、1/3は市が負担します。11月に説明を受けた議会は、その額と計画に対して揺れました。
賛否分かれる議会
11月30日に臨時議会が開かれます。まずは、準備のための予算で1000万円弱。
「計画が甘い!」という意見も出ましたが、「準備の予算を通してみないと次のステップに進めない!」という議員が多数で、この予算は可決されました。
ちなみに私は、「太陽光事業の知見も無い中、補助金ありきで事業を実施するのは危険だ。」というスタンスで、予算に反対しました。このスタンスは今も変わっていません。
3月2日の議会にて
3月2日。議場に登壇し、市長と直接議論をしてきました。
質問前からわかっていたことでしたが、やはり驚くべき事態が表に出ます。答弁が11月の説明と違うのです。
11月「令和4年度開始予定!」⇒3月「1年ずれそう」
11月「売電したい!」⇒3月「儲からなそう」
11月「準備の予算を早く通して」⇒3月「準備予算はまだ済んでいないけど、補助金申請に間に合わないから事業者を募集しています」
そして、既に行われている事業者募集も、にわかには信じがたいものでした。
準備不足?事業者募集
事業者の募集要項は市のHPに示されています。
詳細な募集内容について独自に検討したのですが、私から見ても、専門家の方に見て頂いても、疑問に思うところの多いものでした。
議会で質疑した点に絞ってご紹介すると、、、
市:コロナ禍だから事業者のプレゼンは不要で書類審査のみ!やりたい事業者はオンラインプレゼンしても良いよ!
⇒7億の事業でプレゼン聞かずに業者決めるってあり得ますか?契約する事業者を事前に決めていると思われても仕方ないですよ。
市:事業者からの質問期間は6日間。土日挟む。
⇒事実上4日では?そもそも6日って短すぎませんか。
市:手を挙げる事業者は、令和4年3月20日までに事業完了のスケジュール案を作ってね。
⇒令和4年4月以降の補助金なのだから、そのスケジュールでは絶対に無理。市は募集する時点でそれをわかっていたはず。実現不可能なスケジュール案を事業者に作らせて、その案を比較して事業者選ぶってどういうこと?
こういう状況なので、市長答弁は
「黒木山太陽光発電事業は九州電力送配電株式会社の系統連携接続料の結果を見て、事業の可否も含めて再検討」
という答弁でした。この答弁は、担当課が書いた答弁書に沿ったものです。しかし、この答弁はたった1日で事実上ひっくり返ります。
翌日の答弁で一転
私の質問の翌日である3月3日。同じく太陽光発電事業について、竹迫毅議員が登壇。竹迫議員は事業を推進すべきとの立場から、質疑を重ねていきます。
初めは「事業の可否を含めて再検討」としていた市長でしたが、竹迫議員の質疑に対して最後に力強い一言。
「採算の取れる事業だと思う。事業を縮小してでもやり遂げたい」
ちなみに、これは市長のアドリブ答弁です。前日は再検討と言っていたのに、次の日にはやり遂げたい。
まったく真逆の答弁でひっくり返った現状を前に、私は目の前がクラクラしました。そして、私は市役所と市長との溝に勝手に思いを馳せます。
やる気の市長と、そうでもない(?)市役所
担当課の書いた答弁では「事業の可否を含めて再検討」なのに、市長にアドリブで喋らせたら「ぜひやり遂げたい!」。なぜこんなことが起きるのか。
ここからは私の邪推ですが、ようするに市長はやりたいけれど、市役所職員(特に担当課)としては危ない匂いを感じているのだと思います。そもそも、市長肝いりのプロジェクトに対して「事業の可否も含めて再検討」なんて答弁書を作ること自体、結構インパクトのあることです。
ましてやこんな状況で、市民の皆様からどれだけのご理解が得られるのでしょうか。
私の考え
私は必ずしもこの事業に反対しているわけじゃありません。再エネの推進は重要ですし、しっかりとしたプランをもってやれば、市にとってメリットとなる可能性を秘めているとも思っています。
しかし、市として専門性の高い職員がいるわけでなく、補助金ありきで事業を進めたら、公募で選ばれた事業者の言いなりになるしかありません。もちろんうまくいくかもしれません。しかし選んだ事業者に任せるしかないのだとすれば、うまくいくかはくじ引きみたいな話です。
私は7億円でくじを引くような仕事はしたくないと思っています。
今まで、一体いくつそういうことをしてきたのでしょう。補助金ありきで何か作るも、当初の見込が甘く、維持管理費だけがかさむ。同じ過ちを繰り返しては、未来を生きる子どもたちに申し訳が立ちません。
私にできること。
現状のような進め方では警笛を鳴らし続けます。それでも工事の予算が通るならば、よりよいメガソーラーの建設と運営に全力を尽くすのみです。