市役所新庁舎建設に関する私の意見【結論】
結論から言うと、私は3月25日の本会議にて、市役所新庁舎関係の議案に賛成します。
これまでの私の考え方や新庁舎建設の経緯については、下の記事をご覧ください。
これまでの立場を簡単に言えば、『決断のリミットである2022年3月まで考え抜く。賛成反対ありきの立場はとらない』でした.
あれから1年半、議会の質問等を通して、市長と議論を重ねてきました。そして、賛成するに至った理由を下に記します。
① 防災機能
これが、私が賛成を決めた一番大きな理由です。
現・知覧庁舎は耐震改修をしているものの、耐震性能が最低限しかありません。大規模な地震が起きたときに、崩れなくとも再び中に入れる保証はないような耐震性能と見られています。
また、現・知覧庁舎のすぐ後ろには麓川があり、過去には麓川が氾濫して庁舎機能が一部ストップした経緯もあります。下の画像が一番わかりやすいのですが、川から道路挟んですぐの建物が現知覧庁舎です。
私は東日本大震災の時に大学生で、茨城県つくば市にいました。そのつくば市は2010年に市役所新庁舎を建設しています。下の建物です。
震災の時は他市の庁舎と比べて機能が保持され、結果として住民サービスの維持に大きく貢献しました。
この経験は、私の人生で、庁舎の意味を考えた初めての出来事でした。
議員の仕事は、市民の生命財産を守ることです。
移転候補地は近くに河川がありません。また新庁舎の耐震機能は下の図の緑を実現します。端的に言えば、地震に対して最も高い基準を満たす庁舎です。
② 強力なデジタル化
新庁舎を作るならば、市民サービスと行政組織に、目に見えるポジティブな変化が必要です。私は「新庁舎が出来て、役所に行かなくて良くなった」というような、「来なくて済む市役所」が理想だと思っています。そしてそれは、デジタル化でかなりの部分実現すると思っています。
この点について、先週の一般質問にて「新庁舎建設の前提条件は強力なデジタル化」との答弁が市長・副市長・担当課長よりなされました。下の画像をクリックすると動画に飛びます。48分頃からです。
では、それがどう具現化されるのか。しっかりと提案していきます。
③ 人口2万人規模
多少のスピードの差はあれど、本市の人口減少は避けられないと思います。プラグマティックな話をすれば、人口2万人もそう遠くない未来にやってくるでしょう。
私は、新庁舎は今の人口規模ではなく、人口2万人規模で建設し、徐々に新庁舎に機能をシフトするべきだと考えます。次の世代にとって過大な建物にならないように。
この点について、最後まで市長と溝が埋まることはありませんでした。計画では2026年時点の人口規模と職員規模で建設することになります。
④ ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)
建物も環境性能が求められる時代です。断熱や太陽光などを利用し、エネルギー効率とお金がかからない建物が必要だと考えました。
この点について、計画書では「ZEB ready以上を実現する」と明記されました。
⑤ ランニングコスト含めた計画
建物の建設費だけでなく、その後の維持管理費を含めた計画が必要です。安く造って管理費が高くつくようではいけません。
この点について、具体的な図面を起こさないとわからない部分もあります。現時点の計画書では下の図を用いてその考え方を示し、今後の具体的な建設計画の中でランニングコストを大切に取り扱うことが明記されました。
⑥ 支所機能
支所機能の維持は言うまでもなく大切で重要なことです。この点については、多くの同僚議員含め、議会で大きな論点の1つとなりました。
これにつきましては、同じ地元の偉大な先輩である、大倉野忠浩議員の一般質問が一番わかりやすいと思います。
一言で言えば、人数合わせみたいな支所にしないということです。
①~⑥をふまえて
これまで述べたように、市長と合意できた部分もあれば、合意に至らない部分もありました。全てで完全に合意することはできませんでしたが、どんな交渉もそうであるように、全てで完全に合意できることは稀です。
以上6つのことをふまえて、総合的に判断しました。
対話と情報発信を重ねて
この1年、多くの皆様と新庁舎について対話をさせていただきました。僭越ながら、誰よりも対話と情報発信を続けてきたと自負しています。
上はほんの一例です。もちろん対話や情報発信を重ねたからといって、それでも全く不十分で、これからも更に続けていきます。
対話を重ねる中で、多くの方が『建設に反対では(賛成では)ないけれど、〇〇は大切』とおっしゃっていました。民意は極端に振れていなくて、賛成と反対の間にあるんだと思います。
現庁舎が老朽化していることだけは間違いありません。大規模改修にもお金がかかります。新庁舎建設を今決断しなかったとしても、近い将来誰かが決断せざるを得ない問題だと思います。
市長や議員を含めて、本市の決定権者で一番若いのは私です。先輩方に比べて経験や知識は劣りますが、自分だからこそできることがあると信じています。
終わりに
これまで1年間検討に検討を重ねていただいた市民代表の皆様、説明会やワークショップにご参加頂いた皆様、このSNSを読んでくださっている皆様、毎日遅くまで事務所の電気が消えなかった新庁舎建設推進課の皆様、市職員の皆様、大きな決断をされた塗木市長、そしてこのプロジェクトに関わる全ての皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。
3月25日の本会議にて結果が出ます。どちらに転んでも、大切なのは結果が出た後です。建設するのだとしても、しないのだとしても、反対の方と賛成の方の共通点を見出せるような、協調の象徴となれるような議員を目指します。