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【6月の誕生石】古代から愛されてきた月の雫
古代から愛されてきた宝石
古くは、月の雫が海に落ちて生まれたと云われていたそうですよ。月の雫といわれると、ムーンストーンを思い浮かべてしまいますが、パールの優しい乳白色の輝きは、月から落ちた雫にも見えますね。
◇パールは富の象徴だった?
パールが始めて見つかったのは、紀元前3200年頃だそうです。食用に採った貝の中から偶然に見つかったようです。始めて見つけた人は、どれほど驚いたことでしょう。
光り輝く雫を手にして、まるで夜空の星か、月の雫を貝が飲み込んだんじゃないか。そう思っても不思議じゃないかもしれませんね。
ローマ帝国の皇帝ポンペイウスの凱旋式では、真珠で覆われた巨大な彫像があったそうです。「東方の豪華な宝物」のようだといわれたとか。豪華な凱旋式は、力を示すのに必要だったのでしょう。
また、パールにまつわる有名な話といえば、エジプトの女王クレオパトラの逸話ですね。
ローマの将軍アントニウスを招いた宴席で、お酢に真珠を落として溶かし、飲み干したと伝えられています。一説には一粒で黄金570キロ、現在の価格にして15億円とも20億円とも言われる価格の真珠だったそうですよ。
まさに、富と力の象徴ですね。
◇美の秘訣はパールにあり?
ギリシャ神話にも、パールにまつわる話があります。
美と情熱の女神アフロディーテは「Pearl of the sea」とも呼ばれます。
アフロディーテが誕生した際、その体に纏わりついていた泡の水滴が、海に零れ落ちたそうです。その零れ落ちた水滴がパールになったと伝えられています。
西洋で多くの逸話があることは分かりましたね。
では、日本や東洋ではどうだったのでしょうか?
実は、魏志倭人伝に、パールに関する記録が残っているんですよ。
邪馬台国の卑弥呼の娘が魏の王に白珠5000孔 (真珠5000個) を献上したそうです。その需要はずいぶんと高かったようですね。
日本では、古くから輸出品として活躍したパールですが、医学に関心が深かった江戸時代では、薬として注目されたそうです。今でも、漢方で「珍珠」という名で使われているそうで、心と体を整える効果が期待できるみたいですね。
古代中国では、楊貴妃や西太后も、玉のように美しい肌を保つ秘訣として、真珠粉を酢に溶かして飲んでいたなんて話もありますからね。
今も昔も、女性は美の探求に余念がなかったということでしょうか。
パールの成分の多くは、炭酸カルシウムです。
漢方に使われるくらいですし、摂取するのに害があるとは思えませんが、小心者な私は、パールを溶かしたお酢のドリンクなんて前にしたら、手が震えちゃいそうです。
高価なパールを飲むというのは、なかなかの贅沢の極みですよね。
◇ハマグリからパールが出てくる?
昨今、丸形で大粒の本真珠が取れなくなっているという話を聞きます。
気軽に楽しむパールとしては、お手頃価格の淡水パールの方が良いのですが、やっぱり、本真珠と呼ばれる大粒のパールに、憧れてしまいますね。
本真珠と淡水パールの違いは何かというと、育成環境と貝の違いになります。
本真珠は主にアコヤ貝を海で育てたもので、淡水パールがイケチョウ貝を淡水で育てたものです。他にも、様々な貝からパールは作られます。
貝によってパールの色艶が変わるんですよ。
コンクパールという、ピンク色のパールは、パールの概念を覆す色艶だったりします。
パールは様々な貝に出来るなら、シジミにも出来るのか。疑問に思ったので、調べてみました。
実は、シジミにもパールが出来る可能性があるそうです。
なんと夢がある話でしょうか!
レストランでハマグリや牡蠣を食べたら出てきたなんて話もありますからね。でも、シジミとなると、元々の身が小さいので、出来たパールもずいぶん小さそうです。
シジミを食べたらジャリッ!としたのは砂抜きが不十分だったのではなく、パールを噛み砕いた可能性があるそうです。
つまり、出来たとして砂利程度。ジュエリーには程遠いですね。
シジミやハマグリでも出来るとはいえ、本真珠のような輝きは出ません。
身近な貝であれば、牡蠣なら、もしかしたら、艶やかなパールが出てくるかもしれないそうですよ。オイスターバーで牡蠣を食べながら、宝くじ気分でパールに当たるのを楽しみにするのも面白いかもしれませんね。
◇誕生石・パール(真珠)からのメッセージ
誕生石にも、花言葉のようなメッセージがあります。
パールは「純潔」「長寿」「富」です。
乳白色に輝く姿を表すだけでなく、古くから愛されてきたパールの様々な逸話が言葉になっていますね。
アフロディーテの加護を得たパールですから、冠婚葬祭だけでなく、日常使い出来るシンプルなジュエリーを手にするのも良さそうですね。