東南アジア最高峰に子どもたちと登る①【準備編】
今年の夏に中学生~大学生のメンバー10名と東南アジア最高峰と呼ばれる「キナバル山」へ挑んできました。その標高4,095m!富士山より高く、いわゆる高所登山と呼ばれる領域です。日本に住んでいるだけではめぐり合わない高さの場所です。
ロープやクライミングなど特別な技術を必要としない、とされてはいますがなんだかんだ言っても高所帯の長時間ハイクに挑むため、成功に導くにはそれなりの準備が欠かせません。今回は3部に分けて子どもたちとキナバル山へ出かけるための戦略や準備~当日の様子をレポします!
事前手続き
今回は現地のエージェントにまるっとお願いしてしまったのですが、次のような手続きが必要なようです。
・山小屋の予約(概ね3,200m近くに山小屋が数件あり、そこの予約が必須)
・山岳ガイドやポーターの手配
キナバル山は山小屋の予約が必須であり、また現地のガイドを帯同させることが規則で決まっています。この2つが予約できないと登山許可が下りません。特に山小屋は1年くらい前から予約合戦になるため、登山は計画的に進める必要があります。
今回は子どものツアーということもあり、ポーターも利用することにしました。5kg/人までの荷物を登山口⇔山小屋まで運んでくれます。これに現地ガイドが5名加わり、現地スタッフ7名になりました。
この旅は「ボルネオフレンドシップキャンプ」という企画で、ボルネオの大自然と世界経済の関係を肌で感じな学ぶスタディツアーにキナバル登山もくっつけた贅沢プランです。日本からも各世界のスペシャリストが3名帯同してくれました。つまり、10名の参加者に1名の引率と3名のスペシャリスト、加えて現地スタッフ7名が入ったチームになり、バックアップ体制はかなり充実した計画となりました。
事前トレーニングと学習会
特別なスキルは必要ないとはいえ、4,000mを超えるキナバル山に登るにはそれなりの準備と基礎体力が必要です。
・高山病への理解と対処法、予防法の実践
・疲れない、息が上がらない山の歩き方のスキル
・長時間歩ける体力(富士山を余裕をもって登山できるくらい)
10名のメンバーの中には登山経験が浅い人や、高尾山以外初登山という人ももいたのでいくつかのテーマを設けて「練習登山」を実施してきました。また、国際山岳医の稲田医師から高所医学に関するテーマをもらい、参加者が事前に調べて発表する事前学習会も同時開催。高所に対して自分たちの体にどんな変化が起きるのかを理解し、稲田医師からもフォローしてもらいながら理解を深めることができました。
登山練習パートナでは、柏ガイドから登山基礎技術やペース配分など、キナバル登山だけにとどまらず今後の登山ライフで役に立つ各種スキルを教えてもらいました。
こうして、ハイカーとして必要なスキルや経験を身に着け着実にステップアップしたメンバーはいよいよキナバル山へ挑むのでした。
【パート②ーキナバル登山Day1へ続く】