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パパママ必見!子どもとのスキーデビューを成功させる3つのポイント
子どもが幼児~小学生くらいになると、いよいよウィンタースポーツを家族でできたらいいなぁ!と思うご家庭も多いのでは??
ところがスキー場へ出かけると、毎回必ずと言っていいほど子どもはゲレンデで転んだままうなだれてる、パパママはなんかキレてる。。全体的にめっちゃ不穏な気配…そういうシーンを見ます。「こんなはずじゃなかった…」お互いのセリフさえ聞こえてきそうです。
ひの自然学校ではこれまで20年以上にわたり子どものスキーデビューを支えてきました。多くの子どもたちが目をキラキラさせながら滑り、「またやりたい!」と言って帰ってきます。年齢の近い大学生のおおにーちゃんおねーちゃんが教えてくれる以外にも成功のヒントがあるのです。
いい指導は子どもの心理的安定性をつくり、安全なスキーにもつながります。今日はパパママのスキーデビューを支える「ひの自然学校流」のアドバイスをいくつかお届け。
極意1:体にフィットさせたものを着せる。板を少し短くする。
スキーの格好は重ね着が基本でゴワゴワしますね。ゴーグルをすると視界が悪くなるし、ニット帽は頭かゆくなるし…。おまけに足はロボットみたいなブーツだし…。そう、子どもからするとスキーの格好は不快そのものと言えます。おまけに多くのスキー場で借りられるレンタルスキーのブーツは、すね側が固定されているタイプが多く、歩くことがそもそも困難な作りです。
ただでさえ操作性が悪いところにダボダボのウエア類を着せられたらどうでしょう。想像するだけで不快指数MAXですね。そこそこ良いものを着せて寒さからの遮断もそうですが、ウエア類はできるだけフィットさせて、前提としてそもそも快適でいられることは楽しいアクティビティの前提です。
初心者の子どもにはレンタルスキーをするとき、「身長ー10cm」くらいで申告するのがお勧めです。つまりちょっと短いスキー板にすること。
初心者の最初の目標は「ハの字」ですが、長い板の操作性は悪く、板の先端(トップ)が重なりがちです。トップが重なると制動が悪くなり転びます。思ったタイミングで止まれず怖い思いをします。数回これが重なるともうやる気なくなります…。
スキー板が少し短いだけで抜群の操作性を生み出します。逆にスピードに乗って滑れるようになったら必要な制動がかかるように身長適正なスキー板を申告するようにしましょうね。
ちなみに、ストックは初心者は持たないほうが上達が早いですよ。
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結果、板の動きに集中できず上達が遅れる。
極意2:モチベーションが落ちる前に、さっさと「滑る」。
みなさんも学校の授業や行事などでスキーをやったことはきっとあるはず。最初の練習を思い出してください。結構ステップが多かったはず…。具体的に思い出すと、・板を履いて平地を歩き ・坂道を登る練習をし(階段登行など)・転んだ時の起き上がる練習をし・ハの字で滑り止まる練習をし、はじめてリフトに乗る。
ざっくりこんな感じだったのではないでしょうか。昔から変わらない段取りからして、スキー理論としては正しい上達へのステップと言えます。しかし、これが子どものモチベーションと合うか…となると別の話です。
「スキー行こう!」と誘われて想像するカッコイイイメージ、スキー場に着いて目にする軽快なスキーヤーや楽しそうな乗り物。さぁ面倒な準備を終えていよいよやりましょう!となったら地味~な練習の数々。
冷静に考えてみると、幼児や低学年の子どもたちがこんなの耐えられる訳ないですよね。。
多くの場合大人はスキー場で安全に滑ってもらうために「完璧に止まれる」までひたすら基礎練習を繰り返します。その間に嫌になっちゃうのです。だってつまらないから…。
基礎練習は確かに大事です。しかしそれ以上に子どもは「スキーは楽しいものだ!」と感じることのほぅが前提条件な気がします。そこで役に立つのが「トライスキー」をはじめとする補助具です。足を開けば必ず「ハの字」になり確実に止まれる。そうすれば「滑れる!」ことがわかる。少しずつ距離を延ばせば爽快感が生まれる。結果、スキー楽しい!となりますね。
【私が補助具を導入するタイミング】
・体が小さすぎて「ハの字」の動きが骨格的に難しそう。
・「ハの字」の動きが理解できなさそう。
・体幹が弱くてスキーを履いて立っていられない。
・モチベーションが落ちてきていてこのまま基礎練習やってたらヤバイ。。
これは個人的見解ですが、親子でスキーデビューする際、親がリフトの乗り降りの面倒を見られるなら、基礎練習すっ飛ばして補助具着け、超緩斜面で止まれる!ことを確認したらもうゆっくり滑りながら距離を伸ばし、さっさとリフトに乗っちゃうことをお勧めします。こどもは滑走距離=上達速度と言えそうです。
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親子スキーのデビューにはもはやマストアイテム!?
補助具に頼ると操作の感覚が身に着かない、、と言う意見も耳にしますが、そんなこともなさそうです。何回も滑っていくなかで徐々に感覚を身に着けていくものなので、慣れてきたことろにこれまた超緩斜面でしれ~っと補助具を外したまま滑ったりすると、、およよよ。。。と突然滑れるようになることは多々あります。大事なのは「本人が不安にならないタイミングで、斜面でしれ~っと外すこと」です。
あとは何といっても褒めちぎること。立てただけ、止まれただけ、ちょっと動いただけで「やりすぎか!」くらいに褒めちぎります。「オレは天才ちゃうか!?」と子どもが錯覚できれば成功です。これらの動画はポイントをイメージした様子です。
極意3:しょせんスキーは「雪遊びの1つ」だという認識でいる。
この旅行を計画した大人からすると、スキーを滑れるようにして、1日みんなで滑り倒して楽しむ。1日券を買ったことだしせっかくなら最後まで滑りたい!…こう思うのも自然ですが、子どもは思った以上にスキーに対して興味を示さないかもしれません。雪だるまづくりのほうがよっぽど魅力的だったり。。
まずは雪になれる→子どもの「やりたいあそび」から始める→少し満足したところでスキーに誘う→やる気になった最初は絶対に「失敗させない」→楽しいイメージを植え付けてから距離を稼ぐ。→滑ることに慣れたらいろいろなスキルを身に着けてゆく→結果自由に安心して滑れるようになる。→より楽しい。
要するに大人側の余裕がどれだけあるか…がキーになりそうです。多くの場合、ここまで広いマインドで1日を過ごせる大人の方が少ないわけです。
加えて、子どもには「家の顔、よそ行きの顔」があります。経験筋で言えば「よそ行きの顔」モードのほうが何かと頑張れます。こういった現実から最初の一歩をスキースクールや我々のような自然学校に託すのはある意味合理的と言えます。外部に滑れるようにしてもらって、あとは家族で快適なスキー!いいアイディアだと思いませんか?
家族でスキーをデビューするときは、途中で気が変わっちゃっても、雪遊びに気を取られても「ま、そんなものか。」くらいの余裕が結果成功に導いてくれることでしょう。
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おとなからすると、ムムムム。。ですが。
他にもスキーを成功させるポイントはありますが、今日はひとまずこの辺で。スキーはそもそも危険を伴うスポーツです。安全にスキーを楽しむためには、いかに子どももリラックスした「怖くない状況」を創り出せるかがキーになります。
今年は各地雪も潤沢です。楽しく思い出に残るスキーを!
寺田まめた(ひの自然学校リスクマネジャー)