秋の山を安全に楽しむ3つのポイント
良い季節になりました。あんだけ暑かった夏も気が付けばすっかり湿気もなくなり、さわやか空気感を感じます。徐々に各地紅葉も始まり、里山からそこそこな標高帯まで登山を楽しもう!と思われる人も多いのでは!?
秋は恵みが多く山も楽しい一方で、夏と冬の狭間でもある季節。この時期に気を付けたいハイキングのポイントをいくつかまとめてみました。
①ルートは見えにくくなりがちです。
夏にスクスクと伸びた草は登山道を覆い隠してしまい、ぱっと見た感じ特に分かれ道では登山道が認識しにくく、ちょっとしたくぼみや踏み跡のような形跡で誤った方向へ導かれることが多くあります。落葉樹が多いエリアでは一面に広がる落ち葉によって登山道が隠されてしまうことも。
通常日本の多くの登山道は、かなりの人数によって踏み固められていることもあり足場が安定していることが多いです。歩いていて、なんだかやけに足場が崩れる…。登山道ってこんなに勾配急だったっけ…?なんて時はルートを間違えてる可能性も。特に分岐点で地図と照らし合わせる、怪しければ戻る。GPSなどで細かくチェックするなど、登山道のロストには十分意識を向けましょう。
②低体温症に気を付けよう
数か月前、急な暑さに体が追い付かず苦労したことを思い出してください。体が暑さに慣れるのには少し時間が必要でしたよね。今はその逆です。体はまだ寒さへの耐性も出来上がっていない季節。そこへ山に来た時に突然下がる気温。気象条件によっては雪が降ってくるなんて日も…。そんな気温で雨が降って来たらいくらカッパを着ていたとしても体の冷えは避けられないかもしれません。
特に首都圏に住んでいると、日ごろが暑いので「山での気温」をうっかり忘れがちです。山に入って雨に打たれ、しっとり体が濡れたところに風が吹いて…。ご存じの通り、人の体温は下がってしまってから上げるのは野外ではなかなかに困難です。早めに防寒するための防寒具を始めとしたグッズ、飲食により積極的なカロリー摂取は欠かさずに行きたいものです。
ちなみに、低体温症のサインは…
・止まらない震え
・精神状態の悪化
と言われます。これも押さえておきたい早期発見ポイントです。
人体の構造を知る講習会に参加することも、いいリスクマネジメントになります。野外災害救急などがおすすめです。
③動植物も活発です
山には不本意ながら人を襲う生き物もいます。多くは突然の鉢合わせ、住みかへの異常接近などによるものですが、そもそも生き物たちも活発に行動しています。
代表的なものはハチやクマなどになるかと思いますが、ハチはアナフィラキシーなどの危険をもち、クマは…いうまでもありませんね。動物も冬を越すために一生懸命準備をしている…ことも頭の片隅には入れておきましょう。
以上代表的ないくつかのポイントをまとめてみました。
山は大きく、そして時には危険ですが上手に付き合えばこんなに豊かで楽しく身近なものはありませんね。今年の秋も安全に山からの恩恵を楽しみましょう!
ひの自然学校リスクマネジャー
寺田まめた