東南アジア最高峰に子どもたちと登る②「Day1-山麓から中腹の山小屋へ」
今年の夏に中学生~大学生のメンバー10名と東南アジア最高峰と呼ばれる「キナバル山」へ挑んできました。その標高4,095m!富士山より高く、いわゆる高所登山と呼ばれる領域です。日本に住んでいるだけではめぐり合わない高さの場所です。
今回は3部に分けて子どもたちとキナバル山へ出かけるための戦略や準備~当日の様子をレポします!(第2回)
前回の記事は…
いよいよ登山口到着!チェックインそして登山開始
海外の山ですので、あまりないとは思いますがキナバル山はフラっと行って突然登れる山ではありません。技術的にという意味ではなく、許可制なのです。1日に登れる人数に制限があり、そのほとんどは山小屋の宿泊と連動しています。つまり、原則山小屋が予約できないとそもそも登山許可が下りない!というワケです。個人山行であれば割と直前でも融通場合もあるそうですが、なんせ今回は14人の大所帯。1年前の予約開始日に合わせて速攻予約をお願いしてありました。(実際は日本に台風の襲撃があり出発が2日ずれたことで、山小屋の予約があわやNGになりそうなハプニングがあったのですが、これは長くなるのでまた今度…)
無事に登山許可もおり、カッコイイ登山許可証をGET!さぁ登りましょう…と、そこに現れたのは屈強そうな現地の男女が。彼らは現地の山岳ガイドでした。それも5人…。キナバルは現地山岳ガイドの同行が義務付けられているため、人数に応じたガイドが付きます。しかも中学生には1:2という割合なもので、今回はマシマシ。
おまけに今回は旅行会社の計らいによりポーター(荷物運び屋さん)も2名登場。彼らも現地の方で、1人5kgまでを3,200m地点にある山小屋まで一気に運んでくれる方です。
結局10名の参加者に対し、ポーター2名、現地ガイドは5人。日本からは登山ガイド、国際山岳医、そして自然解説のスペシャリスト。。大名行列か!と言わんばかりの登山隊が出来上がったのでした。
標高1,800m→3,200m、6kmの「長い高尾山」
さて、さっそく登山を開始するわけですがここから6kmかけて今日の目的地は標高3,200mの山小屋。標高差は1,400mということでなかなかの距離と高さです。高山病的にもハイリスクな登山であります。
熱帯の山地林に囲まれた、しかしよく整備された登山道を歩いていきます。印象としてはひたすら段差、または階段を登る印象。平らな道はあまりなかったです。山小屋までは基本的に森の中です。練習登山で富士山に登ったイメージの強かったメンバーからは「想像以上に”長い高尾山”だった…」と感想も。(笑)
メンバーには評判があまり良くなかった?樹林帯の歩行ですが、ぱっと見日本の森と似てるなと思いながらも、さすが熱帯エリアにしかない植物たちも多く、見ごたえのあるところもありました。
このあたりは、一緒に出掛けてくれた湯本さん(通称ハカセ;京都大学名誉教授。前霊長類研究所所長)が適宜解説をしてくれうという、それはそれは贅沢な時間でした。
登山道の途中には結構な頻度で休憩所が出てきます。あずまやが突然現れ、比較的キレイな水洗トイレやゴミ箱が備え付けられています。トイレットペーパーは持参ですが、日本の登山道と比較するとすごく整っている印象です。(良いか悪いかというのは別の話です)。休憩所以外は基本段差や階段なのでおのずとこの休憩所をを利用することになります。
キナバル山麓でチェックインすると、お弁当を渡されます。お弁当は意外と美味しかったですが、肉1枚入ってたりと結構ボリューミー。果物が丸っと入ってるあたり、なんか外国感を感じますね。笑 ゴミはみんな備え付けのゴミ箱に捨てます。最終的にはポーターさんが運び下ろしてくれます。
そうこうしながら標高3,200m地点の山小屋に到着!
無事にみんなたどり着くことができました。富士山で同標高帯の宿泊を経験してきているので、「すぐに寝ちゃだめだ!」「お茶を飲んで過ごそう」など、それぞれ高山病の予防に勤しむ姿がありました。トレーニングの賜物ですね♪
それにしてもこの山小屋、お部屋は広々とした2段ベッド、水だけだけどシャワーもあり、そして食事はビュッフェ。コーヒーや紅茶飲み放題にデザートまで。ヨーロッパの流れを汲んでいるという話を聞きましたが、日本もこんなシステムだったら快適だなぁと、感動の夜を過ごしました。
いよいよ翌日は明け方からキナバル山アタックへ向かいます。
その模様は、次の記事で!