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「思いやりでつなぐ一杯のスティックコーヒー」

みなさんこんにちは。今回は子育てカフェモグモグでのエピソードをお届けします。

 子育てカフェモグモグは、日野社会教育センターが市から受託している“ランチが提供できるカフェ形式の子育てひろば”です。開設から15年が経ちました。このスタイルのひろばは、今でも他の自治体ではあまりみられないのではないでしょうか? 子どもを遊ばせる場所こそ広くはないものの、施設のすべてが見渡せ、一人ひとりの表情がわかることが利用者の安心につながっている様に感じています。大人同士の会話は筒抜けで、子どもの笑う声に混ざって、泣く声も同じように聞こえてきます。さらに午前中は、このにぎやかな声に調理中の音や匂いがプラスされ、まるで大家族の家のリビングのようです。 子どもだから大人だからという線引きもなく、みんながそれぞれ楽しみ、くつろいで過ごしています。 

 ちょうど今の時期は年度末でアンケートをとっているところですが、そこからは、大人の「ゆっくりランチが食べたかった」という希望と「子育てしている親と知り合いたかった」という願いがみえてきました。 この2,3年のコロナ渦の中で、親たちは子どもを連れて出歩くことが難しく、実家に帰ることすらも躊躇しています。そうでなくても慣れない子育てに不安や孤独を感じやすい時期、我が子と同じくらいの子どもに会いたい、誰かと話したい、ゆっくりご飯が食べたいと思うのは自然なことだと思います。

 ある時、フードバンクからスティックコーヒーをいただいたので、ポットとカップを用意して「ご自由にお飲みください」と掲示しました。 「えっ、うれしい」と素直に喜ぶ親たち。「コーヒーを飲んでいる間、子ども見ているよ」と声をかけ合って、それぞれ自分だけの時間を過ごします。ほんの5分、10分…それでさえ、24時間つきっきりで子どもといる親たちには特別な時間となるようです。 数日が過ぎるといただいたスティックコーヒーも底がついてきました。するとある方が「この間コーヒーをいただいたのが嬉しくて」とわざわざ同じスティックコーヒーを一箱持ってきてくれました。また数日後には別の方が「皆さんで飲んでください」と一箱、そして二箱、三箱と差し入れが続いています。

 “居心地のいい場所は、自分たちでつくっていく” 

心も体も温かくしてくれる一杯のスティックコーヒー、あなたも飲みに来ませんか? 

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