丹内祐次騎手【政治騎手名鑑2021】
政治騎手名鑑の2021年度版が完成しました!!
ルメール騎手から北村宏騎手まで上位30人のジョッキー・バイオリズムや詳しい見解はこちら↑↑
単がタンナイ着拾いジョッキー
名は体を表すとはいうが単がないから「タンない」なのか……。USM(馬力絞り出しメーター)を見ると単での取りこぼしが目立ちます。もともと着拾いタイプの騎手で単だけ低かったが、今年に入って連がマイナスに突入。9月にはついに複までマイナスに。調子の底がさっぱり見えません。どこまで落ちていくか心配。
丹内騎手のジョッキー・バイオリズム
もっとも本人にしてみれば、まったく違う感覚なのかも。危機感など微塵も感じていないと思われます。
18年:12勝(595鞍)
19年:27勝(656鞍)
20年:29勝(693鞍)※12月13日まで。以下同
本人の胸の内を推測すると、「まずは騎乗数を増やすこと。そうすればおのずと勝ち星もついてくる」と考え、騎乗数のアップに努めてきたのでしょう。意外にもというのは失礼かもしれませんが昨年の勝ち星を上回っている。その上、乗鞍も増えたのだから、作戦成功といったところでしょう。
着取りリーディングでは16位に食い込む
では、騎乗数をどのようにして増やしてきたのか。騎乗数を増やすには入着を繰り返し着賞金を確実に加えることが大事です。だから、とりあえず入着を狙う。それで勝てれば儲けものという感覚で乗る着拾いタイプの騎手になっているのでは。
特殊なリーディングを出してみました。8着以内の回数リーディングです。どれだけのレースで入着賞金を稼いだかその回数が多さを比べてみたのです。
20年のベスト10を並べると(12月13日まで)、1位ルメール644回、2位松山590回、3位幸557回。以下、田辺、和田竜、福永、岩田望、武豊、吉田隼、団野と続きます。当然のようにベスト10には、リーディング上位の騎手が並びます。また、幸騎手のように騎乗回数の多いジョッキーも上位に食い込んでいます。
では、丹内騎手は? 実はリーディング上位でもないし、騎乗回数が抜けて多いわけでもないのに、16位(403回)にランクインしているのです。この入着回数の多さだけを見ても、丹内騎手の狙いが透けて見えるのではないでしょうか。
興味深かったのは、節目のJRA通算300勝を達成するまでの道程です。4月19日福島6Rをグラスデスティーノで勝利。これがJRA通算299勝目。300勝に王手をかけました。
ここからが丹内騎手らしかった。普通は節目の勝利がかかったレースではお祝いの意味もあって馬が集まりやすくなる。依頼するほうも、騎手の記録とともに愛馬の名前が歴史に残るので、勝てる可能性のある馬を用意します。
騎手もすぐに勝利して次に行きたいというのが普通と思われますが、丹内騎手は勝たない。馬が集まる、この状況が永遠に続けばいいのにと思っているかのように、好走すれど、勝ちません。通算300勝を達成したのは結局約1か月後の5月17日の新潟9R(ベルジュネス3番人気1着)。リーチがかかってから実に57鞍後。2、3着を11回繰り返してからの勝利でした。
丹内騎手の勝負服で馴染み深いといったらマイネル軍団の服飾でしょう。マイネル軍団との関係を改めて振り返ると……。
●マイネル軍団(TCラフィアン、ビッグレッドF、ウインなど)との関係
18年:10勝(336鞍)※56.5%←全騎乗に占める割合
19年:19勝(356鞍)※55.6%
20年:22勝(367鞍)※53.0%
勝ち星、騎乗数からみれば関係性は強化されていると言って間違いない。おもしろいのは、それでも依存度は減少傾向にあるという事実です。軍団の騎乗数が増えて、勝ち星も積み重なると他からもお呼びがかかるようになるのでしょうか。もし、そうなら丹内騎手の「単ない作戦」も一理あるように思えてきます。
開催最後に固め打ち、都市伝説は本当か?
騎手としての戦略は堅実でも、私生活では「宵越しの金は持たない」という豪快さで鳴らしている……これが丹内騎手にまつわる都市伝説です。遠征先の最終週で固め打ちをすることが多いのですが、それはたまりにたまったツケを清算するためという噂があるほど。とにかくローカルの開催終盤の丹内は時として大爆発します。
今年の札幌の最終日でも突然3勝(5Rアイオープナー8番人気、すずらん賞ラストリージョ10番人気、釧路湿原特別ヴィカツィオーネ2番人気)の固め打ち。コロナ禍の今年は、さすがに飲み歩くことはできなかったと思うのですが、都市伝説は本当なのか? 信じるか信じないかはあなた次第です(笑)
あと、今年の北海道といえば、函館開催で目標に一歩近づきました。丹内騎手の目標とは自身の出身地、函館の3重賞全制覇。今年、函館2歳Sをリンゴアメ(10番人気1着)で制しました。函館記念は16年、マイネルミラノで勝っているので、あとは函館スプリントSのみ。悲願の函館3重賞制覇も射程圏に入っています。21年函館SSに注目。
丹内騎手の戦法データ
戦法は逃げが若干多い程度で、目立った特徴はありません。逃げが多いのも前で競馬してしぶとさを活かすマイネル軍団の馬に騎乗する機会が多い方と思われます。
騎乗馬の平均オッズは65.4倍
※戦法データの集計期間は20年1月1日~12月6日まで。戦法はtagetの判定方法に従っています。また、戦法の特徴がよりわかりやすくなるよう、リーディング順位の近い騎手と比較できるようにしました。さらに、騎乗馬の人気と戦法は切っても切り離せない(人気馬は能力が高いので前で競馬できるが、人気薄ではなかなか前に行けないなど)ので、騎乗馬の平均オッズとオッズ別の戦法データを合わせることで、よりその騎手の戦法の特徴が見えるようにしています。
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「馬券術政治騎手名鑑2021 Go to ケイバ!」では、紙幅の関係で上位30人までしかバイオリズムのグラフを入れることができませんでした…
みなさんに競馬を楽しんでいただくため、馬券の参考にしていただくため、頑張ります!これからもよろしくお願います!