WIN5を的中するための深層分析:人気馬から見る的中率のリアル
前回の記事では、宝くじとWIN5の比較を試みました。
宝くじがしばしば「愚者への課税」などと揶揄される理由は、その低い還元率と期待値が0.45程度しかないことに加え、その低い的中率が原因です。さらに、期待値通りに収束する可能性すら低いという点を指摘しました。
それでは、WIN5はどのように評価すれば良いでしょうか。馬券の中でも還元率が70%と最も低く、組み合わせ数が多いため的中率も宝くじ並みに低いです。さらに、的中を手に入れるまで払戻しがゼロなので、多くのケースで投資額を失うだけになってしまいます。これらの要素を考慮すると、WIN5も宝くじと同様に不利なギャンブルに思えてきます。
しかし、WIN5には、自分で買い目を決めることができ、予想などの技術介入要素があるため、宝くじほど的中率が低いわけではありません。5レース連続で的中させなければならない中で、1レースの的中率(通過率)を50%以上にすることは不可能ではないというのです。
さて、1レースの通過率が50%でも、それを5レース連続で達成するとなると、最終的な的中率は約3%となります。しかしながら、3%の的中率があれば、100回チャレンジすれば95%以上の確率で的中することが可能となります。そのため、運が悪くてもあきらめずに挑戦を続ければ、収束は必ず訪れます。なお、運はコントロールできないが、収束は全員に平等に訪れることを覚えておきましょう。
そこで疑問が浮かびます。通過率50%以上は可能なのか?的中率3%というのは現実的なのか?これらの疑問に答えるために、WIN5の発売開始から2023年6月11日までの670回のデータを利用して説明します。
WIN5対象レースの人気別の勝率は以下の通りです:
1番人気:994回(29.6%)
2番人気:632回(18.8%)
3番人気:425回(12.7%)
4番人気:343回(10.2%)
5番人気:251回(7.5%)
6番人気:194回(5.8%)
7番人気:154回(4.6%)
8番人気:106回(3.2%)
9番人気:73回(2.2%)
10番人気:50回(1.5%)
11番人気以降:132回(3.9%)
WIN5の最初のレースの発走10分前までに購入しなければならないため、最終オッズを確認して購入することはできません。しかし、前売りオッズを利用してある程度予測は可能です。最終オッズから逆算して購入することはできませんが、そこは目をつむり、1番人気と2番人気の2頭を選ぶと仮定すれば、通過率は48.4%となります。また、1番から3番人気の3頭を選べば通過率はさらに上がり、61.1%となります。
一見、通過率50%以上は高いハードルに感じるかもしれませんが、勝率の高い馬を選ぶだけでその通過率を簡単に達成することは可能です。
次に、この通過率を達成しながら、全5レースすべて的中させることができる確率が3%程度あるのかを見てみましょう。それぞれ1番人気だけ、1番と2番人気の2頭、1番から3番人気の3頭を選んだケースの的中率を見てみると、以下のようになります:
1番人気5頭(1点):的中回数1回、的中率0.15%
(通過率29.6%、理論上の的中率0.23%)
1~2番人気(32点):的中回数26回、的中率3.88%
(通過率48.4%、理論上の的中率2.66%)
1~3番人気(243点):的中回数63回、的中率9.40%
(通過率61.1%、理論上の的中率8.52%)
これらの結果から、理論上の的中率に近い数字が出ていることが分かります。これらの的中率は高くないかもしれませんが、先述したように、これくらいの的中率があれば、一貫して投資を続けることは可能ではないでしょうか。
ただし、注意点として、1~3番人気までを選び、全243点を買い続ければよいというわけではないことを強調したいと思います。ここではあくまで的中率だけを考慮しており、回収率や期待値については考慮していません。
以下は各ケースの回収率です:
1番人気5頭:回収率15.3%(投資額67,000円、払い戻し額12,600円)
1~2番人気:回収率70.0%(投資額2,144,000円、払い戻し額1,501,100円)
1~3番人気:回収率58.1%(投資額16,281,000円、払い戻し額9,464,980円)
回収率から見ると、大きな赤字を抱えることになるでしょう。しかし、この結果は機械的に購入した結果であり、期待値通りに収束していると考えることもできます。
以上から、期待値を考慮しながら、通過率50%以上を達成できる買い方を選択することが重要であるということが理解できると思います。次回は、通過率を維持しながら、期待値がプラスになるような購入方法を構築するにはどうすればよいかについて考察したいと思います。