ギフトショー2022秋LIFE×DESIGN・出展後記
2022年9月7日(水)~9日(金)の3日間、東京ビッグサイト東展示棟で開催された「ギフトショー2022秋・LIFE×DESIGN」に出展しました。期間中、大変に多くの皆様に市川木工ブースにお立ち寄りいただきました。
ご来場いただきましたすべての皆様に、心からの感謝とともに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
市川木工がギフトショーに出展を始めたのは2018年春からなので、今年で連続出展5年目になりました。ギフトショーがきっかけでお取引が始まった業者様も増え、今やギフトショーは、弊社にとって無くてはならない展示会です。
今年のメイン展示は、様々な杢を使ったトレーの数々。20年以上作り続けている花型のお盆「花膳」、雲形の小ぶりな「雲トレー」などの人気商品のほか、今回新しく、四角いトレー「木瓜膳」が加わりました。
木瓜膳の特徴は、角の意匠と全体のフォルム。縁の長辺がしゃくれ面になっているので、持つとすっと手に馴染みます。今回の新作・木瓜膳は大変に評判も良く、初出品とは思えないくらい多くのご注文をいただきました。うれしい悲鳴です。
市川木工のトレーの最大の特徴は、何といっても美しい銘杢の突板使い。毎回多くの皆様に、この突板や製品について質問されるのですが、今回は、そのルーツとなるものも展示しました。
これは和茶棚と言って、昭和時代、茶の間でよく使われていた家具です。昔の映画やドラマで見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。今ではすっかり使われなくなってしまった和茶棚ですが、実は、小さいボディーながら、飾り棚として使うのはもとより、食器棚、箪笥、書類入れ、扉の中に金庫も隠せたりなどなど、少ない持ち物で暮らすミニマムな生活にぴったりな家具。何より今は昭和レトロブーム。思い切って展示してみたら、存在感抜群で、大好評でした。
さてこの和茶棚、一つの製品の中には、実にたくさんの細工が施してあります。ボディーはもとより、扉、抽斗、違い棚、トレイなどなど、一つの製品には、詰め込まなけれないけないお作法がてんこ盛り。これを代々(現在3代目)作り続けてきた経験値、各材料に対する目利き、大切に守ってきた素材の3つが、間違いなく、今作っている数々の製品の礎になっています。
さて、私が今回痛感したのは、様々な業界で生産者の廃業が相次ぐ中、日本のモノ作りが脆弱になってしまったことです。作り手が激減したことで、技術承継されないまま無くなってしまった知恵ははかり知れません。夢を現実にするための合理的な工夫や技術は、試行錯誤する現場(モノ作りの工場)なくして生まれませんが、今や、工場に足を踏み入れたことのない人がほとんど。今後日本のモノ作りを支えるのは、容易ではない難しい問題です。
でもその一方、モノ作りの担い手として生き残っているからこそ、様々な出会いがあることも実感しています。わが社は、ほんの10年ほど前までは、お取引先と言えば家具屋さんだけだったのに、今では、陶器店、オーディオメーカー、蝋燭メーカー、商社、お土産屋さん、雑貨屋さんなどなど、さまざまな業種の方と、お取引や商品開発をするようになりました。
今回のギフトショーでは、お取引先の皆様が、市川木工に何を求めてやってくるのかを改めて確かめることができた展示会になりました。
次回のギフトショー開催は2023年2月、東京ビッグサイトです。
ぜひ、会場でお会いいたしましょう!