ひのきの[HINOKINO]は、静岡育ちのひのきで作った、木の道具ブランドです。
市川木工noteのアイコンは、ちょっと不思議なキャラクター。よく見ると、ひらがなで「ひのきの」って書いてあるの、わかりますか?
この子の名前は「ひのきのちゃん」。そして「ひのきの」とは、静岡県産ひのき材を使って、市川木工が静岡県で作っている、ALL MADE IN 静岡 のブランドなんです。
■ はじめまして、ひのきの[HINOKINO]です。
ひのきの木を知ってますか?
ひのき(桧)とは、古くから日本の歴史的建造物にも使われている、腐りにくくて耐久性に優れた木材です。
ひのきの爽やかな香りの成分は、気分を落ち着かせてくれる効能があります。その他にも、殺菌効果の期待できる成分も含まれています。
静岡県は、木の宝庫。せっかくなら、身近にある資源で新しい木の道具を作りたい!と思い立ち、2020年、静岡県産ひのき材を使用したブランド、「ひのきの・HINOKINO」を立ち上げました。ロゴマークは、ひらがなをモチーフにした親しみやすいキャラクター「ひのきのちゃん」です。
今回は、ひのきのこと、「ひのきの」のこと、みなさんにご紹介します。
■ ひのきで家具を作るために
ひのきは針葉樹です。
針葉樹は、広葉樹に比べて成長が格段に早い分、材質が柔らかいのが特徴です。この材質の柔らかさは、建築など、多くのパーツからなる構造物では、それぞれの材がひずみを吸収するため、壊れにくい建物になります。日本の木造建築が100年以上経っても現役でいられる理由のひとつは、針葉樹のおかげと言って良いでしょう。
しかし、柔らかい材で家具を作るとなると、話は別です。家具は、建築とは比べものにならないほど、格段にパーツの少ない構造物です。少ないパーツで人の体重を支えたり、激しい使用に耐えたり、収納物の重さに耐えるためには、材料そのものの強度も重要になります。
最も懸念されるのが、組み合わせてある接合部。材が柔らかければ柔らかいほど、材料同士の接合部は脆く、壊れやすいのです。そのため家具は、硬い材質の広葉樹(ナラ、ケヤキ、タモ、ウォールナットなど)を使うのが主流です。
広葉樹に比べて針葉樹のひのきがどのくらい柔らかいかの例えとして、わかりやすい言葉が「豆腐」です。
広葉樹に比べたら、ひのきは豆腐。
そのようなこともあって、今までわが社では、家具に針葉樹は使いませんでした。ところが、ある日突然、大人の道具箱を静岡県産のひのきで作ったらどうだろう?と思い立ってしまったのです。
■ 香りと手触りと白い木肌にうっとり
早速製作のため、静岡県産ひのき材を手配したのですが、近くで伐採された木であっても、すぐに手に入るほど簡単ではありませんでした。まずは、山から切り出してきた木を使うサイズに製材、乾燥してもらって、ようやく納品なのです。その間、ざっと1~2か月。
それでも、乾燥が終わり、工場にやってきたひのきの香りの良い事と言ったら!表面を削ってみると、そこに現れた白とほんのりピンクの肌合いは、油分も含まれていて、なめらかでしっとり!材は軽くてやわらかです。
素材が魅力的なので、その性質を引き出すプロダクトなら、とっても良いものになる!という根拠のない自信もあって、さっそく大人の道具箱を作ってみました。
■ ひのきの実力で、非の打ち所の無いプロダクトに!
大人の道具箱のスタンダードシリーズはバースウッドで製作しています。ひのき製は、バースウッドと色合いこそ似ていますが、実際目の当たりにすると、格段に進化したことがわかります。
何と言ってもその素材感の素晴らしいこと。森林浴のような香りは、リラックス効果や殺菌効果が期待されます。バースウッドよりもさらに軽い素材なので、モノを入れて持ち上げる時は、重さの負担が軽減しました。懸念された素材の柔らかさは、ロッキング加工で組むことで強度のある箱になり、問題なしです。ひのきは大人の道具箱にとって、適材適所の材料!と、実感しました。
いちばんの魅力は、そのなめらかな肌合いです。加工途中でも痛感するのですが、程よい油分のおかげで、すっきりキレが良い仕上がりなのです。
早速、静岡県産ひのき材使用の製品を見分けるために目印をつけることにしました。ブランド名は「ひのきの」。ロゴマークの「ひのきのちゃん」を作り、製品にマーク。
■ 大人の道具箱Aセット、Bセット、Cセット。
代表的な、大人の道具箱Aセット。パーツは8点で、組み合わせて使います。
箱は、ただ積み重ねてあるだけ。でも、その単純さが良いのです。
■ 隙間に入るスリムは、中身がすごいんです。
場所を取らないスリム。でも中身は充実しています。
小さな中箱と仕切り板で、使い勝手を良くしました。
■ オープンボックスで、さらに使い方バリエーション増。
オープンタイプは、棚や靴入れとしても使い勝手は十分です。
箱の下段に組み合わせて、取り出しやすい収納に。
■ 小さな道具箱・Plusで、さらに便利に!
小さな道具箱Plusは、デスク上の小物入れにぴったりサイズ。大人の道具箱シリーズにも重ねられます。
■ ひのきの「大人の道具箱」
ひのきの「大人の道具箱」は、備蓄品をローリングストック法で収納するのにも最適なうえ、コロナ以降は、マスクや体温計、消毒用のアルコールなど、生活に必要な医療品も増えたため、ストレージ(容量)追加が可能なプロダクトとして、お使いいただけます。さらに、リモートワークが必須となり、書斎を持たないビジネスパーソンからの需要が増えています。仕事道具を収納することで、日中のダイニングを書斎として使うなど、家庭内フリーアドレスワークを可能にする、新しい家具です。
家具製造は、古くからある静岡の地場産業。土地で育った木と、土地で培った技術が合体した製品は、「ALL MADE IN SHIZUOKA」の静岡クオリティーを、少しでも多くの皆様に、体感してほしいと願っています。
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