語句知識と読解能力の関連性
こんにちは、大山です。
今日は、漢字や慣用句などの語句知識と読解能力の関連性についてお話しします。受験から逆算したときにまだ時間が豊富にある時期(中学受験であれば4年生、高校受験であれば小学生のあいだ~中学1年生あたり)まで、は、読解のテクニック以上に、漢字・語句知識など、いわゆる語彙力を増やすという面が総体としてみたときの読解力形成には重要です。※それ以降の学年で重要度が下がるというわけではありません。継続的に語彙を増やすという習慣自体、入試直前まで継続して行う必要があります。
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語句知識を身に着けることは「知識問題で点を稼ぐ」以上に潜在的な読解力の形成につながるという点でメリットが非常に大きいからです。
授業で習うような、いわゆる「読解テクニック」や「解答テクニック」。こちらも総体として見たときの読解力としてはもちろん大事なんですが、ここは比較的見えやすい、顕在的な部分になります。それに対して、「語彙力」や「語句知識」は読解力という枠組みの中では潜在的な部分、一見すると見えにくいですが、実は読解テクニックや解答テクニックを支えている側面があります。
〇「漢字が読めない」とテクニックではカバーしきれない。
例えば、漢字の知識が豊富にある場合、自分の全く知らない言葉が文章中に出てきたときに意味を正確には知らなくても、含まれる漢字の字義からおよその意味を推察できるようになります。それが漢字の力が全くない子の場合だと全くの黒塗り状態です。ちょうど、ラジオを聴いていてその部分がノイズで聞こえない状態になると思ってください。漢字が全く読めない状態だと、ノイズまみれのラジオを聴いてるような状態に近くなるんですね。その状態だと、いくら読解テクニックを持っていてもそれ以前の問題になってしまう、というのは想像しやいかなと思います。
〇語句知識は表現技法や論理的思考の宝庫
そして、ここからが特に重要なポイントですが、漢字以外の語句知識、慣用句やことわざですね。これ実は読解テクニックで必要な日本語における表現技法や、論理的な思考の宝庫なんです。
例えば、
「光陰矢の如し」これは、時間流れを矢のような速いものに喩える「直喩」という表現です。
「花より団子」これは具体事例を出すことでその上位の抽象的な事柄を想起させる「提喩」という表現の形になります。
他にも、「風が吹けば桶屋が儲かる」これは一見つながりがないものでも実は回りまわってつながっているという意味ですが、その「つながり」って文章読解の中で重要な論理展開である「因果関係」を指すんですね。
一個一個まだまだありますよ。実は、語句知識は本人たちが論理的な思考や、日本語の表現の在り方を体感として身に着ける非常に有効なツールなんです。実をいうと後に本格的に学ぶ読解テクニックや、論理的思考って、その体感してきたものを言語化して整理するという側面があるんです。まだ「論理的思考」といくら言われてもピンとくるわけがない、特に小学生の段階において、これ以上に心強い味方はありません。
だから、この時期だとお子様方には積極的に日常の中でも覚えた慣用句や語句知識を使って世界を見てほしいなと思います。例えば日常の中で本人が覚えた語句知識に当てはまる出来事があったら、積極的に使っていく。「急がば回れだよ、地道にやりなさい」とか使いやすいものもあるじゃないですか。日常的に積極的に取り入れていけば、本人たちが「覚えた言葉」を「実感」をもって身に着けることができると思います。多少使い方間違っていてもいいので、やってみてもらえるといいかなと思います。
では、今日は語句知識と読解の関わりについて説明しました。この部分は地道に勉強ができる部分、かつ今しかできない勉強(受験直前期に詰め込みはさすがにロスが大きすぎる)ので、大切にしてもらいたいと思います。
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