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「ALL TIME-automatic life log-」公演に向けて

来週、10/19から本番です。
今この時代に他人と暮らす、というのはどういう事なのだろうと考えながら書いた作品です。少し前にゼクシィのCMで「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というキャッチコピーが出てきて話題になりました。僕もこの文言がとても好きだったのですが、それと同時に、じゃあ恋愛や契約を挟まない他人との人生のシェアも有り得るのかもしれない、と思いました。
老々介護が可能になる、生活費の負担が減るといった現実的な側面がその生活には勿論あると思います。ただ僕がより強くこうあれば良いなと願ったのは、それが家族や自己への呪縛から解放される手段にもなり得てほしい、ということでした。新しい家族という枠組みを得る事で血の繋がりから逃れられることが可能になるかもしれない。それが自分の人生を豊かに出来る一つの道になればいいなと。そんな風に考えました。

僕の作品では小さなSF要素をいつも入れているのですが、今回は死ぬと他人の思い出から消えてしまう[ニジネ]という存在が出てきます。手前で書いたことを否定するようですが、負の運命に捕まってしまう人というのは少なからずいて、いくら手を尽くそうともそこから逃れられない事も珍しくありません。
何かをきっかけに救われていく人と、望まない形で生きていかなければならない人の両方をこの作品では描こうともがきました。
役者さんやスタッフさんが今回もこの作品を形作ることに心血を注いでくださいました。決してハッピーな芝居では無いですが、もしよろしければ観に来てください。とても好きな芝居になりました。

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