言葉よりも大切なもの
当たり前だったものが当たり前でなくなる。
そんな経験を1年前にした。
SMAPの解散は私たち日本人にとって大きな衝撃を生んだ。
そして、今年、嵐が活動休止を発表した。
あまりにも唐突で、突拍子もない発表だったが、なんだか心があたたかくなる会見だった。
リーダー大野くんの意見、意思を尊重したが故の決断だったが、誰も大野くんを責めてはいなかった。
ジャニーズの第一線で活躍した彼らも、全員30代を通り越し、40代に入ろうとしている。アイドルを続けるには過酷な環境にいただろう。
自分は、ジャニーズの楽曲が好きで、聴ける限りはどんなグループも聴いている。
その中で、嵐は異色の楽曲を歌い続けている。
SMAP、TOKIO、V6、関ジャニ、それぞれ、大物に楽曲提供をしてもらっている。
と言うか、それぞれ、楽曲提供に癖があり、楽曲提供が楽しくて聴いている。
ジャニーズの凄いところは、絶対に売れる方程式を持っていながら、楽曲に手を抜かないところだと思う。
SMAPは大物から若手まで幅広い。初期は林田健司が数多くやっていたが、後半になってくると、相対性理論や、川谷絵音など、売れかけているアーティストに頼み、時代の流れをいち早くキャッチしていた。
V6に至っては、Nona Reevesの西寺郷太にアルバムを丸々任せるというありえないことまでする。
中でも凄いと思うのは関ジャニ。
怒髪天や、イナズマ戦隊という、バンド好きにはたまらない楽曲をちりばめたと思えば、きっちり、ヒャダインや、ゆずにも任せるという、中身のバリエーションの濃さが魅力的である。
しかし、嵐はこの手法を全く使っていない。
後半になって来て、ゆずや、山下達郎、藤井フミヤなどの楽曲提供を受けるが、初期は裏方専門の人が多かった。どれも心に響く楽曲なのだが、他のジャニーズに比べると、正直バリエーション豊富とは言えない。
だが、どれを聴いても嵐だった。
自分の嵐における勝手なイメージは、王子様感だった。
それこそ、ゆとり世代を象徴する、争わない感のあるグループ。
それを楽曲でも出していたのかもしれない。
ジャニーズの楽曲の中では異色とも言えるこの音楽方針は今後にも受け継がれるのだろうか?それはわからないが、嵐の楽曲を今後も聴いていきたい。そう思わせてくれるグループだ。
そして、2020年に出されるであろうアルバム、復活してから出されるアルバムを心待ちにしながら、今の嵐を応援し続ける。