脳梗塞になったら急に頑固親父になったジージ
父が突然脳梗塞になった。
80を越した父。
急遽近くの病院に入院。
幸いにして、ごく軽症で、手術も必要なく、5日ほど入院すればいいらしい。
いつもは温厚な父。
声を荒げることとか、滅多にない。
ところが、脳梗塞で前頭葉をやられたか??
入院生活が退屈すぎたか?
確かに別に立派な病院でもない。
同室は同じような年老いたおじいさんたち。
控室も、時間潰しする場所もない退屈な病室。
初日から
「わしゃ、もう明日退院する」
と言い出した。
いやいやいや、脳梗塞だよ。
命がとられたり、認知症になっちゃったりするあの脳梗塞だよ。
自己判断で退院決めるとかありえんのよ。
バーバがどんなに説得しても、全く聞く耳持たず。
「こんなとこにおったら、死んでしまうわ!」
と大声で喚き散らす始末。
いや、死なんためにおるんやろ。
同じ部屋にいるじいちゃんたちに失礼やろ。
耳もよく聞こえんもんだから、お医者さんが
「でも昨日の検査で、ちょっと認知が怪しいところがあったからね。様子見てみましょうね。」
と、やさし〜く説明するのに、全く聞こえてない。
か聞いてない。
「じゃあ、明日退院できるかどうか、明日診せてもらってから判断しましょう」
よくできた先生で、あまりダメダメ言っても聞かないのわかってるのか?(慣れてるのかな、老人の扱い)
とにかく根気よく、毎日言い続けて、なんとか当初の予定まで入院させてくれたよ。
すごいなお医者さん!
ところが・・
頑固親父ぶりはそれで終わりじゃなかった。
退院後、何日かして、仕事中に母から電話。
「ジージがららぽーと行きたいと言ってるんだけど」
え?なんでららぽーと?
「なんか、血圧計壊れてるから、買いに行くと言って聞かない」
よくよく話を聞いたら、もともと降圧薬を飲んでる父。
入院中に、薬をやめろと言われたらしく。
びっくりするくらい血圧が上がったらしい!
そりゃそうでしょうよ!
薬やめたんだから。
上がるのは不思議じゃない。
まず行くべきは、ららぽーとじゃなくて。
病院です!
何なら、ららぽーとより、病院の方が近い!
でも、ここでまた頑固ジジイぶりを発揮。
何度言っても、
「この血圧計がおかしいんだ!」
と言って聞かない。
やっぱり前頭葉がやられたか、
とりあえず、私は仕事中だったし、在宅勤務の旦那に頼んで、うちの血圧計を持って行ってもらった。車で行けば5分だから。
当たり前なんだけど、うちの血圧計で測っても、結果は同じ。
やっとのことで、納得して、病院に行ってくれたらしい。
旦那よ、感謝!
こんな頑固親父ではなかったのに。
いよいよ脳がやられたのか??
ちょっと覚悟したけど。
幸い、この頃だけだったかな。
後遺症だったかもしれません。
また1日中、パソコンに向かって麻雀ゲームをしている寡黙な父に戻りました。
でももう両親の老い問題は、すぐそこに来てるな、と実感した事件でした。
耳以外は特に悪いとこもなく、あの年で、まだ全部自分の歯という健康印の父だけど。
覚悟しとけよ、ってことかな。
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