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Vol.25 不動産鑑定士と司法の場で争うための弁護士を選任
2019年5月24日、金融庁が発令した業務改善命令によって明らかとなった西武信金の不適切(不法?)な融資。
<業務改善命令>
第2.処分の理由
当局による立入検査の結果や信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を検証(注)したところ、金庫は業績優先の営業を推進するあまり、内部管理態勢の整備を怠った結果、以下のような問題が認められた。
(1)投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。
i. 融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。
ii. 投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。
さらに、業務改善命令が発令された同日、西武信用金庫から以下の発表がありました。
(注)なお、現状当金庫で把握している計数等は以下のとおりです。
○ 投資目的の賃貸用不動産向け貸出案件を持ち込む業者による融資関係書類の偽装・改ざんを当金庫職員が看過してしまった可能性が高い件数
当金庫の認識では127 件です。そのうち、当金庫が、債務者と面談して調査した結果、何らかの偽装等があったと認められる件数が73 件ございました。その他については、引き続き確認を実施してまいります。
○ 経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、当金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為と思われる件数
現存する18 か月間のメールでのやりとりからは258 物件あると確認しています。この期間内の同書面の数との比較では約1 割に相当します。
要するに西武信用金庫自ら不正を認めているのです。
この不適切な行為の問題は
融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠であるとされていた
経済的耐用年数を用いた築古物件への融資は、国交省や不動産鑑定士協会もバックアップしていた
しかし、ある時期から金庫職員が外部専門家に対して耐用年数や修繕費用等を指示・示唆していた
結果として担保価値に見合わない過剰な融資を反復的に実行していた
この不適切な融資を受けた債務者は融資を受けた時点で債務超過で出口なし
私はこの不適切な融資の被害者の一人であると確信し、その被害の回復を求めて活動しています。
2020年10月、弁護士Cにより西武信金に対して司法手続きのひとつであるADRの申立を行いました。
しかしだからと言って不動産鑑定士に対して「もう何もしない」なんて発想は毛頭ありませんでした。
不動産鑑定士に対しては過去に内容証明の発送、そしてADRの申立とある意味私から交渉するチャンスを与えていたつもりだったのですが残念ながら拒絶され続けました。
であればもう出るところに出るしかないと考え
不動産鑑定士に対して損害賠償請求
の準備を進めることにしました。
ただ、西武信金と不動産鑑定士では戦い方が大きく異なると考え、新たに弁護士Dを探すことに。
その弁護士探しですが、このときは「弁護士ドットコムを活用して広く募集する」という手法を取ってみました。するとすぐに数名の方から連絡がありました。ただ、真摯に検討してもらえそうな打診があったのは正直1名のみ、他の方はいかにもテンプレのコピペで私の心には何も響きませんでした。となればもう一本釣りしかありません。ビデオ会議と実際の面談を行ったののち正式に弁護士Dを選任しました。
不動産鑑定士との戦い方に関しては
2020年中にADRの申立
ADRに応じなければ裁判に切り替え
請求額は不法行為に伴う高値掴み部分を損害として計算できるMAXを算出
さらにもう1社の不動産鑑定業者を使い、不正融資に使われた不動産鑑定の中身を精査、それが不当・不法であることを客観的に立証してもらい、その結果をも証拠として用いる
こんな流れで進めることにしました。