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火乃絵のロクジュウゴ航海日誌〈scrap log〉 第二百廿五日 8/11

きょうは久しぶりにnoeさんから着信があった、チャクシン、といっても逆無言電話というらしく、こちらはしゃべることができない、30分ほど話すと少しは落ち着いたらしく、きいていた火乃絵も眠りにおちていた、

一夜明けたいまこれを書いているのだが、ようやくひとつのよるを乗り越えられそうな気がしてきた、主体はあっけらかんとしていなければならない、あれだけ言っていながら火乃絵がみづからてんでものにならない愚物であるということを忘れていたのだろうか、ブンジツの仲間にしたって生身のにんげんであるかれらが生きている火乃絵を認めてくれるとでもおもったか、たれも附いて来ない、それでこそフナキじゃないか、…

(長い省略)

…こういう心の情態はみづから暗喩として表現するほかないのだが、そのすべてがつい今しがたupされた船長こと宝鐘マリンさんの新曲「Unison」にうたい尽くされているようにおもう、じぶんの心に耳を澄ませるように、この曲にダイブする——

作詞・作曲(+track)を「インドア系ならトラックメイカー」でも有名なYunomiさんが手掛けていて船長の声とヴィジュアルと合わさって、たれもみたことがなかったエポック・メイキングの曲となっている。おんがくはこれから音色すすんでは音触のじたいに這入ってくる。ひらがなの一音一音がきもちいい、昨夜からループ再生で100回以上きいているが、その海も空ももっと深い。——

                *

Unison 
        宝鐘マリン、作詞作曲 Yunomi


[筆写]

硬すぎたのかな、ビンが
あるいは船首が柔いか
延命した赤ワインは延々、波の上
拾い、飲むのは中毒患者
広い空なのに奇妙な予感だ
あ、そうか簡単だ、船長を決めてなかったんだ

それが団結できない要因か
あんた含め全員は5人だ
候補はこれで全員か
3人不要でいいか?

武器はしまえ、海上だ
奪い合いなんか異常だ
多数決が理想さ
みんな自分に入れるか、そうか

というわけでサイレンス、きみ次第
誰にしたって気にしない
最後の航海だから行き先は選び放題
さあ舵を貸せ、交代だ

プリーズ、ミスターサイレンス
ああ、どうして
ああ、どうして選べるのがきみしかいないんだ?

お願い、choose me
お願い、choose me
ほら早く、今日中にお願い
Choose me, choose me

きみが今日選んでくれないとなんもできない
考えてくれないと心配に感じちゃうんだ
こんなとこで迷ってると沈むよ、深海に

沈むよ、深海に
沈むよ、深海に

濡れて気付いた震える体
あふれてきちゃった、船底からだ
穴が空いたんだ、座礁して
ああ、どうして直せるのがきみしかいないんだ?

お願い、修理
お願い、修理
さあ、ほら今すぐに塞いで
熱中して、熱中して!

きみが今日塞いでくれないとなんもできない
感じてる、そろそろ限界値
大事なものを探しに行かない?
偉大な夢の旅、新世界に!
きみがいないと意味なんてない
考えてくれないと心配に感じちゃうんだ
こんなとこで迷ってると行けないよ、絶対に

行けないよ、絶対に

文月四日

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