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火乃絵のロクジュウゴ航海日誌〈scrap log〉 第二百廿六日 8/12

どんな情態にあってもこれだけは書きつづける、〝一日も空けないこと〟、火乃絵のロクジュウゴ航海日誌はブンシツの bottom keeper だ、と勝手におもっている、これだけは毎日つづける、雨でも風でも雪でもヒドリでも、きれいでも汚くても、たしかにあったロクジュウゴの一日一日を火乃絵のカラダをとおして未ざらし紙のノートに刻んでゆく、文化祭までブンジツに休みはない、人が来なくても絆が見えなくても、ここにこうして火乃絵のいるかぎり、この世界にロクジュウゴのない時はない、いつでも火乃絵がみんなの帰る家になる、「おかえり」をいえる日が来るまで、器じゃなくても、人望も信頼もなくても、嫌われていても、かまわない、独りよがりといわれようとも、代理だろうがなかろうが、〝おれがブンジツだ〟

待っていてもやって来ない、〝眠りの中に救いはない〟、手都可(てづか)ら編み上げるブンジツの今を、一字一字ここに刻み込む、——

この夏がロクジュウゴの最底辺だ(そうであることを祈る)、〝Let’s go Crazy〟、どんなに見てくれが悪くともひのえはこのコトバだけは守る、ここを失くしたらもうおれたちの再会はない、火乃絵にはもうあとがない、——人生はそれでも続く? この夢のついえたところからほんとうの life が始まる? けれどそれは絶えず死に続けることでしかない、死なないための命——〝死ぬまで生きる〟とはそういうことなのか? 何度でも始めたらやっぱりそれは火乃絵にはブンジツと文化祭になる、——それはいい、けれどなぜ俺たちとじゃなくちゃいけないんだ? おまえはどこでも何度でも新しい仲間に出遇うことができる、たとい死んだ後でだって…

もうじぶんでも分かってるんだろ、「理由はない」——もんだいはこうだった、おまえたちを最初におくか、最後におくか。後者を取るのがブンガクの倫理だ、けれどみてのとおり火乃絵は前者をとった、近道なのか遠回りなのか、ここでやらなければおまえたちとの溝はひろがってゆくばかりで、死後のせかいでしか解決がきかないとおもった、それでよかったのかもしれない…

けれどカラダがいうことをきかなかった、どうせ身投げするならばおまえたちの方に投げていいとおもった、このロクジュウゴはひのえにとってすでに afrer world なのかもしれない。玉砕ぜんてー、砕けるならばくだけるで中途半端にはなりなくない、せめて夢の花の片鱗でも香らせなくては、それを知っているおれたちだけでなく、心の通うもっと多くの人に65thといういめがかつてこの地上に実在したことを、そしてひのえがこれを書いているいまもこれからも、その精神は生き続けていることを、〝Let’s go Crazy〟は不滅だということを、——

「ひとりだったらブンジツじゃない」、そういわれたらさいご火乃絵は死ぬしかない、たしかにこれはロクジュウゴという劇のひのえというひとりのほんの脇役の日誌にすぎないが、だからといってこれがブンジツでない理由(ワケ)はない、断じてない。みづからの首を絞めるようなりんりがあってたまるか、ひとりひとりの色の集まった極彩色が、〝虹の向こうの Rainbow Cafe 〟が、その光の建築が文化祭だ、火乃絵だってそのうちゅうの星のひとつだ、仲良しごっこがしたいわけじゃない。——

ひとりでもやる、そしてどんなに五月蠅がられても呼び声を発することをやめない、むさくるしい孤独の、無為の共同体、そこは譲らない、けれどひとりぼっちじゃない、火乃絵はいつでもみんなのいる明るい文化祭のカオスを夢見ているから、

 ロクジュウゴ文化祭実行委員会!
 委員長代理はフナキ
 ………………………
 メンバーは…

 …………
 これから集まるんだ!

 わかんねえかな………
 一人のときも
 ガンバリとおす!
 こういうのを

 つっぱらかる

 っていうんだ

2020年12月30日、大風の中、チャリンコで辻に話をしにいったとき、火乃絵の中ではすでにロクジュウゴは始まっていた、だから「ブンジツやってるんだけどやらん?」ときいたのだ、そしてそうだったからこそ「もう始まってるならやるしかない、」そこからまた始まったんじゃなかったか。忘れてもらっては困る、

みんなの思い出の65thを火乃絵は占有化しているのだろうか、「ロクジュウゴは偽物だ」といわたところで、「おまえの活動なんか認めない」といわれたところで、「じゃあお前はどうなんだ?」といいかえすだけだ、くやしかったらおまえはおまえのロクジュウゴを始めればいい、もう始まっているのか? だったら火乃絵の、フナキの汚い色なんかすぐに塗りつぶせるはずさ、ヤムチャが主人公のDRAGON BALLなんてはやく終わらせてしまえ。——

——フナキはどう転んだって湘爆の江っちゃんみたくはなれない、端っこにも描いてもらえるかわからない、それでもやる。魅せられたから、中学生のとき文実の先輩たちに憧れたおれたちがそうであったように…それがブンジツの倫理だ、

おまえたちは言い出しっペがもしフナキじゃなかったらやったのか? だとしたらそれはフナキのせいにしてるだけなんじゃないのか? だったらお前がイチからやり直したらいい、お前の気に入るやり方で。キライになったりキョーミがないのはけっこうだ、だけど、ずるい、ずるい人だ、君は。責任のがれ、君の荷物さ。それは、——ぼくのじゃない。だからせめて、

汚ないまねはやめようじゃないか。

参考
「Viva la revolution」Dragon Ash
「サンシャイン・ラブ」忌野清志郎 Little Screaming Revue
『湘南爆走族』吉田聡
「やさしさ」RCサクセション

文月五日


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