『昨日のどこかへ』#2 伊藤優/エッセイ『ここではないどこかへ』
昨日、久しぶりに朝から起きている状態だったので、どこかへ行ってみようと思い、大宮駅まで行ってみた。
さいたまは意外と都内から近い。でも、運賃を見ると500円近く、そして場合によっては500円以上払っているので、県跨ぎを感じる。
県跨ぎを言えば、私は大学時代、大阪から京都まで大学へ通っていた。毎日2時間くらいかけて大学に行っていた。運賃片道700円超えだった。
それに比べたら、さいたまってありえないくらい破格タウン。
昨日は朝、新宿付近に用事があったので、そのあと電車一本で大宮駅まで行けてしまった。所要時間1時間もかからずに他県へ。
本当に破格タウン。
本当は大宮ではなく、図書館に行こうと思ったのですが、道中で調べてみたら、お休みの日だった。
図書館って行こうと思った日にだいたい休み。
そして、私が行きたいケーキ屋さんも行こうと思った日はだいたい休み。
おそらく私が、外に出ようと思う曜日が決まっているっぽい。
体内時計が関係しているのでしょうか。誰か学術的に解明してほしい。
そんなこんなで大宮に来た。
大宮には大きな神社がある。氷川神社という神社。
氷川神社の近くには大宮公園があって、無料の動物園があるからということで、氷川神社に行ってから大宮公園の動物園に寄ろうとしたら、動物園が休みだった。
リサーチ力皆無。
動物園は休みなのに、動物園の目の前にある児童公園のようなところの片隅にある小さい遊園地はなぜか開いていた。
ゴーカートの進路を示す矢印が、全部チョークで地面に書かれていた。
こういう無計画な日は、こういうのがおもしろい。
無計画だからこそ、休園でも自分を恨まないで済む。
無計画だからこそ、心にゆとりをもって一日を過ごせる。
韓国映画『パラサイト』のある台詞を思い出す。
“최고의 계획은 무계획이다.
아무것도 계획하지 않으면 실패하지 않을 수 있다.”
「最高の計画は無計画だ。何も計画しなければ、失敗することはない」
その通りだなと本当に思う。
でも、生きていたら働かなきゃいけないし、生命活動をしなければならないので、ちょっと計画しなきゃいけないんだよな。
ちょっと計画したものが、計画から習慣になって、無計画状態で生きているのかもしれないな。
とか思いながら、大宮公園駅まで向かおうと思ったら、盛大に道に迷った。
ちゃんと地図アプリを見ていたんだけど、地図アプリの示すルートよりも近そうな道を見つけて、楽しようと思ったら、行き止まりだったり、遠回りだったりで想定よりも時間が2倍かかった。
楽しようと思ったり、ショートカットしてやろうと思ったりしたとき、だいたい道に迷って、楽じゃない道だと思ってたほうが楽な道だったりする。
人生ってそういうふうにできてるのかなあと思いながら、帰りの電車に乗った。
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