
「言葉」の力を侮るなかれ|「言葉」はコンサルタントの最強の武器
これまでの記事でも書いてきましたが、私には、人より秀でたこれといった能力はありません。
「あの人はプレゼンテーションが上手だなぁ」
「あの人は、ITのスキルや知識がとても豊富だなぁ」
と、周囲を見て羨ましく思ったり、
「この人の能力が僕にあれば、もっと質の高い仕事ができるのになぁ…」
とないものねだりすることも多いです(笑)
そんな私ですが、唯一「これは自分の武器だ」と言えるものがあります。
それが「言葉」です。
地球上の人達が、毎日のように使っている「言葉」。
日々のコミュニケーションの軸となるもの。
使い方によっては、相手を傷つけたり、怒らせたり、逆に喜ばせたり、背中を押したり、感動させたり…
言葉の影響力の大きさを考えると、到底計り知れません。

お客様との面談においても、表面的な言葉であれば、スルーされて終わってしまう。
でも、感動や衝撃を与える深い言葉は、相手の心にずっと残り続け、思わず他の誰かに伝えたくなり、感動が連鎖するパワーも持っている。
例え話一つとっても、イメージが湧き、心に響く伝え方をしたり、
日常の中で「お!これは良い言葉だ!」と思ったら、メモしてお客様のところで使わせて頂いたり、
面談の最後を締めくくる言葉は「これだ!」と思える最高な言葉を用意したり…
「言葉」の選び方一つで、目の前のお客様との関係性は、天と地ほどに変わる。
それが、「言葉の持つ力」なのだと思います。
「for you」の言葉を使う
私がなぜ「言葉」をそんなにも大切にするのか。
それは「お客様の問題を解決する全ての過程を司るのが、言葉」だからです。
私達コンサルタントの仕事は「顧客の問題解決」。
お客様が問題を抱えておられるからこそ、私達の存在価値がある。
特に、顕在化したものではなく、お客様がまだ気づかれていない潜在的な問題に気づかせ、解決していくのがコンサルタントの仕事です。

そして、お客様の課題を解決するためには、
まずは「お客様に何でも話していただける強い信頼関係」を築く必要があります。
「日野さんには安心して何でも話せる」
「日野さんは、分かってくれている」
そう思っていただくためにも、私は、日々の面談の中での言葉選びを、とても大切にしているつもりです。
特に意識をしているのが「for youの言葉を使うこと」。
「あなたの役に立ちたい、あなたの問題を解決したい」という想いから発する言葉と、
「私の商品を買ってほしい(for me)」という想いから発する言葉では、
その質は全く異なります。
例えば「お客様の夢やビジョンをお聞きする」時。
自分の商品を売る(for me)ことが前面に立っていると、
「まずは、◯◯さんのビジョンを教えていただけますか?」といった、唐突で乱雑な言葉になることも多々あります。
するとお客様は、
「なぜ、みず知らずのあなたに、そんなことを言わないといけないんだ」と不快な気持ちになり、場合によってはお客様を怒らせてしまうことにもなりかねない。
これでは、お客様との信頼関係を築き、信頼の貯金を貯めることはできません。

でもこれが「for you」の言葉だとどうなるか。
「◯◯さんが、夢やビジョンを達成できるよう、最大限お役に立つのが私の仕事です。よろしければ、◯◯さんの夢やビジョンを、私に教えていただけませんか?」
このような聞き方をされると「初対面だけど、この人にはちょっと話してみてもいいかなぁ」という気持ちになりませんか?
もちろん、質問のテクニックはありますが、言葉の出どころが「for you」なのか「for me」なのかは、ものすごく重要です。
何でも腹を割って話していただける関係性が築けたならば、そこからは、お客様の人生の課題そのものにダイナミックにアプローチしていく。
深掘りの質問を、どんどん投げかけていきます。(このあたりの質問型営業については、また別記事でお伝えしますね)
そうすることで、お客様の潜在的な問題がどんどん掘り起こされ、整理されていく。
お客様が問題に気づかれるから、次の具体的な行動にも繋がり、実際に問題が解決されていく。
これら一連の流れ全てを司るのが「言葉」だと思っています。
コンサルタントの仕事は「顧客の問題解決」
こうして書くと、
「問題解決をするのがコンサルタントの仕事?保険を売るのが仕事でしょう?」
と疑問を持つ方もおられるかもしれません。
保険というのは、もしもの時や不測の事態に、効果を発揮するものです。
保険に入って頂いたのであれば、その対価として、もしもの時にお金が支払われるのは、当然のこと。
一生のうちに、何度起こるか分からないシーンに価値を置くのではなく、
むしろそれ以外の日常生活の中で、お客様の問題を解決し、より豊かな人生を送って頂くよう伴走する。
それこそが、コンサルタントの提供価値であり、毎月の保険料は、お客様の問題解決のために私が頂く顧問料だと思っています。
例えば、お客様の会社の状況をお聞きして、
「このままでは、もし社長に何かあれば、会社が立ち行かなくなる。だから今のうちから、後継者育成を進めていきましょう」
とか、
会社の決算書等の財務状況を確認させて頂いて、
「今は借り入れで回しているけれども、万が一銀行の融資がストップしてしまったら…?バランスシートを綺麗にして、健全な財務状態の経営に取り組んでいきましょう」
こうしたところまで踏み込んで、私の周囲におられるプロのネットワークをフル活用してお客様の問題を解決していくことが私の仕事。
そのためには、お客様と強い信頼関係を築くことが大切で、その根底にあるのが「言葉」だということです。
…と、こんなに偉そうに言いながらも、日々インパクトの無い言葉ばかり連発していたらすみません…(笑)

「時間」は、言い換えれば「命」
お客様に対しても、一緒に働くメンバーに対しても、「私との面談の時間は、価値のある有意義な時間にしてもらいたい」という気持ちで日々仕事をしています。
たまに「これって意味あるのかなぁ…」と思う会議なんかもありますが…(笑)相手の貴重な時間を奪う、時間泥棒にはなりたくないなぁと…。
時間とは、言い換えれば、相手の命を削って捻出してもらっているもの。
そんな相手の貴重な時間を頂くのであれば、こちらも一生懸命に面談に臨まなければならない。
そのためにも、コミュニケーションの軸となる「言葉」を、これからも大切に使っていきたいと思っています。
こうして書きながらも「あぁ…最近できていないなぁ」と反省するところも多々あり、noteに書くことで、逆に自分の気づきや学びにさせてもらっている日々。
本当に有難うございます。
次回の記事も、お楽しみに!