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理念やビジョンだけではなく、大切なのはBS経営

会社を経営する上で、理念やビジョン、大義はもちろん大切です。

それがなければ、人はついてきません。
しかし、それだけでは経営を続けることはできません。

渋沢栄一もこう説いています。
「論語(道徳)と算盤(利益)を調和させることが経済活動においてもっとも重要なこと」と。

経営者が数字に疎ければ、会社は傾いてしまいます。そうならないためには、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー)のすべてを理解し、経営する必要があります。

そして、そのためのサポート役が私たち保険コンサルタントなのです。

…ということで、今回は、
「理念やビジョンだけではなく、大切なのはBS経営」
これをテーマに、お話していきたいと思います。


決算書を深読みし、課題解決に挑むのが保険コンサルタント

中小企業庁の調べによると日本には約380万の会社が存在し、そのうち90.7%が中小企業であり、その7割が赤字に陥っており、9割近くがキャッシュフロー赤字とも言われています。

なぜそうなってしまうのか。それは、多くの経営者が決算書を理解できていないからです。なんとなく経営が回っている、感覚のままに経営している…でもそれは命取りです。

「事業でちゃんと付加価値を出せているのか」 「BSの自己資本比率は高いのか」 「自社の借入返済能力はいかほどなのか」「毎月毎年お金は残っているのか」

これらの重要なポイントを理解せず、やみくもに走り続けている会社が多いのです。こういう会社をラットレース経営といいます。結局のところ、BS(バランスシート)を理解していないと、戦略的に前に進むことはできません。

BSが崩れていることに気づかずに自転車操業を続けていると、債務超過に陥り、社員に給料が払えない、借金のかたに家を取られる、家族と離れ離れになるなど、悪循環に陥ります。最終的には、大切な人に迷惑をかける人生になってしまうのです。

それほど、社長は重い責任を背負っています。

そこで私たち保険コンサルタントは、決算書を深読みし、潜在的な課題を掘り起こし、その課題を解決するために経営者に寄り添い、伴走支援をしていきます。

給与所得者、個人事業主、経営者を問わず、PL・BS・CFが見えているか、数字として理解できているか、これが人生、経営の生命線なのです。

保険料は継続的な貢献をするための、顧問料(原資)である

PL・BS・CFの理解

冒頭でも伝えましたが、経営者は数字に弱くてはいけません。なぜならば、健全な経営にはPL・BS・CFのバランスが大切だからです。

1年間の稼ぐ力を示すのがPL(損益計算書)。 蓄積、つまり過去にPLで稼いだお金のストックを示すのがBS(貸借対照表)。そして、 現金の流れを把握するのがCF(キャッシュフロー)です。

これらを理解し、強化していくことが私たち保険コンサルタントの役割であり、存在意義でもあります。

感覚のままに経営を続けて会社がつぶれてしまったら、自分も周りも不幸にしてしまいます。その覚悟がない社長には覚悟を持ってもらう必要があります。また、社長が病気になり、これまでのように働けなくなった場合、会社が傾いてしまう可能性もあります。そうならないための安全装置(エアバック)として保険と伴走支援する保険コンサルタントが必要なのです。

つまり、会社を存続させるために不可欠な部品が「保険」なのです。

保険料は顧問料となり、継続的な貢献をする原資となります。そこに勤勉努力と継続実践が加わり、しっかりとPL・BSを強化していくのが、私の伴走支援スタイルです。

社長の課題を一手に引き受ける

本気で伴走支援を行うためには、言いたいことを言えない関係性では成り立ちません。決算書を深く読み込み、潜在的な課題を見つけた上で、言うべきことはきちんと言う必要があります。

例えば、「ちょっと儲かったからといって、そのお金で高級車を買ってどうするんですか?本業にお金を生み出すんですか?従業員や銀行に知られたらどう思うでしょうか?」といった具合に、はっきりと伝えます(笑)。

また、「もし万が一、会社に何かあって売上がなくなったとしても、最低一年は社員にしっかり給料を払えるだけの財務体質の会社にしておきましょう」と伝えることもあります。

とはいえ、社長が抱える課題は多面的で複雑です。事業継続、事業承継、後継者への株移転、相続、退職金準備、従業員の福利厚生など、様々な課題があります。

これらの課題に部分的に対応できる人や専門家はいますが、財務問題、自社株問題、後継者問題、相続問題を同時に解決できるプレイヤーはそう多くありません。

私がそれをできるのは、時系列で対応し、継続してサポートしながら、強いチームで解決に導くことができるからです。

そして、それができるのも、G先生の教えである「勤勉努力と継続実践」を忠実に守ってきたからです。

好循環のための覚悟

伴走支援をする中で、「何のために会社を経営しているのか」と経営者に大義を問うこともあります。その上で、「それならこのやり方ではダメだから…」と方向性を修正することもあります。

利益が会社にしっかりと残るようにし、その利益を従業員に還元し、会社にも蓄えることが大切です。

そうしていくうちに、自己資本比率が上がり、企業格付、銀行格付が向上します。そうすれば、銀行から新たな融資も受けやすくなり、新たな取引先や大口の取引も増えます。売上や利益が増えれば、採用や広報にも投資できるので、優秀な人材を採用できるようになり、好循環が生まれます。

しかし、この良い循環の根底にあるのは、付加価値の高いサービスを提供し続けるという大前提です。それがなければ会社は薄利多売となり、いずれ立ち行かなくなります。そのためには、常に新たな動向にアンテナを張り続けなければなりません。私たちは、そのために勉強を続け、サポートを提供し続けます。

勤勉努力と継続実践、その覚悟を持って伴走支援をしているのです。

好循環のための、勤勉努力と継続実践

数字が大事だとしきりに伝えてきましたが、私自身、完璧な人間ではありません。わかっていてもうまくできないこともあります。

それでも、勤勉努力を自身の生き方に掲げ、トライ&エラーを繰り返し、習慣化と継続を貫いてきました。その結果、少しずつ自分の価値を示せるようになってきました。

大切にして、大切にされる。この好循環を生むためには、自身の努力が必要不可欠です。

そして、最初にも伝えたように、経営にはPL・BS・CFのバランスが何より大切です。

理念とビジョンだけでは届かない、確かな安定とさらなる高みを目指すためには、数字音痴からの脱却が必要なのです。

前回更新しました、「その場限りの対応ではなく、勤勉努力と継続実践|日野貴博|外資系保険会社 コンサルタント (note.com)」の記事とあわせてお読みいただければ、より理解が深まると思います。


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