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「昭和のオヤジ」な社長がカメレオン系どや〜社長に進化した話

「いや〜すいませんねぇ、こんなむさ苦しい男が持ってきて」

そんな言葉を聞いたのは、とある会社に打ち合わせに行った時のこと。
デスクスペースの横にパーテーションを立てたこじんまりとした会議ブース。私と同僚が社長に案内され椅子に座ると、新しく入ったという外国人の従業員ヤンさんが私たちにお茶を出してくれた。
すると社長がヤンさんに言う。

「あれ?おい、佐藤はどこ行ったんだ?」

社長はからっとした性格で、私たちにもいつもフレンドリーに接してくれるような人だ。よく言うセリフは「俺は昭和のオヤジだからさ!」である。
なんというか、典型的な中小企業の活気ある社長さんという感じ。

社長に聞かれたヤンさんは、お茶を配りながらニコニコと答えた。

「佐藤さんは、電話デスよ〜」

佐藤さんとはその会社で長らく働いている事務の女性で、いつも私たちが来訪すると大体彼女がお茶を出してくれていた。そしてどうやら社長は、佐藤さんの代わりにヤンさんがお茶を持ってきたことに驚いて聞いたようだった。

電話が終わった佐藤さんが慌てた様子でこちらにやって来る。

「あっあら〜、ヤンくんお茶出してくれたの?」

その時に社長が私たちに言ったのが冒頭の言葉である。

「いや〜すいませんねぇ、こんなむさ苦しい男が持ってきて」

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