アンビエント初心者が体験したセバスチャンムラートと夢の旅
去年の12月15日、表参道。
私は友人に誘われてSebastian Mullaertという人のアンビエントのライブを見に行った。
セバスチャン・ムラートさん。
私は全く存じ上げなかったのだが、ダンスミュージックシーンのとっても有名な人らしい。
「らしい」というくらい全然知らないのになぜそれを見に行ったかというと、そのムラートさんが行っているCircle Of Liveというプロジェクトの中のIn Dreams sleeping concert seriesなる企画がとっても面白そうだったからだ。詳しくはこちらをどうぞ。
定員は20名。
イベントは23時半から始まり、朝の7時半までの8時間即興でライブを行う。そして、そこにいる人達は何をするか。
フェスのようにお酒を飲みながら音楽を聴くでもなく、クラブのように朝まで弾けるように踊りながら楽しむのでもない。
寝るのだ。
各々寝袋やキャンプ用の寝具などを持参し、普段はクラブイベントやライブなども行われているそのスペースに横たわり、静かにその音楽の世界に没頭する。
話をするのがNGなのはもちろんのこと、ドリンクカウンターもクローズ、アルコールも禁止である。
普段私たちが想像するようなライブとは全く異なるそのイベントに、私はとても興味を抱いた。
ライブハウスで寝る!?しかも8時間一人の人が即興で演奏するのを聴く!?というかむしろ聴きながら寝る!?
なんだそのイベントは...。すっごい面白そう。
もともとムラートさんを知っていたその界隈のジャンルに明るい友人がこのイベントに行くというのを聞き、私が興味を示すと「チケットがまだあるようだったらよかったら一緒に行こうよ」と誘ってくれた。
定員20名なのでかなりの競争率かと思ったのだが、なにやらチケット購入窓口のサイトでちょっとトラブルがあったらしく、私は運良く残りわずかのチケットをゲットすることができた。
こんなににわかな感じなのにせっかくの貴重な20人の枠を取ってしまってよいのだろうかとも思ったが、こういうのは運とタイミングである。
私は今まで出会ったことのない新しい音楽を体験できる気がしてわくわくした。
開演後の入場も再入場も不可。
私たちがその空間に入ると、会場の照明はすでに薄暗くセットされていて、スペースには各々持参したであろう寝袋やブランケット、枕など来場者が持ち込んだ思い思いの寝具が並んでいた。
キャンプ用のコットと呼ばれる簡易ベッドに寝そべる人や、中にはヨギボーを持ち込んで参戦している強者も。
み、みんなの寝る準備が本気ですごい...。
私も空いているスペースに、持ってきたマットと寝袋を広げる。
するとスタッフの人が「こちら、セバスチャンおすすめのアロマです。もし苦手でなければ枕元などに少し落としてもいいでしょうか」と言って、アロマオイルのようなものをつけてくれた。
視覚、聴覚だけでなく嗅覚までその体験に没頭できるように考えられているとは。すごい...。
会場はステージにほのかなライトが付いているのみでフロアはほぼ真っ暗だ。
過去に一度この会場にライブを見に来たことがあったのだが、もちろんフロアに寝そべったこともなければ天井一面を見上げたり、こんな角度からステージを見たこともない。
そこはまるで全く別の空間のようだった。
ここからは、私がうとうとしながら現実の意識と睡眠の狭間で感じた体感の話である。
音楽を聞いたことによって描かれたイメージかもしれないし、いつの間にか眠ってしまった中で見た夢の景色だったのかもしれない。
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