失恋墓地 #毎週ショートショートnote
人は恋を失うとここに来て、思い出を壺に詰めて埋める。
次の恋に進むための願掛けの儀式みたいなものだ。
管理人の男が墓の周りを掃除していると、女が現れた。
「おや、貴方でしたか。今回はまた、早かったですねぇ」
「ダメだったんです...だってあいつ、元カノと隠れて会ってたんですよ!」
男は女から壺を受け取る。
「しかし、こうもハイペースで失恋なされるとこちらも大変だなぁ。墓誌もそろそろ書ききれないし、壺もあといくつ入るか...」
「そんなこと言ったって私だってしたくて失