【オークス直前特別企画】ヒノVSイクル【競馬放談】プレイバック

今週末は、いよいよオークスが行われます。

特別企画として、ヒノとイクルが毎週発行しているメルマガの大人気コンテンツ【競馬放談】から、阪神JF、クイーンC、桜花賞、フローラSを見た後に、ふたりが何を語ったかを振り返ってみたいと思います。ピントのずれた見解を笑い飛ばしてください。そして、多少はオークスの予想のヒントにもなる部分があるかもしれません。

※最初の阪神JF編だけは無料でご覧になれます。


1.ヒノvsイクル【競馬放談】阪神JF編

――今週は……。

ヒ:誰だよ!? ルメデム香港遠征でいないから今度のGⅠは日本人ジョッキーの番だ、とか言ってたのは! ここも外国人じゃねえかよ!

イ:先週とは違うデムーロ騎手……外国人騎手は層が厚いですね。

ヒ:川田騎手のお手馬だったから、チョイスを間違えただけ。層の厚い香港スプリント路線に喧嘩を売りに行く必要なんてなかったのに(苦笑)。

イ:「アジアのロードカナロア」でも勝てるチョロいGⅠじゃないんですか?(笑)

ヒ:違う! 違う!! 全然違う!!! ロードカナロアは異様に香港適性が高かっただけ! エイシンプレストンと一緒だよ。日本じゃ普通レベル。スプリンターズSでファインニードルと戦ったらいい勝負になるだろうけど、ファインニードルには異常なほどの香港適性がないの。

イ:それを言ったら香港馬もそうなりそうですが……(苦笑)

――ヒノさん、いつになくアツいですね(苦笑)。

ヒ:もう! イクルのせいで早速、脱線しちゃったから、阪神JFに話を戻すよ。印上、「消」→「危」→「危」で1~3着という、素晴らしい予想を披露したイクル先生(笑)。

イ:4着も「危」ですから、付け足しておいてください(笑)。この辺の馬が上位を占めた時点でレースレベルも推して知るべし……と見ましたが、ヒノさんはどんな感想ですか?

ヒ:本命のクロノジェネシスは1800mでスローの経験しかないから、マイルの速い流れだと後方からの競馬になるのは覚悟していた。だから、出遅れて、さらにタニノミッションに前をカットされても、まったく動じる必要はないと思っていたし、アーモンドアイに乗っているつもりで自信満々の競馬をすればいいと思っていた。ところが、出遅れて焦っているように見えたから嫌な予感はしたんだけど……。ただ、それでも勝てると思っていたんだけどね。

イ:ラストは差せそうで差せませんでしたね。脚力の違いと見るべきか、判断が難しいところですが。レース全体としてはどうでしたか?

ヒ:北村友騎手はアーモンドアイに乗ってもGⅠ勝てないんじゃない?(笑) アンカツさんもツイッターで「直線まで我慢してれば勝てた」と仰っていたし。外からダノンファンタジーにフタをしたかったみたいだけど、コーナーであそこまで勢いをつけたら遠心力がかかるから、外から内にフタをしに行くなんて無理だよね。だから、逆に弾き飛ばされてたし、義務教育からやり直さないとね(笑)。

イ:珍しく厳しい論評ですね。

ヒ:それと同時に、石橋脩騎手をあらためてスゴいと思った。

イ:というのは、昨年のラッキーライラックで勝利したことに対してですかね?

ヒ:そうそう。クロノジェネシスに注目した理由に騎手もある。というのは、阪神JFにルメデムが乗れないのなんて半年以上前からわかってるから、阪神JFを狙っている馬には日本人騎手の若手を起用するって方針なのかもしれないな、って。それで、昨年は石橋脩騎手がラッキーライラックで勝った。だから、今年そのポジションの馬はクロノジェネシスなんじゃないかってね。ラッキーライラックみたいにサラッと勝つと思い込んでいたよ。

イ:昨年、ルメール騎手はロックディスタウンで負けていますけどね。北村友騎手は今年勝ち星を伸ばしていますが、平場とGⅠ、重賞などでは勝手が違うんですかね? それとも単純に……下手なのか(笑)。そもそも論として、GⅠやそのほかのレースで騎手の腕が大きく変わるのか、影響力が強まるのか? というテーマもあります。

ヒ:だから、ダノンファンタジーの口取りに満面の笑みで映っていた吉田勝己氏を見て、ちょっと考えが変わった。ホントは、タンタラスとかモアナアネラみたいな良血高額馬に走ってほしいのに、アエロリット、ラッキーライラック、リリーノーブル、クロノジェネシスと比較的廉価な馬ばかり走っちゃうから、あんまり活躍しないように下手な日本人を乗せているだけなんじゃないかと。石橋脩騎手にはハードルを越えられちゃったから、今度は北村友で、みたいな。

イ:アーモンドアイも安価な馬の1頭ですけどね。そもそも、なぜ高額馬は走らないのでしょうか?

ヒ:50万円とか100万円の馬なら多少ぶつけも平気平気ってバリバリ乗り込めるけど、これが1億円とかになると腫れ物を触るようになるのかなあ? そこは、イクルが言う通り気になるところ。こんなこというと、馬からパワハラで訴えられちゃうから、この辺で止めるけど(笑)。

イ:もちろん期待度はあるんじゃないですか? 安馬×中堅厩舎or若手厩舎だからこそビシビシ行けるし、野武士、雑草的な強さが発揮できたりはしそうです。とはいえ、例えばキャロットやシルクからバゴ産駒やオルフェーヴル、ルーラーシップ産駒がこんなに走ったりしないんですよね。ブラックバゴとかはいましたが(苦笑)、地味な血統で走るのがサンデーRの安馬に限られているのは気になりますね。

――吉田勝己さんの笑顔は別にありそうな気も……。

イ:ですよね! ダノックスとノーザンファームといえば、昨年のセレクトセールでハンマーが落ちてノーザンFの吉田勝己社長が「野田さん(順弘氏、株式会社オービック会長兼CEO)、いい買い物をしましたね!」と歩み寄ったにも関わらず、実は裏でセリが続いていて野田氏が落札できなかった事案、いわゆる『ランフォザローゼズ事件』がありました。いわば騙し討ちにあった野田会長の口からは「裁判をする!」と穏やかではないワードも飛び出したといいますし、勝己さんとしては満面というより安堵の笑みだったように見えましたけどね。

――イクル君、それ知ってるの限られてるからあんまり大きな声で言わないの(苦笑)。

イ:全部言っちゃいましたよ(笑)。例えば、これがアドマイヤさんみたいに恩を売る必要がないどころか、何としても潰したいような相手だったら潰しにいくものなんですかね? 個人的にはそこまで騎手起用について考えられてはいないように見えますが、どうなんでしょう。

ヒ:こらこら、「何としても潰したい」なんて言うもんじゃないよ(苦笑)。とにかく、これまでは外国人が活躍しても馬がいいから、という言い訳ができたのに、阪神JFで、多少馬の力が足りなくても腕の差でどうにかしてしまうというのが証明されちゃったから、北村友騎手は日本人ジョッキー全員に土下座しないと(笑)。北村って苗字が悪いのかな?(笑)

イ:そうなんですよね。北村って名字が風水的に……って、うるさいわっ!!

【Point of View】阪神JFはノーザンによるダノックスへの接待レースだった!?

イクルが指摘している『ランフォザローゼズ事件』のあと、つまり昨年のセレクトセール後、ノーザンF生産で重賞を勝ったのはダノンファンタジーのみ。前走ファンタジーSが最初であり、ここでGⅠを勝ってもらって、ノーザンサイドとしては禊としたいのか。そう考えると、ノーザンF生産かつサンデーRの牝馬・グランアレグリアの阪神JFパス→朝日杯FSゴーというローテは、ルメール・ファーストというより、昨今、ノーザンファームにとって最大の顧客といってもいいダノックス(ミッキー)への接待で、ダノックス・ファーストという可能性も……。

――阪神JFのレベルみたいな話は追い追いでいいですかね。

ヒ:うん、次の話題に行こう。中日新聞杯は?

イ:中日新聞杯はお互いに的中でしたね。ヒノさんは3着馬からなんとか引っ掛けたような的中なのに、差が広がらなかったのが遺憾でしたが……。この辺は予算を設けて買い目まで出している勝負だからこそともいえます。

ヒ:中京競馬場は風が強くて有名。ただ、いつも吹く方向が同じだからあんまり気にしなくてもいいんだけど、中日新聞杯の日は微妙に向きが違っていて、直線がモロ向かい風だったみたいだよね。マイスタイルの田中勝騎手がそういうことを頭にインプットして競馬するとは思えないから、波乱の決着になりそうだと思っていたのに、本命にしたストロングタイタンもプラス36キロ。自信を持って馬券を買えなかった(汗)。まあ、それでも3連複で4万円も付けば十分だけど。イクルはどうだった?

イ:今の風の話は興味深いですね。先週、現地に行った感じだと無風でした。同じ感覚で中山に行ったら寒いわ風が強いわで悲惨でしたよ……。トウショウドラフタが勝った2年前のファルコンSのときなんか凄かったですけどね。ストロングタイタンは、外厩から出荷される段階ではもっと太っていましたから、あれでも絞れたほうなんです。とはいえ、ガツンと勝負するには気になる要素になってしまいましたね。

――イクル君はずっと評価してきたショウナンバッハに◎を打って、40倍と70倍のワイドを500円ずつズバリ。おふたりともお見事でした。

イ:ショウナンバッハは実績もあって、前走も不利がありましたし。GⅢ級でこういう相手でこれぐらいの人気なら上位にとりやすい馬でしたね。僕もマイスタイルの田中勝騎手が結構なペースで逃げると踏んでいたので、時計勝負にさえならなければ展開的にも来やすいだろう、という読みでした。新潟記念以上に自信を持って推せるレースで、ある程度イメージ通りにいきましたね。結果的にあんまりスムーズなもんだから最後は我慢比べで負けてしまいましたが、レース後にふと思ったのは、果たして人気だったらショウナンバッハに重い印を打てたか、という点ですね。まだそこまで自分の予想は上手くない……と思わされた1戦でもありました。

ヒ:坂の途中からのスタートで向かい風。それを大外枠からあれだけ行ったら、今度は向こう正面が追い風になるわけだから、そりゃあペースを落とせないよね。そこまで読めればショウナンバッハという手もあったんだろうけど、ホントに相性がよくない。ただこの時期の馬体増はプラス40キロまでは気にせず買うことにするよ。
(編註…ヒノは以前からショウナンバッハを狙い続けていたものの、新潟記念でリリースした途端に走られたという経緯がある)

イ:マイスタイル自身も緩急がつけられない逃げ馬ですしね。2400mを緩→緩で行けた横山騎手は、さすがに達者です。

【Point of View】ノーザンF生産馬は外厩でパンプアップ!?

このストロングタイタンに限らず、少し前からノーザンF関連馬は放牧先で一気に馬体重を増やしている例が散見される。今回はプラス36キロとわかりやすかったが、一気に数十キロ増やし、レースには絞って出てくる馬もいるのでなかなか気づかないのだが、ノーザンが試行錯誤して辿り着いたであろう方程式だけに気になるところ。ノーザン系の一口の会員さんは、ぜひクラブ馬の放牧時の馬体重もチェックしてみてほしい。

――ほかはいかがです?

ヒ:カペラSは何かある?

イ:正直に言うと、この路線は予想の仕方がわからないです(苦笑)。ひとつ気になるのは、外枠有利の中山ダート1200mですが、このレースは1枠の連対率が高い。これは何かあるのでしょうか?

ヒ:コパノキッキングの追い込み自体、最初から狙っていたのか、ゲート内で待たされた影響か微妙だし、好スタートを決めたら砂被って嫌がって負けてたんじゃないか、とか考え出すと難しいよね。僕も、ここは揉まれてダメだろうとコパノを無印にしていたから……。

イ:コパノキッキングは、揉まれ弱いのか、よくわからないまま重賞まで勝ってしまい扱いが難しいですよね。ただ、もう次もGⅢや交流重賞ぐらいだと人気だろうし、ただただ買いづらくなってしまいました。

ヒ:ここはアテもん的要素の強いレースってことでいいと思う(笑)。

――じゃあ、そういうことで(笑)。

イ:えっ!? それでいいんですかね……(苦笑)

ヒ:話したりないなら、最後に朝日杯FSにも触れておこうか?

――お、ヒノさん、自信ありげですね。

ヒ:どの馬かは週末のメルマガを見てもらうとして、ココこそ、日本人ジョッキーの出番じゃないかと思ってるけど。

イ:想定1番人気がダノンファンタジーを新馬戦で子供扱いしたグランアレグリア、2番人気がアドマイヤマーズ、さらにもう1頭のノーザンファーム生産馬ケイデンスコールも含め、“ノーザン三羽烏”はすべて外国人騎手です。先週の結果から日本人騎手は……となりそうなのに、意外な結論ですね。下敷きで本命予告までしていたクロノジェネシスより自信アリでしょうか?

ヒ:北村友騎手は足りなかったけど、今度は足りる! “足んない”なんてことは無い!!

――うわぁ……(苦笑)。

イ:やっちゃっいましたね……(苦笑)。

ヒ:あれ? また、答え言っちゃってる!?

イ:斜行癖のある、“アノ馬”ですね。それなら僕は、その馬から一番遠い外国人騎手の馬にしようかな(笑)。

ヒ:外国人は行儀のいい馬しか乗らないし、ちょっと行儀の悪い馬に乗せられると「日本馬怖い、クレイジー!」とかいって、すぐ帰っちゃうからね。癖があるからこそ回ってきたチャンスをモノにしてほしい!

イ:来週は「苗字が悪い」「やっぱり足んない」とか言わないでくださいよ!

ヒ:そっちこそ「危→消→消」みたいな変な漢字3文字決着じゃなくて、ちゃんとした印の馬で◎→○→▲決着させなよ!

【Point of View】ヒノの本命馬を当てるにはヒントが“足んない”!?

というわけで、アノ馬が本命だそう。先週も負けたとはいえ、自信の本命馬クロノジェネシスは2着を確保。今週も馬券絡みは確定か!?

※各馬への評価は、あくまでも馬券的な扱いについての評価であり、他意はございません。ご気分を害された関係者の皆様にはお詫び申し上げます。

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1.ヒノvsイクル【競馬放談】クイーンC編

――土曜の東京開催が降雪の影響を考えて中止に。月曜に代替開催が行なわれました。

イ:しかし現地ではまったく降っていなかったと聞きましたが。

ヒ:せっかくの3連休を3日間開催にしたくて、JRAはウズウズしてたからね。最近、場内のモニターでよく告知してるよ。競馬場に積雪がなくても、馬の輸送や沿線の運行状況に影響がある場合は中止することもあるって。JRAにとっては恵みの雪だったんだよ。

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