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【Jr.ウインターカップ】RIZINGS徳島優勝!🏆 偉業を振り返る

※全編無料で読めます。

1月4~8日に東京の武蔵野の森スポーツプラザで京王Jr.ウインターカップが開催され、RIZINGS徳島が見事優勝!!!

県勢初優勝となった偉業をその強さの根源を探しながらまとめたいと思います。

【注意】
・私は関係者ではないです。好き勝手書きます。間違っていたら指摘してください。

RIZINGS徳島ってなんぞ?

中学校の部活動やBリーグの下部組織ではない「地域クラブ」。
なので、全中には(現時点では)出場できない(はず)。

あくまで地域移行の受け皿が主目的の 団体を対象としているため、学校単位での参加とし、複数校 から一部の選手のみ選抜された形での地域クラブ活動を意味するものではない。

令和6年度全国中学校体育大会 地域クラブ活動の参加資格の特例競技部細則より 0_K_saisoku.pdf

今年で結成7年目で、4年前のJr.ウインターカップでは十川HCのご子息でもある十川虎之介(東山高校→上武大)がチームを引っ張りベスト8。そのときは準々決勝で川島悠翔(すでにA代表経験もある日本の至宝)、見竹怜(福大大濠でWC優勝)らのいるNLG INFINITYに敗れた。これも超惜しかった。

インスタはこちら女子チームもあるよ)

Jr.ウインターカップってなんぞ?

中学の部活動、BリーグU-15、地域クラブすべてをひっくるめた中学生カテゴリ日本一を決める大会。
2021年から開催されていて、今年で5回目。RIZINGS徳島は第3回以外は徳島代表として出場している。

1つの中学で強いチームを作るというのが少子化で難しくなってきているし、Bリーグのユースもクラブチームも強豪がたくさんあるので今後はJr.ウインターカップが中学カテゴリ最高峰の大会になっていくのかなと思う。

大会の軌跡

1回戦 RIZINGS徳島 81-57 HOOPS4HOPE(千葉)

BOX SCORE

序盤から着実に点差を広げ全員出場で快勝。

2回戦 RIZINGS徳島 62-51 京都精華学園中学校

BOX SCORE

今年度の全中準優勝校との対戦。
3Qまで一進一退の攻防が続いたが、4Qで抜け出し勝利。
岩朝くん19pt 13reb、平岡くん17pt 11rebのダブルダブル。

3回戦 RIZINGS徳島 76-62 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U-15

BOX SCORE

岩朝くんがファウルトラブルに苦しむも全員バスケで勝利。
平岡くん20pt 12rebのダブルダブル
岩朝くん18pt、山岡くん14pt

準々決勝 RIZINGS徳島 73-61 ゴッド ドア

BOX SCORE

ダブルヘッダーとなった準々決勝、相手は第2回大会優勝のゴッド ドア。
ファウルトラブルで前の試合の出場時間が短くなった岩朝くんが16pt 19rebの大爆発。
平岡くん22pt 9reb

準決勝 RIZINGS徳島 75-54 LakeForce

BOX SCORE

ディフェンスで相手エースをしっかり抑え速攻で加点。
3Qに3P3連発などで一気に勝負を決める。
岩朝くん17pt 11rebのダブルダブル
平岡くん24pt、射場くん8pt 9ast

決勝 RIZINGS徳島 67-65 琉球ゴールデンキングス U-15

BOX SCORE

前半を8点ビハインドで終えるも、オフェンスリバウンドで繋ぎ、3Qで逆転。
勝敗の行方はラストショットまでもつれ、RIZINGS徳島が優勝をつかみ取る。
平岡くん21pt 18reb、岩朝くん22pt(3P 5/7)11rebのダブルダブル
射場くん7pt 6reb 7ast

RIZINGS徳島の強さとは?育成年代ならではのチームビルディング

ファンダメンタルがしっかりしている

バスケの基本スキルはシュート・ドリブル・パスだ。
その3つに加えてバスケに必要な基礎基本のことをファンダメンタル(日本語で基礎)と呼ぶ。

RIZINGS徳島はとにかくファンダメンタルがしっかりしている。
全員3Pが打てるし、ボールが運べるハンドリングもある。体の接触を受けたあとのシュートは力強く、キャッチ&シュートはなめらかだ。地味な練習を積み重ねてきたんだろうということがよくわかる。

経験者は思い出したくもないような地味練動画置いておきます。

こんな地味練を重ねて全員がオールラウンダーとして成長した。
オールラウンダーというのは育成年代のキーワードで、たとえどれだけ身長が大きくても(大きいからこそ)ハンドリングと3Pを鍛えることが重要とされている。理由は主に二つ。
まず第一に、現代バスケはポジションレス化が進んでいる。パリ五輪で日本代表に立ちはだかったウェンバンヤマ(スパーズ)を例にとるとわかりやすいが、彼は221cmもあるのにフォワードとしてプレーしている。戦術も多様化し、サイズがある選手はゴール下で頑張っていればいいという時代は終わったのだ。(あと10年早く生まれていたらNBAに行けたのに…と惜しまれるビッグマンがごまんといる)
ふたつ目は、身長はいつまで伸びるかわからない、だ。中学で成長が止まってしまう選手もいれば、20歳を超えても背が伸び続ける選手もいる。今大きくても将来的にどうなるかは予測が立てにくい。中学生世代は未分化の年代~ポケモンでいえばイーブイ~なのでどういう進化を選んでもいいように、「何でもできる」選手として育成するのが是とされている。

理屈を色々こねたが、指導者も胆力が必要だ。いくら育成が重要と言えど、目先の勝利も大事だ。勝たないと選手の名前も売れない。選手を有名にできない育成は本末転倒だ。

中学生で185cm以上ある選手いたらポストプレー連発させたくなっちゃう。だって絶対そっちの方が勝てるし。

そういった誘惑を振りほどき、選手もコーチの思いに見事応えた。

ボールへの執着心

リバウンド、ルーズボールへの反応がめちゃくちゃいい。少しでもボールがこぼれるようならものすごいスピードでかっさらっていく。相手のボールを自分のボールにしたり、相手の速攻を遅らせたりしたシーンは数えきれない。

3Pのレンジ

3Pラインにこだわることなく「自分の打てる場所」からガンガンシュートを放っていたのが印象的だった。その最たる例が山岡くんで、信じられないような距離の3Pを多投していた。(山岡くんがボールをもらえそうな状態になった瞬間から十川HCがしきりに「山岡!」と呼んでいたので、チームとして相当徹底していたように思える。山岡くん3P2連発、十川HCの指示もよく聞こえる動画)

自分のシュートエリアが広がれば、
・距離を取って守ってきたらそのまま打てる
・詰めてきたら中のスペースが広がる
・ドライブで相手を抜くための距離が延びる
といいこと尽くしだ。

岩朝くんと平岡くんはジャブステップをして、ディフェンスがドライブを警戒して距離を取ったと見るや否や3Pを沈めていた。相手としては下がらないとそのままドライブで抜かれるだけなので3P決められたらお手上げ状態だ。

軽いジャブステップ→3P

遂行力

RIZINGS徳島は速いトランジションと1 on 1がオフェンスの基本だ。しかし、Q始めやTOの直後といった「ここぞのタイミング」では、十川HCが策を授ける。今大会ではデザインプレーの成功率が非常に高かった。スクリーンの掛け方、使い方、パスの出し方が正確で意思疎通が取れていた。
相手に取らせたTO明けにディフェンスでトラップを仕掛けさらに点差を広げるシーンも見られ作戦遂行力の高さが窺い知れた。

ベンチポイント

準決勝と決勝で解説を務めた井口基史さんはRIZINGS徳島のことを

「ベンチメンバーも非常にハングリーで能力が高い」(要約)

と評していた。

全国レベルで通用する選手が何人もいるチームなんてそうそうない。さらに、チーム内で実力が抜けている選手がいるとその選手に得点が集中する。
RIZINGS徳島は岩朝くん、平岡くん、小畠くんの3人がU-14代表合宿に呼ばれた経験があるが、井口さんの評の通りそれ以外のメンバーも力を発揮できるチームになっている。

それを示すデータを示してみよう。
今回はベンチポイント(BP)を用いる。
BPとは、スタメン以外の選手が取った得点のことである。
今大会でベスト8入りしたチームを対象に、
・得点
・BP
・得点を記録した選手数
を下の画像に集計した。

詳細

一方的な展開にして4Qで主力を休ませればBPは増えるのでデータの扱いには慎重になるべきだと最初に断っておく。
ご覧の通り、RIZINGS徳島は高い平均得点とBP%を両立している。
佐々木くん、西原くん、森くん、山岡くんらがローテーションに入って前半から試合に出場し得点を重ねているのが特徴的だ。岩朝くんと平岡くんがチームの中心なのは間違いないが、2人を休ませても得点は取れていた。(高さの面で不利になることはあったが)

全体のサイズ

岩朝くん185cm、平岡くん187cmに目が行きがちだが、スタメンガード陣もそこそこデカい。(北島くん175cm、小畠くん177cm、射場くん173cm)
チーム内での身長差が小さいことがディフェンスで「誰がどの相手を守ってもまあまあ守れる」ことを実現させた。
名古屋D U-15戦やLakeForce戦はガード陣の身長のアドがあった分有利に戦えたと思う。

射場くんのチェイスダウンブロック。ほぼ2点献上のところを0点にできるバグ技。

以上のことを全員が徹底できていること

上手いからといって面倒事をサボることなく徹底できている。身長は天性のファクターが大きいが、スキルや遂行力は練習の賜物だ。
全員が高いクオリティでバスケができること。これが一番大きい。

最後に

最後になりましたが、RIZINGS徳島のみなさん、この度は優勝おめでとうございます。徳島県のバスケ界にとっても非常に明るいニュースです。これからも県内に留まらず全国の中学生カテゴリを引っ張っていくようなご活躍を祈念しております。

あと、3年生のみなさんの進学先知っている方はひっそり教えてください。

うっかり4000字を超えてしまいました……。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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