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どうして日本人はこんなに不倫を許せなくなったのか (メディア的な視点で考えてみたよ)
ここ数年、メディアのあり方の試金石みたいになっている話題といえば、不倫。
著名人の不倫が報じられる度、
「どうしてこんなに不倫で大騒ぎするのか」
「活動自粛まで追い込む必要があるのか」
という議論がセットでなされているのが印象的です。
個人的にいうと(というかこれは理性的に考えれば誰もがそういう結論にいきつくように思うのだけれど)不倫による制裁は、例えばスポンサード契約で契約違反になった場合等のペナルティを除いて、仕事全体を停止・剥奪したり、その後の活躍の可能性を奪ってしまうほどの罰はいきすぎだと考えている方です。
(不倫や不貞は当たり前によくないけれど、家族の事情ってほんとに家族にしかわからないこと多いし、外野がどうこういうことじゃないよね、というスタンスが年とるごとに強固になっていく)
不倫は”お茶の間”のブラックスワン
でもやっぱりここまで不倫の制裁が実際に行われているのは、ノイジーマイノリティが騒ぎ立ててるのを無視できなくてやっているみたいな気弱な話ではなくて、
もちろん声をあげている人も多いけれどそれ以上に、国民感情というか、家庭感情の不倫に対するアレルギーが圧倒的サイレントマジョリティで、その感情の渦が理不尽なまでに物事を大きく動かしている結果なんじゃないかと思います。
どうしてかというと、まだまだキングオブマスメディアである「テレビ」を支えている視聴層は主婦や高齢層で、彼らは”家庭を守る”という壮大な事業の当事者たちであり、
仮に彼ら彼女らを「家庭のCEO(もしくはCOOとかナンバー2ポジション)」と置き換えると、不倫ってタチの悪いヘッドハンターに会社のキーマン(CEOかナンバー2レベル)をわけのわからない会社にひきぬかれるみたいな話で、
実際そんなことが起こったら、経営者ならいくらオトナでも聖人君子で無い限り、とことん感情的に怒ったり、味方を募ってその人の社会的地位を奪っおうと画策したり、あとケースによっては裁判になったり損害賠償ものだったりという泥沼展開もありえるという話だと思います。
こう置き換えると、家庭という社会を支える最小単位の事業体の中で、旦那さん・奥さんってライフラインだし、文字通り従業員(子ども)食べさせなきゃいけないから、やっぱり不倫みたいなブラックスワンは恐怖とアレルギーの対象で、特に核家族化が進んでいる現代では、理性的な判断の範疇をこえていつか当事者になることに怯えている人が多いのではないでしょうか。
つまりマスメディアを支えている視聴層のブラックスワン=不倫ということで、これは制裁されないと勧善懲悪の物語が成り立たない、国民感情が落ち着かない、という話なんじゃないかと思うのです。
謝罪会見がネガティブなエンタメなのはもったいない
感情が落ち着かないといえば、不倫報道の加熱によって、謝罪会見がエンタメ化されている風潮もあるけれど、特にこれに違和感を覚えます。
以前、オリラジ中田敦彦さんの謝罪の極意というプレゼンを聞いたとき(たしか)「謝罪と謝罪会見の肝」は3つあって、
1.すぐ謝る
2.自分の言葉で謝る
3.復帰の意思を提示する
だという話が印象に残っています。
不倫の謝罪会見の違和感は「1.すぐ謝ってるか」「2.自分の言葉で謝ってるか」という、「謝る」という芸を見るのが目的化されてしまっているところで、それこそ視聴者の感情的なアレルギーを治めてくれるのか否かが良い会見・悪い会見の基準としてジャッジされている気がします。
私はいかに反対意見で理論的なことをいう人が出てこようと、人がコミュニティを形成するために太古からあるコミュニケーション手段→「噂話」の格好のエサである不倫というネタの加熱報道がおさまることは、コロナ渦や不況が続く限りしばらくないと思っています。
なぜなら、人は不安で、かつ時間が余っているときは、救いや答えを外部に求め、他者に対して攻撃的になるから。
ただ、こういう時代だからこそ、人はもっと失敗や挫折から這い上がる誰かを見たほうがいいんじゃないかと思っていて、どうせ謝罪会見をエンタメ化するのであれば、マスメディアがもっと「3.復帰の意思」を後押ししてチャンスを与えるのをセットでエンタメにした方がいいんじゃないかと思ってしまいます。
私はやっぱり、コンテンツやそれをデリバリーするメディアは、見る人を元気づけたり、癒やしたり、人としてアップデートされることをお手伝いするべきものだと思うから(理想論ですが)。
誰でも間違いは犯すし、挫折もするし、人のことも傷つけるし、”不快な思い(よく謝罪の対象になってるマジックワード)”をさせることもあるけれど、同時に人は失敗や挫折から這い上がる人のストーリーが大好き、というのも事実です。
謝罪会見では、謝るべき人への謝罪をしたあと、とにかく復帰の意思表明をして、その復帰のプロセスをメディアも追いかけていってあげたらいいのにと思います。(不倫じゃないけど、不祥事の内容への所感はどうあれ、復帰の意思をYouTubeで壮大にエンタメ化している、宮迫さん、手越くん、てんちむには好感を覚えるし、なんだかんだ元気をもらう)
こんな時代だからこそ、逆に。
やっぱり、不倫したら仕事をとりあげるというのは、どこかおかしい、という、今は独身()のやまざきの違和感の話でした。
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私が代表をしている株式会社アタラシイヒではYouTube・reels等の動画制作・マーケティング事業、女性向けの事業プロデュースを行っています。
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